お出かけは子どもの好奇心を刺激し、子どもが「好きなこと」や「オモシロイ!」と感じることを見つける絶好のチャンスです。子どもがワクワクして好奇心が高まるような「いこーよ好き育メソッド」式お出かけの楽しみ方をご紹介します!(※いこーよ好き育メソッドはいこーよ子どもの未来と生きる力研究所が提案する子どもの成長ステージに合わせた体験メソッドです)
今回は「科学館」がテーマ。全年齢編として、サイエンスコミュニケーターの本田 隆行さんに、子どもと科学館を楽しむためのアドバイスをご紹介します。
サイエンスコミュニケーター本田隆行さんの科学館を楽しむおすすめポイント!
●科学は「日常のなんで?」から始まっている
科学と聞くと、難しい公式や実験のイメージを持つ方も多いかもしれません。でも本田さんは「科学は特別なものではない」と言います。
「身の回りにある変化や違和感をいかにキャッチできるか。それが科学のスタートとしてすごく大事です。その違和感に対し『なんでなんだろう?』と思い始めれば、それはもう立派な科学の入口に立っています(本田さん) 。」
暖房をつけるとなぜ暖かい風がくるのか? それはどこからくるのか? お風呂を沸かすとき、どんなことをして温めているのか?洗濯機はどうやって汚れを落としたり、脱水しているのか?など、じつは日常生活で何気なく使っているものはすべて科学の仕組みで成り立っています。
「科学館は、新しいことを教えてもらう場所というより『日常の科学』を確かめ、体感しに行く場所でもあるのです(本田さん)。」
●子どもが博士、大人は助手
大人は、子どもをリードして、つい色々なことを教えたくなりがちです。でも、科学館では、大人は子どもの「助手」になってほしいと本田さんはお話しされます。
「子どもが『博士』で、大人は発見をサポートする『助手』。これは、私が以前在籍していた日本科学未来館で実際に大人の方へ伝えたことのある視点です。『あっちに行ってみよう』『こうするんだよ』という声かけをついしたくなるけど、まずはぐっとこらえる。子どもが何かを見つける瞬間を横で支えることが、大人の一番の役目です(本田さん)。」
そして、「大人が『おもしろい!』と楽しんでいる姿を見せることが大事」と本田さんは言います。大人がおもしろがることで、子どもは「ここは楽しい場所なんだ」と安心し、のめりこんでいくことができます。
●自分の「なぜ?」をぶつけにいこう
科学館の楽しみ方は、展示を見るだけではありません。日頃気になっているけれど答えが出ない疑問を、専門家である科学館のスタッフにぶつけに行ってみましょう。
「たとえスタッフが即答できないような質問であっても大丈夫。大人が驚き、『その視点はおもしろいね!』と共感してくれる体験が、子どもの自信になります。自分の『なぜ?』が認められることで、問いを持つことがもっと楽しくなるのです。自分の興味をおもしろがってくれる大人がいることで、子どもにとって居場所となり、『また来たい場所』に変わっていくのです(本田さん)。」
本田隆行さんの科学を家でも楽しむポイント!
●失敗や「わからない」を、親子でおもしろがる
日常の中には、料理に失敗したり、物が壊れたりと、思い通りにいかないことがたくさんあります。
「『失敗した、うまくいかなかった。じゃあ、なぜそうなったんだろう?』と、その理由を親子で一緒におもしろがってみてください。それが『次はこうしてみよう』と、工夫する力の源になります。たとえばお母さんが料理を焦がしてしまったとき。『失敗した!』で終わらせず、『火が強すぎたのかな?』『次は弱火でやってみようか』と、原因の推測と次の作戦をセットで口に出してみます。大人が失敗を楽しむ姿を見せる。それが子どもにとって、失敗は次へのヒントになるというメッセージになります。この『やっちゃった』を掘り下げて、『次はこうしよう』と考えるプロセスが、まさに科学の根幹なんです(本田さん)。」
●すぐに検索やAIに頼らない楽しみを
本田さんは、答えがすぐに手に入る時代だからこそ、「悩む時間」を大切にしてほしいとお話されます。「最近では、大人もすぐに検索ツールやAIに答えを求めてしまいがちです。けれど、その一歩手前にある『わからないこと』に悩んだり、考えたりすることを楽しんでほしいと思うのです。子どもと一緒に『どうしたらいいだろうね』と立ち止まり、試行錯誤する。そのややこしさを共有する時間が、子どもが自分の頭で考え、さまざまなことを乗り越えようとする力の土台になっていくと思います(本田さん)。」
【いこーよ好き育メソッドからのワンポイントまとめ】
科学館は、正解を教わる場所ではなく、自分の「おもしろい!」という気持ちや興味を確かめる場所です。大人は「助手」として、子どもと一緒に不思議をおもしろがってみてください。「どうしてだろう?」と悩み、理由を考える。その時間が、子どもの思考力を育み、自分で答えを見つけていく楽しさを教えてくれます。
年齢ステージ別「科学館でワクワクする体験を!」の目次
・全年齢編
・0歳~2歳編
・3歳~5歳編
・小学生低学年(6歳~8歳)編
・小学生高学年(9歳~11歳)編
お話を伺ったのは…サイエンスコミュニケーター 本田 隆行さん
大学院で惑星科学を専攻後、大阪の枚方市役所に勤務。その後、科学と社会の両方を相手にした仕事をするために、東京・日本科学未来館へ転職し、科学コミュニケーターとして活躍。2015年に独立し、現在は国内でも珍しいフリーランスの科学コミュニケーターとして全国で活動している。「科学とあなたを繋ぐ人」として、科学に関する展示企画・監修、ワークショップのファシリテーター、講演、執筆など、なんでもこなしている。
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