子どもの毎日には、「好きなこと」や「オモシロイ!」を見つけるきっかけがあふれています。「未来へいこーよ」では、子どものワクワクする気持ちや好奇心を育む「いこーよ好き育メソッド」の視点で、年齢に合わせた楽しみ方をお届けします。
(※いこーよ好き育メソッドは、いこーよ子どもの未来と生きる力研究所が提案する、子どもの成長ステージに合わせた体験メソッドです。)
お金は「ありがとう」の交換
子どもにお金のことを伝えるとき、何から話せばいいのでしょうか。
「私たちキッズ・マネー・スクールでは、『お金はありがとうの交換』という話をしています。誰かの役に立ったり、誰かに喜んでもらったりすることで、その対価としてお金を受け取る。お仕事をしてお金を稼ぐというのは、そういうことなんだよ、と伝えています(中口さん)。」

「たとえば、お店で買い物をしたあとに『ありがとうございます』と伝えたり、レストランで『ごちそうさまでした。おいしかったです』と声をかけたりと、大人がお金を使う姿や、相手に感謝を伝える姿を子どもに見せるだけでも、金融教育の一つになると思います(中口さん)。」
「お金はどこから来る?」を日常のなかで話してみる
現金でのやりとりを目にする機会は、年々少なくなっています。そのなかで「お金の価値観を、どういうふうに子どもに伝えていけばいいんだろう?」と悩んでいる方も多いそうです。
「昔は貝がお金になって物々交換をしていたり、小判があったり。どんどん形が変わって、いまのお金になってきました。ちょうど私たちも、見えるお金が見えないお金になっていく過渡期に生きているんだなと実感します(中口さん)。」
だからこそ「仕事をしてお金をもらうこと」や「お金はどこから来るのか」を普段から話しておくことは大切だといいます。子どもにとって、親が働いている姿や、お金を得るまでの過程は見えにくいものです。
「私は子どもたちに『ママが仕事をすると、喜んでくれる人がいるんだよ』『仕事をして、誰かの役に立つことでお金を受け取っているんだよ』と小さいころから伝えてきました。そして、働ける時間には限りがあるため、もらえるお金にも限りがあることも伝えています(中口さん)。」
お金は使ってばかりいると、いつかなくなります。それが本当の意味で理解できるのは、少し大きくなってからかもしれません。でも「まだわからないから言わない」のではなく、小さいころから伝え続けていくことが大事だといいます。
自分だけでなく、誰かを幸せにするお金もある
また、お金の使い道は、自分が欲しいものを買うためだけではありません。誰かに喜んでもらうために使うこともできます。
「たとえば、家族の誕生日、敬老の日、きょうだいやお友だちへのプレゼントでもいいです。誰かが笑顔になると、自分も幸せな気持ちになれる。自分の手元には残らないけれど、誰かに喜んでもらうために使うお金もあるんだと実感しますよね。お金の価値観を考える上で、そういう経験はすごく大事だと思っています(中口さん)。」

中口さんの家庭では、募金をするときにも「このお金は何のために使われるんだろう」や「誰の役に立つんだろう」と親子で話し、お子さん自身がお小遣いのなかから金額を決めて、募金をすることもあるそうです。
プレゼントや募金などを通して「誰かのために使うお金」について親子で話してみるのもよいですね。使ったお金が、誰かの笑顔になって返ってくる。それを知っておくと、お金の見え方が変わってきます。
家族でお金の価値観が違ってもいい
「お金について夫婦で考え方が違う」というご家庭も少なくないのではないでしょうか?
「家族のなかでお金の価値観が違うこと自体は、それはそれでいいと思っています。私自身は『誰かの役に立っているからお金をもらう』と子どもたちに話していますが、主人は『ご飯を食べるため、生きていくために働いている』と言っています。でも、どちらも正解だと思うんです(中口さん)。」
使い道について、趣味に使いたい人もいれば、できるだけ貯めたい人もいます。大切なのは、ひとつの考え方だけを「正解」とすることではありません。
「お金について、人それぞれいろいろな価値観があることを知って、そのなかから自分がいいと思うもの、合う方法を選んでいく。それも、生きていく力につながっていくと思います。答えを渡すのではなくて、答えを一緒に探すということを、家族でやってみてほしいですね(中口さん)。」
【いこーよ好き育メソッドからのワンポイントまとめ】
「お金はどこから来る?」「誰の役に立っている?」「どんなふうに使いたい?」と、日常のなかで親子で話してみましょう。お金についての考え方は一つではありません。「これを買うのは正解?」「貯金したほうがいい?」とすぐに答えを決めるのではなく、「どう思う?」「どう使いたい?」と一緒に考える。悩んだり、ときには失敗したりする、その積み重ねが、その子なりのお金との付き合い方を考える力につながります。
年齢ステージ別「親子で楽しく『お金』を学ぼう!」シリーズ
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お話を聞いたのは…
中口裕子(なかぐち ゆうこ)さん
一般社団法人 日本こどもの生き抜く力育成協会 事務局/GOEN株式会社所属。同協会が運営する「キッズ・マネー・スクール」で、講師として登壇するほか、認定講師のサポートやコンテンツ作成も担当。もとはレストランの店長。「お金のことは、勉強しないとわからない」と感じ、金融の仕事へ転職。ご自身も小学生の女の子3姉妹の母。子育てのなかで、お金について子どもたちと一緒に試行錯誤している。
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