お出かけは子どもの好奇心を刺激し、子どもが「好きなこと」や「オモシロイ!」と感じることを見つける絶好のチャンスです。子どもがワクワクして好奇心が高まるような「いこーよ好き育メソッド」式お出かけの楽しみ方をご紹介します!(※いこーよ好き育メソッドはいこーよ子どもの未来と生きる力研究所が提案する子どもの成長ステージに合わせた体験メソッドです)
今回は「科学館」がテーマ。小学校高学年(9歳〜11歳)編として、サイエンスコミュニケーターの本田さんに伺った、科学館を楽しむためのアドバイスをご紹介します。
【9~11歳】におすすめの科学館の楽しみ方
●「自分がはまる展示」を探してみよう
小学校高学年は、「自分は何が好きか」がはっきりしてくる頃。科学館へ行ったら、ぜひ「自分がハマる展示」を見つけてほしいと本田さんは話します。
「この年代は、科学館の展示を一番深く楽しめる時期です。学校で習ったことを『本当かな?』と確かめるのもおもしろいですが、あまり『勉強の場所』と考えすぎず、気になるものに没頭して楽しんでほしいと思います(本田さん)。」
生き物、宇宙、ボールが転がる仕掛け……科学館には多様なジャンルがあります。「『理科は苦手』と思っている子でも、『この展示はかっこよくて好き』といった直感的なお気に入りは、どこかしらにあるはずです。そんな、なんとなくの感覚でもいい。小さな『好き』が将来の興味を形作るきっかけになるかもしれません(本田さん)。」
実際、研究者のなかにも、最初から理科が好きだったという人ばかりではありません。入口はガンダムなどのロボットアニメだったり、ナイチンゲールの伝記に夢中になったりと、きっかけは意外なところに転がっているものです。
●大人はその子の興味を見守る
子どもがどこで長く立ち止まるのか、大人はそっと観察してみましょう。夢中になっている展示には、その子なりの「好き」や「興味」が表れています。
「帰り際に『あそこだけもう一回見たい!』と言い出したら、それは心が動いた証拠。そこで『早く帰るよ』と遮るのではなく、『じゃああと5分ね』と、その熱量に寄り添ってあげられるといいなと思います(本田さん)。」
【9~11歳】科学館に持っていくといいもの
●スマートフォンやタブレットなどのデバイス
高学年になると、スマートフォンやタブレットも科学館の楽しみ方を広げてくれるツールになります。
「最近では、展示のQRコードを読み取ると、詳しい解説が見られる科学館も増えています。通信端末が一つあると、楽しみ方の幅が広がります。子どもが自分のスマートフォンを持っていない場合でも、大人のものを貸して一緒に見てみるといいですよ(本田さん)。」
【9~11歳】家でも広げる!科学の楽しみ方
●日常の出来事の「原因」を探してみよう
高学年になると、観察するだけでなく「なぜそうなるのか?」という原因を探ってみてほしいと本田さんは話します。日常の中で気になる変化や違和感を見逃さないことです。
「『なんでこのリモコンばかり電池が切れるのだろう』『なんであそこの時計だけいつも5分遅れているのか』など。そういったトラブルや日常の変化には、必ず何か理由があるはずです。その理由を自分なりに探ってみると、物事の現象が奥深く見え、そして考えることが楽しくなってきます(本田さん)。」
「こうした視点を持って過ごしていると、夏休みの自由研究のテーマも自然と見つかるようになる」と本田さん。探究のきっかけは、一見すると科学とは無関係に思えることでもいいそうです。
「『金曜日はお母さんがよく料理を失敗する』『なんでお父さんの靴下だけ臭いの?』など。そんな日常のささいな出来事を、一度「なぜ?」と考えてみてください。そして、『金曜は疲れがたまっているから?』『靴下の洗い方を変えたら?』など、原因を考え、実行してみる。そのプロセスを繰り返すことで、自分で考え、課題を解決しようとする力が育っていきます(本田さん)。」
【9~11歳】科学館をもっと楽しむために読みたいおすすめの本
本田さんに、小学校高学年の子どもにおすすめの本を教えていただきました。「世の中にはまだわかっていないことがたくさんあります。そのことに気づくと、『自分にもまだ見つけられることがある』という、希望が生まれてくるかもしれません。そんなきっかけをくれる本を選びました(本田さん)。」
●『どうぶつのわかっていること・わかっていないこと』(小学館集英社プロダクション)
京都大学の野生動物研究者の監修によって誕生した絵本。「わからない」ことをきっかけに、「もしかしてこうかもしれない」と考えることが楽しくなる。そんな科学の入口に出会える一冊です。
●『るるぶ マンガとクイズで楽しく学ぶ!未来のくらし』(JTBパブリッシング)
2020〜2040年代の未来のくらしを、マンガやクイズを交えながら楽しく紹介。「こんな世界が本当にくるのかな?」と未来の自分を想像することで、科学技術への興味が広がっていきます。
●『大人も知らない みのまわりの謎大全』(ダイヤモンド社)
日常のあらゆる「なぜ?」を徹底調査し、緻密な図解で解説した一冊。普段何気なく見ていたものが、実は知らないことだらけだったと気づかせてくれます。この本を読むと、街を歩くたびに世界の見え方がガラリと変わるかもしれません。
【好き育メソッドからのワンポイントまとめ】
9〜11歳は、「自分探しの入口」に立つ時期。科学館の展示に引き込まれ、ふと足を止めたその瞬間には、本人の興味や志向がぎゅっと詰まっています。大人は、自由に楽しむ姿を尊重してあげてください。日常の中では、変化や違和感に「なぜ?」と立ち止まる習慣を大切に。原因を想像し、仮説を立て、「じゃあこうしてみよう」と工夫してみる。その繰り返しのなかで、自分で課題を解決していく楽しさが育っていくはずです。
年齢ステージ別「科学館でワクワクする体験を!」の目次
・全年齢編
・0歳~2歳編
・3歳~5歳編
・小学生低学年(6歳~8歳)編
・小学生高学年(9歳~11歳)編
お話を伺ったのは…サイエンスコミュニケーター 本田 隆行さん
大学院で惑星科学を専攻後、大阪の枚方市役所に勤務。その後、科学と社会の両方を相手にした仕事をするために、東京・日本科学未来館へ転職し、科学コミュニケーターとして活躍。2015年に独立し、現在は国内でも珍しいフリーランスの科学コミュニケーターとして全国で活動している。「科学とあなたを繋ぐ人」として、科学に関する展示企画・監修、ワークショップのファシリテーター、講演、執筆など、なんでもこなしている。
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