【7月の水田】稲の成長を見守る水田で出会う生き物と稲作の知恵/季節の手仕事番外編

春の田植えから秋の収穫まで約6カ月、大切に育てられる日本のお米。そんなお米が育っていく過程を未来へいこーよで「季節の手仕事」連載しているユッキーさんと、2カ月に一度紹介します。

7月の水田/稲の成長を見守る

5月からの1年は、「お米」をテーマにとりあげています。日本人の主食であるお米にはどんな思いが込められているのかな、お米のことをもっと知ってほしい、お米を大切に食べてほしい、そんな思い込こめて、季節の田んぼの様子や生産者さんをご紹介しています。

7月は、遊休農地の課題に共同管理という方法で取り組んでいる、株式会社「太陽ファーム奈良」をたずねました。「太陽ファーム奈良」は田中輝久代表取締役社長が地元の仲間4人と共同で2017年に立ち上げた農業法人です。

「農業高校を卒業して定年までJAに勤めていてね。長らく隣の中条地域を担当しててさ、埼玉県で初めてのカントリーエレベータ(生産者の共同利用施設、大型倉庫)を建てるときは、建設からカントリーの運営に携わったんだよ」

 

ご自身も農家である、田中さん。地域の農業の移り変わりも、仕事をとおして肌で感じてきました。

 

「みんな歳をとってきてさ、農家を継ぐ人がいない家が多くなってきていて、このままでは農地が荒れてしまうのではと思い、ここら辺の農地を守りたいと思うようになった。ただの農家だけだったら、思わなかったかもしれないな。そこで、定年退職をしてから、地域の仲間と何人かで、「農業を考える会」を発足して、アンケートをとったんだよ。そしたら、ほとんどの家が(農地を)売りたい、貸したいって思っていることが判明したんだよ」

それから、農地を集約して、何人かで農地を管理するしくみ農業法人「太陽ファーム」奈良を立ち上げました。最初は4人7町からスタートでした。

毎年、農地を管理してほしいという依頼が増え続け、今年はなんと40町を超えました。

「40超えてから数えてねえな。さすがに人手も機械も追いつかなくて、(新たに農地を管理してほしいという人には)少し待ってくれって言ってるんだよ」 ※1町は、約10,000平方メートル(3,000坪)

そんな田中社長のところには、ユッキーさんがお話をうかがっている間にも市の会合や、若手のスタッフからたくさんの相談が次々と入ってきます。 「昨日の大雨で稲が水に浸かっちゃってるけど、どうしましょう」「緑の藻がたくさん出ちゃってる田んぼがあります」 長年の経験と勘で、若手スタッフに的確に指示を出す田中さん。

 

それでも、近年の猛暑や豪雨は異常で、日々試行錯誤の連続なのだとか。田植え前の麦のすきこみ方や水の管理など、その年の天気とも相談しながら変えているそう。

「この時期の田んぼは、中干しっていうのをやるんだよ。田んぼの水をいったん抜いて、土がひび割れるくらいまで乾かすんだ。水を抜くことによって、稲が根を広く張って丈夫になったり、土が固くなって刈り取りのコンバインが土に埋まるのを防いでくれるんだよ」

太陽ファーム周辺の田んぼでは、たくさんの生き物たちにも出会うことができ、農業がその土地の気候と生き物と共存しながら行われていることを実感できます。

兜をかぶったようなアタマをもち、せわしなく動き回る『カブトエビ』は、雑草の芽を食べてくれます。

足を上にして背泳ぎをしているように泳ぐ『ホウネンエビ』は大発生のとしは豊年になるという言い伝えがあるそうで、7月ごろの田んぼでよく見られます。

南米原産の『ジャンボタニシ』は田植え直後の柔らかい苗を食べるため、駆除対象の生物です。 「これからの農業を考えるとさ、若いもんにいかに引き継ぐかだよね。受け入れ態勢もいろいろ考えてるとこだよ」

 

【子ども(幼児)とやってみよう~田んぼへ行ってみよう!】
近くに田んぼがあったり、夏休みの旅行先で田んぼをみつけたら、農家さんにご迷惑をかけないように田んぼをのぞいてみましょう。
ほかにもたくさんの生き物に出会えます。ほかにもトンボやシラサギなどに良く出会えます。

今回お話を伺った「太陽ファーム奈良」の田中輝久代表取締役社長が元気に農作業をこなすチカラの源の農家飯は「冷や汁」ごはん。 こちらのレシピを「冷や汁ご飯」のページでご紹介しています。 こちらもぜひチェックしてくださいね!  

冷や汁ご飯のレシピ

この記事を読んでいる人は「好奇心」に関するこんな記事も読んでいます
子どもと7月の手仕事!米農家おすすめ!美味しい冷や汁ごはん
食育にも効果的!「レンタル畑」で子どもと一緒に週末農業
「野菜嫌い」もこれで卒業!こどもと楽しむベランダ菜園のススメ
小学生が自分が作った竿で魚釣り! 食育にもつながるイベント体験レポート
子どもの好奇心&自己肯定感が育つ! 自然体験が親子に最適な理由
【未来へいこーよ】が育むココロのスキル(非認知能力)について

SHARE ON
Facebook
Twitter
出版社、教材編集を経て2013年に「いこーよ」へ。小学生の女の子2人のママ。大学院、モンテッソーリ教育教師、華道、ダイビング資格有。ライフテーマは幼児教育から小学校、中学校、高校、大学、社会人へとどのように学びをつなげていくか。特に幼児教育から中学受験への連携に日々奮闘中。

RELATED ARTICLEあなたにおすすめの記事

  1. 宝石がいっぱい!

    記憶力と運を頼りに宝石を集めよう!4歳から楽しめるテンポの良いボードゲーム「宝石がいっぱい!」

  2. カラフルなインクルーシブ展

    小学生でも使えるクリアカラー絵の具&水性クレヨンを使った展示会が夏休みに開催!

  3. 科学でワクワクする体験を!年齢別科学館の楽しみ方【全年齢編】

  4. 三菱みなとみらい科学館

    陸・海・空・宇宙までの科学技術の「今」に触れる!「三菱みなとみらい技術館」の小学生~中学生向けおすすめ展示【かながわサイエンスサマー注目施設】

  5. オタク偉人伝

    偉人はすべてオタクだった!子どもの「好き」を応援したくなる本

  6. Bright blue electric passenger train on tracks under a clear blue sky, overhead power lines above.

    貸切ロマンスカーが1日限定の教室に 9月22日「走るAOiスクール」開講

  1. Back view of a child sitting on a wooden floor with a black suitcase beside them, near a doorway with bright light outside.

    二学期に増える登校しぶり、無理に行かせなくていい理由とは

    2026.09.11

  2. 子どものスマホ、いつから持たせる? 使い方・SNS・我が家のルール

    子どものスマホ、いつから持たせる? 使い方・SNS・我が家のルール

    2026.09.10

  3. Young girl in a blue mesh apron sits at a desk, coloring with colored pencils near worksheets and art supplies in a classroom setting.

    おもちゃはどうやって生まれるの? 子ども18人が“記者”になった2時…

    2026.09.03

  4. Two children touch a large wall covered with colorful app-like icons in a dark exhibition space.

    子どもの「好き」は、どう見守ればいい? 「つい働きたくなる会社…

    2026.09.01

  5. House-shaped sign with Japanese text about disaster prevention; includes child in orange helmet and green Preventive Disaster bubble reading 防災.

    うんちから防災を考える!ネピア「うんち教室」が夏の自由研究向け…

    2026.08.21

  1. やりぬく力を育む絵本

    【年齢別】図書館司書に聞いた、子どもの「やりぬく力」を育てるお…

  2. Bright blue electric passenger train on tracks under a clear blue sky, overhead power lines above.

    貸切ロマンスカーが1日限定の教室に 9月22日「走るAOiスクール」開…

  3. やらない子育て

    「やっぱり辞めたい」と言われたら…習い事は1か月で辞めてもいい?…

  4. やらない子育て

    通知表の成績が気になったら?結果より「プロセス」に注目してみよ…

  5. 子どもの運動神経を伸ばすベストな方法は? 遺伝や工夫も紹介!

みらいこSNSをフォロー

子どもの未来を考える子育てサイト「未来へいこーよ」をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む