お出かけは子どもの好奇心を刺激し、子どもが「好きなこと」や「オモシロイ!」と感じることを見つける絶好のチャンスです。子どもがワクワクして好奇心が高まるような「いこーよ好き育メソッド」式お出かけの楽しみ方をご紹介します!(※いこーよ好き育メソッドはいこーよ子どもの未来と生きる力研究所が提案する子どもの成長ステージに合わせた体験メソッドです)
今回は野山や川、海などの「自然体験」の全年齢編として、独立行政法人国立青少年教育振興機構 理事長の青木康太朗先生に自然体験を楽しむためのアドバイスをご紹介します。
自然体験を楽しむために持っていきたいもの
昆虫の観察や探索用のアイテム
青木先生は「自然体験を楽しむには、虫眼鏡、虫取り網、虫かごは、マストアイテム」と話しています。これらの道具を使うことで、子どもは昆虫や植物などに直接触れながら学ぶことができ、探索の楽しさが倍増します。
記録や発見を残す道具
スケッチブックや子ども向けの壊れにくいデジタルカメラもおすすめされています。「子どもはその場で見たものを持ち帰りたいという気持ちが強いので、記録用の道具があるとより楽しめます(青木先生)」。また、子ども用のデジタルカメラがない場合はタブレットでもかまいませんが、その場合は自然体験中は記録するだけにとどめて、調べるのは家に帰ってからのほうがより学習効果を高められます。

●虫よけや日焼け止めなどのバックアップアイテム
虫よけスプレー、日焼け止め、帽子、絆創膏などの基本的な安全対策グッズも必須です。「特に夏場は、楽しく遊ぶために重要です」(青木先生)。持ち物としては当たり前のものですが、自然体験は蚊に刺されることや、ちょっとした切り傷などができることもよくあるので忘れずに用意しておきましょう。
また、暑い日は熱中症にも注意が必要です。夢中になると、暑さも忘れて遊び続けてしまいますので、水分補給や日陰での休憩も忘れないようにしたいものです。
青木康太朗教授の自然体験を楽しむおすすめポイント!
●子どもが自発的に自然を探索し、自由に楽しむ環境を整える
自然体験では、子どもが自発的に自然を探索し、自由に楽しむことを何よりも大切に、子どものペースに合わせることが重要です。「保護者が主導して『これをやりなさい』と指示を出すのではなく、子どもがやりたいことを自由にさせる時間を作ってあげてください。その中で興味を持ったものを観察したり、遊んだりすることで、子ども自身が新たな発見を得られます(青木先生)」。

例えば、子どもが虫眼鏡を持って土の中をじっと観察している場合、それに集中している時間を大切にしましょう。「じっくり待ってあげることで、子どもの想像力や探究心が育まれます。その後で『何を見つけたの?』と優しく声をかけ、共感してあげると、子どもの学びがさらに深まります(青木先生)」。
そのうえで、「あっちに池があるから魚を探しに行ってみようか?」など、次のステップとして新しい体験を提案するのもよい方法です。子どもの興味の流れを尊重しながら広げていくことで、自然体験を通じて好奇心や自信が育ちます。
子どもに自然体験をさせたい保護者にぜひ読んでほしい本
●肩の力を抜いて自然体験にのぞめる
青木先生が「自然に触れることの大切さや、子どもの感性を育むための親の役割を考える上でとても参考になる」として大人に読んで欲しいとお話されていたのが、レイチェル・L・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」です。「この本を読むことで、保護者の方も肩の力を抜いて自然体験にのぞむことができ、子どもとの時間をより豊かに楽しむヒントが得られます(青木先生)」。親子で自然と触れ合う時間をより充実させるために、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
センス・オブ・ワンダー(筑摩書房)
レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」は、自然の美しさを観察し、その神秘に驚いて関心を深めていく心を育むことの重要性を説いた未完の作品です。本書では、鳥の渡りや潮の満ち引き、春を待つ蕾など、自然現象の美しさと象徴的な魅力が描かれています。独立研究者・森田真生による新訳と、彼が執筆した「僕たちの『センス・オブ・ワンダー』」を収録し、現代における新たな人間像を模索しています。

著:レイチェル・カーソン 訳とそのつづき:森田真生 絵:西村ツチカ
【好き育メソッドからのワンポイントまとめ】
子どものうちはできないことが多いので、つい保護者が先回りしてしまいがちですが、子どもの主体性を尊重し、見守る姿勢を大切にするのが大切。そのなかで好奇心や想像力が育まれていき、自分が何が好きなのかを知る、自知力が高まります。また、小さな冒険や挑戦を積み重ねることで、子どもは未知の世界への興味を広げ、自ら考え行動する力や自己効力感、目標設定力につながり、これらが合わさって自効力が育ちます。さらに感謝や貢献心にひもづく他尊力なども身につくきっかけになる体験といえるでしょう。青木先生がおすすめしている本「センス・オブ・ワンダー」は、訳とその続きを担当した森田真生氏のエッセイが、子どもと肩の力を抜きながら自然体験をする様子がやさしくも示唆に富んだ内容で描かれていて、子どもだけでなく大人も学びになっていることがわかります。また、1996年に単子本が発売された上遠恵子氏訳の新潮社版と読み比べてみるのもおもしろい発見があります。
年齢ステージ別「自然体験でワクワクする体験を!」の目次
・0歳~2歳編
・3歳~5歳編
・小学生低学年(6歳~9歳)編
・小学生高学年(10歳~12歳)編
お話を伺ったのは…青木康太朗(あおきこうたろう) 独立行政法人国立青少年教育振興機構 理事長
〈監修者プロフィール〉
大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科修了。国立青少年教育振興機構研究員、北翔大学生涯スポーツ学部准教授、國學院大學人間開発学部子ども支援学科 教授を経て現職。専門は青少年教育、野外教育で、自然体験活動の教育効果や安全管理の研究、指導者の養成、体験活動の普及啓発に取り組んでいる。文部科学省生涯学習調査官、こども家庭庁「子ども家庭審議会基本政策部会」臨時委員等を務める。
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