図鑑は専門的な情報や知識が学べて、子供の好奇心を引き出すきっかけになりますよね! とはいえ、種類もたくさんあって、選ぶのに困ることも。そこで、「図鑑博士」として有名な斎木健一さんに「おすすめ図鑑」を教えてもらいました。
今回は、「乳幼児向けのおすすめ図鑑」です。イラストや写真が豊富だったり、仕掛けが楽しめたり、子供でも扱いやすいなどの特徴がある図鑑を5冊紹介します。子供の好奇心や知識の幅を広げてくれそうです。
【おすすめ1】はっけん! こどもはじめてずかん どうぶついっぱい
(出版社:大創出版/本体価格:100円+税)
「子供に初めて図鑑を買うときに、『興味・関心を持たないかも』『すぐ破いてしまうかも』などの不安があり、高価な図鑑には手が出しにくいのではないでしょうか。そんなときには、100円ショップで購入できる図鑑がおすすめで、『ダイソー』には子供向けのシリーズがあります」
「『どうぶついっぱい』は、昆虫や動物、魚、鳥などがかわいいイラストで紹介されていて、ページ数は32ページと充実しています。軽くて扱いやすい縦横20cmの正方形型で、紙質も丈夫。100円とは思えないクオリティの高さです」
ポイント
「幼児向けにデフォルメされた絵はとても親しみがもてます。200種類以上も載っているので、お気に入りの動物もきっと見つかります。最後にはぬりえのページもあります。ほかにも、『のりものだいしゅうごう』や『たべものどっさり』などがあります。リーズナブルな値段なので、買いそろえやすいと思います」
【おすすめ2】ミニしかけえほん5 これなあに —たべもの—
(出版社:岩崎書店/本体価格:570円+税)
「図鑑としてはかなり小型の7センチ四方の図鑑です。厚紙を使用しているため、小さな子供でも簡単にページを開くことができます」
「パイナップルのページでは、パイナップルの葉のあたりだけが表のページに描かれていて、イラストの上に『これなあに?』と書かれています。ページを左右ではなく、上に向かってめくると見開きで立派なパイナップルが現れる仕掛け図鑑です」
ポイント
「子供が食べ物の名前を覚えたら、子供から『これなあに?』とクイズを出してもらいましょう。親子のコミュニケーションツールとしても役立ちますよ。同じシリーズで『のりもの』もあり、車好きの子供におすすめです」
【おすすめ3】これなあに? かたぬきえほん どうぶついろいろかくれんぼ
(出版社:ポプラ社/本体価格:880円+税)
「『のりものいろいろかくれんぼ』や『どうぶつもようでかくれんぼ』など、13種類のシリーズがある人気の絵本図鑑です。子供の好奇心を伸ばす仕掛け図鑑です」
「一見すると何だかわからない模様が描かれていますが、型抜きされた次のページを重ねると、切り抜きの輪郭に助けられて、動物や生き物の絵などが浮かび上がってきます。子供の想像力を上手に刺激するよくできた図鑑です」
ポイント
「浮かび上がってきた絵の反対側のページには、浮かび上がった絵のわかりやすい説明が書いてあります。書かれている説明をクイズにして読み進めれば、子供がさらに夢中になるでしょう」
【おすすめ4】0さい〜4さい こどもずかん 英語つき
(出版社:学研プラス/本体価格:950円+税)
「動物や虫、乗り物など、子供が好きなテーマ10種類を1冊にまとめたイラスト図鑑です。イラストは、小さな子供向けにかなりデフォルメされています。紙も厚くて丈夫に作られているので、特に1〜3歳児にぴったりです。この図鑑からスタートして、子供の好きなテーマがわかったら、より専門的な図鑑にステップアップすると良いと思います」
「また、『0さい〜4さい こどもずかん英語つき よくばりバージョン』もあります。こちらは、14種類のジャンルを掲載しています。どちらの図鑑に興味を示すかについては、子供に手に取って反応を見比べてみましょう」
ポイント
「英語での呼び方も並記してあり、英語の学習にも役立ちます。また、小さな子供は、大人のように一方の手でページを支えながら、本を読み進めることはしません。こちらの図鑑は、手を放した状態でもページが開いた状態になるように作られています。この点は、どの図鑑を選ぶ際にも参考にしてみてください」
【おすすめ5】はっけんずかん むし 新版
(出版社:学研/本体価格:1,980円+税)
「さなぎがチョウになったり、倒れた木の中で越冬しているクワガタムシが見えたりと、昆虫好きの子供の気持ちを的確に汲み取っている『窓開け図鑑』です。何度もめくりたくなる楽しい絵ときれいな写真が満載です」
「また、窓開けではない通常ページも充実しています。さまざまな昆虫が掲載されていて、昆虫の名前調べや生態、特徴を学ぶことができます。対象年齢は3歳児以上ですが、小学校低学年まで楽しめます」
ポイント
「『まどあけ図鑑』では、ページに組み込まれた『窓』を開けたときに、どのように変わるかどうかという視点で選んでみてください。この図鑑では、卵嚢(らんのう)からカマキリの子供がたくさん出てくる窓や、倒れた木の窓を開けるとクワガタムシが冬眠している様子が載っています。『見てみたい!』『(窓を)開けてみたい!』という気持ちになるような図鑑なら、子供がより喜ぶと思います」
「今回は、1〜4歳児向けの図鑑を紹介しました。小さな子供ほど、写真よりもイラストの方が理解しやすい研究結果があり、1〜2歳児はイラストメインの図鑑、3〜4歳児は写真メインの図鑑を好む子供が多いようです」
「とはいえ、発達段階とは別に好みによる個人差も大きいので、書店で実物をいろいろと見せて、子供が喜ぶ図鑑を購入するのが良いと思います」
小さな頃から図鑑に慣れ親しんでいると、成長しても「本から学ぶ」ことに楽しみや喜びを感じてくれそうですね。紹介した5冊以外にも、乳幼児向けの図鑑はまだまだたくさんあります。絵本感覚で楽しんでみてはいかがでしょうか。
次回は「小学生におすすめ図鑑」をご紹介予定です。お楽しみに!
お話を聞いたのは…
千葉県立中央博物館・生態学・環境研究科長 斎木健一さん1962年、神奈川県生まれ。理学博士。幼い頃は、どのクラスにもいる「昆虫博士」。大学では化石、職場では植物、男の子3人の育児を通して魚を飼い、野鳥を眺めるなど、次第に守備範囲を拡大。専門分野は古植物学・植物学・理科教育。千葉県いすみ市の植物調査で新種のイスミスズカケを発表したり、「なぜ図鑑で植物の名前を調べるのが難しいのか」についての研究結果を学術雑誌で発表するなどの研究成果を残す。2014年に『図鑑大好き!』出版、2015年には職場での図鑑企画展担当をきっかけに、人気番組『マツコの知らない世界』に出演。
野草雑草検索図鑑
樹木検索図鑑
ライター紹介
宮平なつき
フリーライター。美容、健康、ダイエット、恋愛、結婚、子育て、教育、インテリアなど、“女性のライフスタイル”にまつわる記事や著名人のインタビュー記事を主に執筆。趣味は、スポーツ観戦と旅行。最近の最も気になることは、甥と姪の成長。
※2020年2月にいこーよで公開された記事の再掲です。
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