子どもと一緒に取り組む季節の「手仕事」は、親が子どもへ伝える「生きる力と知恵」であり、生きた時間そのものです。2月の「季節の手仕事」のコーナーでは、無農薬でレンコン作りを続ける埼玉県の「柿沼養魚場」と毎月親子で作る旬のレシピを紹介する連載してくださっている「のうカフェ」オーナー・小林由紀子さんがコラボレートした親子体験イベントの様子をレポート!

写真左(のうカフェ・小林由紀子さん) 写真右(柿沼養魚場・柿沼賢さん)
レンコンの掘り方や保存方法、美味しいレンコンチップスのレシピ、レンコンの効用などを紹介します。
2月に挑戦したい手仕事...「レンコンチップス」
柿沼さん「レンコンは秋から冬にかけて収穫されて店頭に並びます。一年中食べられるという印象があるかもしれませんが、やはりこの時期が一番美味しいですね」
小林さん「レンコンといえば茨城の霞ケ浦などの湿地帯が産地として有名ですが、柿沼養魚場のある熊谷のレンコンの魅力はなんでしょう?」
柿沼さん「湿地帯の柔らかい土ではなく熊谷のような固い土の土地でレンコンを育てると、土の中でレンコンがゆっくりじっくり成長し、栄養分がしっかり詰まった美味しいレンコンになります。京都などの高級野菜にもこのような育て方をしているところがあります」
小林さん「確かに柿沼養魚場のレンコンはでんぷんがたっぷりの甘くて美味しいレンコンですね。産地を訪れて土地の特徴を聞きながら収穫して実際に食べてみると、同じ野菜であっても土地によって味や風味が違うことを発見するきっかけになりますね」
柿沼さん「レンコンにはいろいろな食べ方がありますが、今回は実際にレンコンを収穫して、少ない材料で美味しく作れるレンコンチップスを紹介します」
「レンコンチップス」の作り方1.レンコンを収穫しよう
柿沼さん「まずはレンコンを収穫しましょう。柿沼養魚場のレンコン堀り体験は水を抜いた畑と、水を抜いていない畑でレンコン堀り体験ができます。水を抜いていない畑は大人がウエーダーを着て腰まで水に浸かって収穫をします。一方水を抜いていない畑は子供も入れるので家族みんなで協力してレンコン堀り体験ができますよ」
柿沼さん「まずは、畑を見てください。泥の中から突き出しているのはレンコンの茎です。茎ではなく芽を探してその周りを掘ります。芽の周りを掘るというと簡単に聞こえますが、なかなかそう簡単には見つかりません。見つかるか、見つからないかはトレジャーハントのような運しだいなのか、それとも何か法則があるのか、自分の手で泥をかきわけて感じて楽しみながら収穫体験をしてみましょう」

水の中に浸かってレンコンを掘るのは意外と大変! この日は水温が0度近くまで冷えていましたが、夢中で掘っていると寒さも忘れてしまいます。

家族で協力してレンコン堀り! 大きいのを探そう! こっちに向かって根が伸びるんじゃない? どちらに向かって伸びているかわからないレンコンの地下茎の方向を予測しながらほりすすめます。

レンコンの地下茎の様子がわかるように掘り出したよ!

「紫色になったレンコンがあったよ! これは腐っているの?」と柿沼さんに質問して、これが種レンコンであることを教えてもらう女の子。レンコンは種で植えるのではなく、ジャガイモのように種レンコンを植えて育ています。
小林さん「今回のようにレンコン堀り体験ができなくても、地元の新鮮な食材が並ぶ直売所を探したり、茨城や徳島などのブランドレンコンを産地からネット通販で取り寄せたり、この時期特設される旬のレンコン売り場で手に入れたりしてみるのもおすすめです」
【子ども(小学生)とやってみよう】
親子でレンコンチップス作るなら、ぜひレンコンを手に入れるところから一緒にやってみましょう。今回のようにレンコン堀り体験ができなくてもスーパーなどの店先にどんな産地のレンコンが並んでいるのかをラベルから探したり、その産地が日本のどこにあるかなど、などを家族で話すきっかけになります。
「レンコンチップス」の作り方2.レンコンをスライスしよう!
柿沼さん「『家庭でレンコンチップスを揚げるときに失敗してしまう』という声をよくききますが、レンコンチップスを作るときの一番のコツは、油の上で直接スライサーを使って一気にスライスすること」
「レンコンをすべてスライスしてから揚げようとすると、レンコンの断面から粘りがでてスライスしたレンコン同士がすぐにくっついてしまいます。くっついたレンコンをはがしながら油に入れていると時間差がでて均一にカラッと揚げるのが難しいのです」
小林さん「レンコンの断面からでるのはレンコンのでんぷん質。レンコンの主な栄養分でもあります。糖質が多く冬場のカラダをよくあたためてくれますよ」
柿沼さん「スライスをしているのを見た人から皮ごとスライスして大丈夫ですか? とよく聞かれますが、柿沼養魚場では皮付きのままスライスしています。皮の部分に栄養素が多いともいわれるようなのでぜひ試してみてくださいね」
子供(幼児)とやってみよう!
「レンコンの穴はだいたい真ん中に1個、まわりに7~11個の穴が開いています。細くても太くても穴が開いていますが、太さによって穴の数が違ったり、真ん中に3つ穴が開いているものもあるので、子どもと一緒にいろいろなレンコンで穴がいくつあるかを数えてみるのもおすすめです」
「レンコンチップス」の作り方3.油の温度を180度まで上げてから揚げよう

「レンコンチップス」の作り方4.きつね色になる直前で取り出そう!
柿沼さん「取り上げるタイミングも美味しいレンコンチップスを作るのに大切なポイント! きつね色になる前に取り出して! 揚げすぎるとすぐに苦くなってしまうので、網杓子を使って掬い上げるようにして取り出しています」
完成! レンコンチップス!
柿沼さん「出来上がったレンコンチップスに塩コショウをふれば美味しいレンコンチップスになりますよ」
小林さん「そのままが一番美味しいけれど、青のりやコンソメ、などのフレーバーのものも作ってみたいですね」
レンコン農家さんに聞いた! レンコンの保存方法


レンコンのきんぴら入りの「のうカフェ」のお弁当

柿沼養魚場
・ 埼玉県熊谷市中条中谷691
・定休日 要問合せ
・048-525-3232
・営業時間 予約のみ
柿沼養魚場
【埼玉県熊谷市】母めし食堂「のうカフェ」
・埼玉県熊谷市下奈良391
・日曜・祝日定休(令和3年3月より月曜も営業します)
11:00 〜(LO14:00)
のうカフェ