(※いこーよ好き育メソッドは、いこーよ子どもの未来と生きる力研究所が提案する、子どもの成長ステージに合わせた体験メソッドです。)
キャッシュレスで「見えないお金」を体験してみる
キャッシュレスでの支払いが当たり前になってきました。中口さんが高学年ですすめるのは、「見えないお金」を自分で使ってみることです。
「高学年では、キャッシュレスを使ってみるのもいいと思います。親が買い物する様子を、子どもはずっと見ています。キャッシュレスはピッと支払うだけなので、お金を使ったという感覚が残りにくく、高い買い物でも簡単に買えているように見えてしまう。『じゃあそのお金はどこから来ているんだろう』というのは、体験してみないとわからないことでもあります(中口さん)。」

子どものキャッシュレス使用について、ポイントを教えてくださいました。
「お子さんがキャッシュレスを使用するときには、クレジットカードに紐づいたものではなく、現金チャージ式の交通系ICやコード決済をおすすめします。我が家では、小学校4年生のときからチャージ式のコード決済を使い始めました。使った分だけ減っていくのが目に見えるので、『この見えないお金も自分が持っているお金から使われているんだな』ということをわかってくれているかなと思います(中口さん)。」
投資は社会を「応援」する仕組み
高学年では、投資やお金が増える仕組みについても、親子で話してみてほしいといいます。
あるご家庭では、子どもが小さいころから、お金が増える仕組みを体験できる工夫をしていたそうです。
「『パパ銀行』をつくって、パパにお金を預けると、複利で運用されてお金が増えていくという仕組みを取り入れた、ご家庭もあります。下の娘さんが社会人になるまで、小さいころからずっと続けていたそうです。お金を増やすことが目的ではなくて、時間と金利によってお金が増えていくということを、親子で楽しく体験できるものでもあります(中口さん)。」

また、2027年からは、子どもも利用できる「こどもNISA」が始まります。こうした制度も親子で投資について考えるきっかけにしたいといいます。そして、中口さんが投資について子どもと話すときに大切にしてほしいのが「何のために投資するのか」という視点です。
「投資は、単に『お金を増やす手段』ではなくて、社会を応援する一つの仕組みです。お金は、自分だけでうまく回るものではありません。私たちは、お金を通じて誰かを応援することができる。その方法の一つが投資なんです。だから、『どんな未来になっていてほしい?』と一緒に考えたうえで、『じゃあ、こんな会社を応援するためにお金を出してみようか』といった会話を、ぜひ子どもたちとしてほしいなと思っています(中口さん)。」
子ども自身も、ときに日常の中でうまくいかないことがあるはずです。かけっこで思うように走れなかったり、得意なテストで間違えてしまったり。それでも、応援してくれる人がいます。
「会社も同じで、失敗してうまくいかなかったからといって、すぐに応援をやめるわけではなくて、またうまくいくように応援する。そういう考え方が、長く投資を続けていくということにもつながっていきます(中口さん)。」
お金が増える仕組みを知るだけでなく、「どんな未来にしたいか」を親子で考えてみる。そんな会話も、高学年から取り入れたいマネー教育の一つです。
お金のトラブルを防ぐためにできることは
高学年になると、友だち同士で出かけたり、子どもだけでお金を使ったりする機会も増えてきます。そこで気をつけたいのが、お金の貸し借りです。
「お金の貸し借りについては、小さいころからはっきり伝えておくことが大事だと思います。貸すのも借りるのもダメということは、きっちりと伝えます。『こういう場合は…』などと曖昧にするのではなく、『ダメなものはダメ』ときちんと言っておくことが大切です(中口さん)。」
年齢が上がるにつれて、「あとですぐ返せばいい」「少しくらいなら大丈夫」と、自分たちで判断する場面も出てきます。
「伝えておきたいのが、『貸したお金は返ってこないかもしれない』ということです。それでトラブルになったら、お友だちをなくすこともありますからね(中口さん)。」
学校からキッズ・マネー・スクールへ相談が寄せられることも多いといいます。
「友だち同士で数万円単位のお金を貸し借りしたり、友だちに渡すために親の財布から数万円を持ち出したり。そのようなトラブルが実際に起きているそうです(中口さん)。」

こうしたトラブルを防ぐためには、大人自身のお金の扱い方にも気を配りたいところです。たとえば、お財布を無造作に置いておかないなど、大人がお金を大切に扱う姿を見せることが、子どもにお金の大切さを伝えることにもつながります。
【小学校高学年】お金を楽しく知るために読みたいおすすめの本
高学年の子どもにおすすめの一冊を、中口さん個人のおすすめとして教えていただきました。
● 『漫画 きみのお金は誰のため ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」』(Gakken)
お金とは何か、社会のなかでどのような役割を果たしているのか。「お金の謎」と「社会のしくみ」を、物語を通して考えていく一冊です。漫画で読み進めやすく、お金と社会とのつながりを考えるきっかけになります。

原作:田内学 漫画:吉岡味二番 発行:Gakken
【いこーよ好き育メソッドからのワンポイントまとめ】
高学年は、行動範囲が広がり、自分でお金を使ったり、判断したりする機会が増えていく時期です。キャッシュレスの「見えないお金」を実際に使ってみたり、投資を通して「どんな会社や未来を応援したい?」と考えたり、お金の貸し借りについてルールを話し合ったり。お金を「使うもの」としてだけでなく、人や社会とつながるものとして考える経験を、親子で増やしていけたらいいですね。
年齢ステージ別「親子で楽しく『お金』を学ぼう!」シリーズ
- 親子で楽しく「お金」を学ぼう!年齢別マネー教育の始め方【全年齢編】
- 親子で楽しく「お金」を学ぼう!年齢別マネー教育の始め方【未就学児編】
- 親子で楽しく「お金」を学ぼう!年齢別マネー教育の始め方【小学校低学年編】
- 親子で楽しく「お金」を学ぼう!年齢別マネー教育の始め方【小学校高学年編】(この記事)
お話を聞いたのは…
中口裕子(なかぐち ゆうこ)さん
一般社団法人 日本こどもの生き抜く力育成協会 事務局/GOEN株式会社所属。同協会が運営する「キッズ・マネー・スクール」で、講師として登壇するほか、認定講師のサポートやコンテンツ作成も担当。もとはレストランの店長。「お金のことは、勉強しないとわからない」と感じ、金融の仕事へ転職。ご自身も小学生の女の子3姉妹の母。子育てのなかで、お金について子どもたちと一緒に試行錯誤している。
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