授業が簡単すぎてつまらない? 浮きこぼれの子への親の関わり方【子育て人生相談】

子育て人生相談
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今回は、小学4年生のお子さんが「学校の授業が簡単すぎてつまらない」と感じている保護者からの相談です。子どもの学習意欲を保ち、伸ばしていくための方法について、専門家の先生にお話を伺いました。

このお悩みにアドバイスをくれたのは…

青木康太朗(あおきこうたろう)  独立行政法人国立青少年教育振興機構 理事長
〈監修者プロフィール〉
大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科修了。国立青少年教育振興機構研究員、北翔大学生涯スポーツ学部准教授、國學院大學人間開発学部子ども支援学科 教授を経て現職。専門は青少年教育、野外教育で、自然体験活動の教育効果や安全管理の研究、指導者の養成、体験活動の普及啓発に取り組んでいる。文部科学省生涯学習調査官、こども家庭庁「子ども家庭審議会基本政策部会」臨時委員等を務める。

<相談内容>

小学校4年の息子が、「学校の授業が簡単すぎてつまらない」と言い、先生の話を聞いてはいるのですが退屈な授業の時間が苦痛のようです。たしかに、本や図鑑などを自分でどんどん読んで新しいことや専門的な内容、興味の範囲を広げていくタイプなため、学校の授業が退屈だという息子の感想もわかる気がします。今後の学校での時間をどのように過ごしたらいいか、子どもの学習意欲をどのように保ち、伸ばしていったらいいかについて専門家の意見をお伺いしたいです。

「授業がつまらない」は子どもにとって深刻な悩み

最近は「ギフテッド」「浮きこぼれ」という言葉をよく耳にするようになりました。「ギフテッド」とは、高い知能や特異な才能をもつ人のことを指します。「浮きこぼれ」は、「落ちこぼれ」の逆で、能力が高いがゆえに授業が簡単すぎて物足りなさを感じていたり、周囲から浮いてしまう子のことです。

「授業が簡単すぎる」という悩みは、一見すると羨ましく感じるかもしれません。しかし、本人にとってはとても苦痛な悩みだと思われます。

私たち大人が小学1年生の授業を1年間受け続けることを想像してみてください。「もうわかっているのに」という内容を延々と聞かされることは辛いですよね。

学校での先生との連携が大切

こうした状況を改善するには、まずは担任の先生に相談してみることです。今は「個別最適な学び 」という考え方も授業に取り入れられつつあります。すべてそのお子さんに合わせることは難しいですが、子どものレベルに合わせて、段階的な学習を取り入れてくれるかもしれません。

例えば、基本問題が早く終わった子には発展問題に取り組ませる、宿題を先に済ませる時間を与える、難易度の異なる宿題を用意するなど、工夫できる部分があります。また、問題のわからない子がいたらわかる子が教えてあげるというのも良い学習方法です。教えることで自分の理解も深まり、コミュニケーション能力も育まれます。ただし、先生の授業スタイルにも関わることなので、まずは一度相談してみるとよいでしょう。



あとは、進学のタイミングで自分に合った学校を目指すというのも一つの対応方法です。

昨今、能力の高い子どもたちへの支援も注目されており、文部科学省でも実証研究が進められています。そのため、お子さんの能力や特性に合った教育環境を選ぶ選択肢も、以前より増えてきているかもしれません。

学校生活全体を豊かにする視点

ただ、学校という場所は単に授業を受けるところだけではありません。

友だちと過ごす時間や経験もまた、大きな価値があります。休み時間の友だちとの遊び、スポーツやクラブ活動、給食や学校行事など、授業以外にも楽しめることがたくさんあります。そういった時間を通して、子どもたちは社会性を身につけていくのです。

世の中には楽しい時間もあれば、そうでない時間もあるのが当然です。退屈な時間をいかに楽しく過ごすか自身で考えることも、子どもの成長にとって大切な学びとなります。

家庭でのケアと能力を活かす場づくり

気にかけたいのは、能力があることで周りの子とうまくいかなくなるケースです。発想の違いから周囲とずれを感じたり、できすぎて浮いてしまったり、逆に「わからないフリ」をして自分の能力を隠してしまうこともあります。

本来の自分を隠すとストレスを抱え、自信喪失につながりかねません。それが原因で不登校になってしまうこともあるのです。このようなストレスを軽減するためには、家庭でのケアが大切です。

放課後や休日に、学校以外でその子の能力を発揮できる場を作るとよいと思います。たとえば、野外活動に参加してみたり、英検などの資格試験や数学オリンピックのようなコンテストにチャレンジするのも良いでしょう。中には、気象予報士の資格やフグの調理師免許を取得するなど、自分の興味や好きなことを追求する小学生もいます。

学校では年齢に応じた段階的な学習が基本ですが、社会に出ればチャレンジできることがたくさんあります。

学校以外の場で充実した時間を過ごせれば、たとえ授業が物足りなくても前向きに学校生活を送れるようになります。子どもが安心して、自分本来の力を発揮できる居場所があることが、何よりも大切なのです。

お話を伺って

学校は授業を受けるだけの場所ではないというお話が印象的でした。楽しくない時間をいかに楽しむか。すべてが楽しいわけではない現実の中で、自分なりの楽しみ方を見つける力は、「生きる力」につながると感じます。
また、優れた能力を持つ子どもが周囲になじめず辛い想いをしたり、本来の力や個性を隠してしまうのは、本当に歯がゆいことです。子どもたちが自分の才能を自由に発揮できる場所があれば、きっと生き生きとした姿を見せてくれるはずです。子どもが目を輝かせ、可能性を広げられる居場所を、学校だけでなく社会全体で増やしていけたらうれしいですね。

お話を伺ったのは…青木康太朗(あおきこうたろう)  独立行政法人国立青少年教育振興機構 理事長
大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科修了。国立青少年教育振興機構研究員、北翔大学生涯スポーツ学部准教授、國學院大學人間開発学部子ども支援学科 教授を経て現職。専門は青少年教育、野外教育で、自然体験活動の教育効果や安全管理の研究、指導者の養成、体験活動の普及啓発に取り組んでいる。文部科学省生涯学習調査官、こども家庭庁「子ども家庭審議会基本政策部会」臨時委員等を務める。

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2人の子育てに奮闘中。レコード会社、タイ古式マッサージセラピスト、PR代理店勤務と様々な業種を経験する。子どもとのおでかけや旅行を楽しみに日々過ごしている。子どもから「ママの特技は怒ること」と言われ、反省することも多々…。

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