「二重跳び」のコツ&上手な練習法・教え方 跳べない理由は3つ

縄跳びがある程度上手になったら、次に挑戦したくなるのが「二重跳び」。自分が子供のときにうまく跳べていたママパパでも、いざ教えるとなると難しいもの。

そこで今回は、「二重跳び」のコツと練習方法、上手な教え方について、一般社団法人「日本なわとびアカデミー」の粕尾将一さんに聞きました。さらに、より上を目指して「三重跳び」の練習方法も紹介します。

縄跳びが苦手な子に、とび方のコツを教えるには?

「二重跳び」がうまくいかない理由は?

何度も挑戦しているのに、なかなか二重跳びができないという場合、考えられる理由は何でしょうか。

「二重跳びができない理由は大きくわけると、『縄の長さが適切ではない』『リズムが取れていない』『自信を失っている』の3つです」

(1)縄の長さが適切でない

「多くの子供は縄が長すぎます。長い縄では回転効率が悪く、素早く回すことができません。二重跳びをするには、徐々に縄を短く調整していくのがポイントです

(2)リズムが取れていない

「次にタイミング。いつ跳んだらいいのかがわからない子供が多いです。とくに練習し始めのころは、高く跳ぶタイミングがつかめないようです

(3)自信を失っている

「最後に最も大切なのが自信です。自信を失っていると『自分にはできない』と思い込み、練習から遠ざかってしまいます

3つの中でも、特に多いのはどれでしょうか。

「自信を失った状態の子供ですね。子供が自信を失うのは、失敗を繰り返すから。二重跳びの練習ばかりでは、失敗の連続になってしまいます。まずは前跳びや片足跳びなど、子供が『成功した感覚を味わえる技』をたくさんやってみましょう

簡単にできる跳び方を繰り返すことで、前跳びの熟練度が上がり、「やればできる」という自己肯定感を回復できるとのこと。

まずは子供が自信を取り戻せるよう、楽しく練習をしましょう。

「二重跳び」の練習方法と上手な教え方

二重跳びがうまくいかない理由を踏まえて、さっそく練習を始めましょう。練習方法と教えるときのポイントを5ステップで紹介します。

【ステップ1】縄跳びの持ち方と長さを確認する

「基本となる握り方と縄の長さを確認しましょう」

握り方は、写真のように親指を縄跳びにくっつけるリモコン持ちがオススメ。指を重ねたり、じゃんけんのグーのように握ったりせず、親指をグリップにつけます。

「適切な長さの目安は、頭の上にこぶしが3つ入るくらいです。ただし、いきなり短くすると失敗の原因になるので、徐々に短くしていくことがポイントです。練習を進めながら、折を見て調節してください」

【ステップ2】制限時間内に何回前跳びができるか数える

「途中で引っかかっても気にせず、連続で数え続けます。できるだけ子供に数えさせましょう。跳んだ回数を数えることで、リズムがつかめるようになります

「制限時間ははじめ10秒、慣れてきたら20秒、1分と時間を増やしていきます。数が増えていくので、子供が楽しく練習を続けることができます」

【ステップ3】10秒以内に前跳びを25回跳ぶ

10秒以内に前跳びが何回跳べるかを数えます。少しだけスピードを上げて回す必要があります。10秒で25回が目標です。この速さが、二重跳びを回すときと同じスピードです

「ここまでできたら、縄の長さが適切かを再度確認してください。長いようであれば短くしておきましょう。10秒で25回を超えられるようになると、空気を切る音が聞こえるようになります」

【ステップ4】ジャンプをして拍手の練習をする

「このステップでは、縄跳びを使わずにジャンプをして、空中で拍手をします。空中にいるときに拍手をすることが大切です。最初は1回、慣れてきたら2回手を叩きます。最後は連続でやりますが、拍手のタイミングがばらばらにならないように注意します」

【ステップ5】目線を固定し「イチ・ニー・サン」のリズムで二重跳びに挑戦!

「顔の高さにあるものを見つめて目線を固定し、『イチ・ニー・サン』のリズムで二重跳びをします。『サン!』のタイミングで二重跳びをしてもいいですし、『サン!』の次に二重跳びをしてもOKです」

できれば声を出しながら練習しましょう。声を出すことでタイミングがつかみやすくなり、さらに力も入るので二重跳びが成功しやすくなります

子供が自信を持って二重跳びにチャレンジできるように、ゲーム感覚で楽しく練習してみましょう!

二重跳びを長く跳ぶためにはどうしたらいい?

二重跳びができるようになったら、「できるだけ長く跳びたい!」と思いますよね。長く跳べるようになるコツも聞きました。

【ポイント1】二重跳びを5回跳ぶ練習をする

1回でも二重跳びに成功したら、続けて前跳びに戻りましょう。しゃがみこんでもいいので、とにかく前跳びに繋げることが重要です。前跳びに戻ったら、再びタイミングを見て二重跳びをします」

「『前跳び・前跳び・二重跳び』『前跳び・前跳び・二重跳び』と、練習を繰り返して慣れてきたら、徐々に前跳びの回数を減らし、二重跳びを5回跳べるようにしていきます」

【ポイント2】跳ぶ姿勢に注意する

「5回以上跳ぶためには、身体をまっすぐにキープすることが大切です。慣れないうちはどうしてもジャンプに力が入り、体が『くの字』に折れたり、ジャンプのときに足が無理に曲がったりしてしまうので、できるだけまっすぐの状態でジャンプするように意識しましょう」

さらに回数を増やすには、以下のことに気をつけてみましょう。

  • 縄の長さ:徐々に短くしていく
  • ジャンプのときの目線:固定する
  • 腕の位置:脇を締めても、肘と脇をくっつけない
  • グリップの持つ場所:100回に近づいてきたら、少しだけ縄に近い場所へ
  • 縄の素材:細くて硬いものを選ぶ

二重跳びができるようになったら、ぜひ連続で跳べるように練習&挑戦してみてくださいね。

縄跳びの選び方にもポイントがある?

練習をする前に気になるのが、縄跳びの選び方だと思います。選び方のポイントを教えてください。

「縄跳びを選ぶときは、縄の硬さ、グリップの長さ、縄の太さ、この3つのポイントに注意しましょう」

(1)縄の硬さ

「ゴムのように柔らかいと、回転の遠心力で縄が伸びて跳びにくくなります。あまり伸び縮みしない素材がいいですね

(2)グリップの長さ

オススメは持ち手が少し長めのグリップです。長さがあることで効率よく回転力をつけることができます」

(3)縄の太さ

「できるだけ細いものを選びましょう。早く回転する縄跳びには空気抵抗がかかるので、細いほど回転させやすくなります。だだし、細くても軽すぎるのはNGです。ビニール製やワイヤー製など、ある程度の重さがあって細い縄跳びがオススメです

縄跳びにもいろいろな種類がありますので、上記を参考に選んでみてください。

「三重跳び」の練習方法とコツ

二重跳びが完璧にできるようになったら、三重跳びに挑戦してみましょう。三重跳びは難易度が高い技ですが、練習すれば小学生でもできるそうです。練習のポイントを紹介します。

【ポイント1】縄跳びの選び方

三重跳びに挑戦するには道具選びも重要。三重跳びには、ワイヤー製の縄跳びがオススメです。また、三重跳びは二重跳びよりもさらに高速で縄を回転させるので、長さも短くします。引っかからないギリギリまで短くして挑戦するといいでしょう」

【ポイント2】二重跳びの熟練度

「三重跳びをするには二重跳びの熟練度が必要です。二重跳びを最低でも20回以上、できれば30回跳べるようにしましょう。さらに回数が跳べるようになったら、10秒間で二重跳びが何回跳べるかの練習をします。目標は10秒で20回。これができれば、三重跳びの成功は目の前です」

【ポイント3】練習場所

通常縄跳びは、体育館や土のグラウンドで練習しますが、三重跳びは高いジャンプができる場所で練習しましょう。感覚がつかみやすくなり、習得が早くなります。高いジャンプができるトランポリンやジャンプボードがあれば、練習道具として活用するといいでしょう」

少し難しそうですが、二重跳びがバッチリになったらぜひ挑戦してみてくださいね!

縄跳びでいろいろな跳び方ができるようになると、自信がついて達成感も味わえます。紹介した内容を参考に、親子で楽しみながら「二重跳び」「三重跳び」にチャレンジしてみてくださいね。

お話を聞いたのは…
粕尾 将一さん
一般社団法人日本なわとびアカデミー・JJRA代表理事。「シルク・ドゥ・ソレイユ」縄跳びアーティスト。アジア選手権優勝など、数々の競技実績を持つ。縄跳びの普及のため、日本初となる縄跳び専門教室を開き、全国の教育機関や地域学童クラブへの出張指導も行っている。
一般社団法人日本なわとびアカデミーHP

ライター紹介
飯田 友美
出版社、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのライターに。好きなものは猫とパンダ、趣味はライブに行くこと、お芝居を観ること。杉並区在住。2児の母。

※2019年3月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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