夏休みは親子で楽しくおでかけしながら、子どもの好奇心を育む絶好の機会。ロケットの開発をはじめ、飛行機や深海探査船、発電所などの陸・海・空・宇宙にかかわる科学技術の「今」を体験できるのが「三菱みなとみらい技術館」です。今回は神奈川県で実施している「かながわサイエンスサマー」でも注目のこの施設を紹介します。
かながわサイエンスサマーとは?
神奈川県では、未来を担う子どもたちに、科学の楽しさを知り、親しんでもらうため、 夏休み期間から秋にかけて県内の科学館、大学、研究機関、企業等が開催する子ども向け科学関連のイベント情報を 「かながわサイエンスサマー」として紹介しています。
実施期間:7月13日(土)~10月31日(木)
さらに、令和6年8月1日(木)~10月15日(火)の期間、3ヶ所の科学館等で、次世代のデジタル技術であるNFTによるデジタルスタンプラリーを実施します。3ヶ所のNFTを揃えた子どもたちは、希望により抽選で、11月16日(土)の理化学研究所横浜事業所の一般公開に合わせて実施する超電導技術の研究者による特別プログラムに招待し、世界最先端の技術を体感することができます。
特別プログラムではマイナス196度の極寒の液体をはじめ宙に浮く磁石、電気抵抗ゼロの永久電流といった超電導の強力な磁力の不思議と、これを使ったNMR装置の謎に迫っていきます。科学の面白さと、みなさんの生活を支える科学技術の先端を体験できるものですので、ぜひスタンプラリーに参加してみてください。
■神奈川県ホームページ
■「いこーよ」内特設ページ
■NFTによるデジタルスタンプラリーついてくわしくはこちら(募集期間終了)
■デジタルスタンプラリー実施施設(リンク先はおでかけ情報サイト「いこーよ」のもの)
三菱みなとみらい技術館(横浜市西区みなとみらい3-3-1)
はまぎん こども宇宙科学館(横浜市磯子区洋光台5-2-1)
Mulabo!(ムラーボ!)(横浜市西区みなとみらい4-3-8村田製作所みなとみらいイノベーションセンター内)
「三菱みなとみらい技術館」とは?

1994年に三菱重工業株式会社が設立した科学技術の展示施設です。「空・宇宙ゾーン」と「海ゾーン」「陸ゾーン」を中心に、最先端の技術やものづくりを実物や大型模型、体験型展示を通じて紹介しています。子どもから大人まで楽しめる理科実験やサイエンスショーなどのイベントも開催されています。
小学生におすすめの展示
三菱みなとみらい技術館は、「空・宇宙ゾーン」のように場所に関連するエリアや、三菱重工グループの歴史を一望できる「MHI FUTURE GATE」のようなテーマで分けられています。ここでは、小学生がワクワクするような模型や実物の展示、タッチパネルを使った体験型の展示など、展示の内容ごとに興味を引くものをまとめて紹介していきましょう。
■リアルに再現された模型や実物の展示が好奇心を刺激する!
1F入口から入ってすぐ右手にある「MHI FUTURE GATE」では、三菱重工グループで作られた船やロケット、鉄道などの模型が多数展示されています。年表などを読むのが苦手な小学生でも、精密に再現された模型を見ていくだけでも技術の高さを感じ取ることができます。

三菱重工では、ロケットを使って宇宙に物資を送る「打ち上げ輸送サービス」を実施しています。模型の下にQRコードが置かれていて、そこから動画を見ることでさらに理解を深めることができます。

小学校でもSDGsについての授業が行われているため、スタッフに「どの部分でSDGsの取り組みが行われていますか?」という質問を受けることが多いそう。そこで解説の中にSDGsにつながる部分を補足としてついているところにも注目です。

模型の展示の中には、ボタンを押したりレバーを回したりすることでランプがつくなど、視覚的にわかるようになっています。

1Fの「空・宇宙ゾーン」には、H-IIおよびH-IIBロケットに搭載されたエンジンの実物を並べて展示しています。ロケットのエンジンの展示は縦に配置して、大きさを実感できるようにしていることが多いのですが、横に並べることで新型のエンジンが、旧型よりもいかに構造がシンプルいなっているのかがわかりやすいです。
小学生には細かいところを理解するのが少し難しいですが「本物」を間近で観察できる機会は貴重なので、忘れずに見ておきたいです。

「空・宇宙ゾーン」にもロケットの模型があり、透明の模型にすることで燃料がどのように入っているのかイメージしやすいものになっています。その隣にあるのは燃料タンクに使っているアルミ合金板です。

正三角形の網目状の枠のようなものが入っていますが、これは板を三角形の枠の形を残して薄く削って強度を残しながら軽量化しています。実際に触ってみることができるので、技術の高さと正確さを自分の手で確かめてみましょう。
■体験型ゲームで遊びながら学べる!

「三菱みなとみらい技術館」では、タッチパネルを使った体験型ゲームも用意されています。「海ゾーン」には実物大模型がある「しんかい6500」を操作して、ソナーで音波を出して障害物を見つけながら、避けていく深海探査をイメージしたゲームがあります。

「海ゾーン」には、自分だけの深海生物メカをデザインして大きなプロジェクターに表示できる体験展示もあり、小学生にはとくに人気があります。動力と制御、補助のカテゴリーの中から好きなパーツを選んでいきます。

最後に色を選ぶと完成です。顔のような模様をつけることもできます。

選んだ動力や制御によって、オリジナルの深海生物メカの動きが決まります。今回はスプリングのようなパーツを選んだため、上下に飛ぶように泳ぐ生き物になりました。自分が作った深海生物メカと一緒に記念撮影する子どもも多いそうです。

「空・宇宙ゾーン」には航空機の設計と分解整備、組み立て作業の3つの作業工程をデジタルゲームで体験できる展示もあります。

「分解整備」では、止まっているビスなどをすべてはずすのが目的。ビスなどの穴の形に合わせて画面下にあるプラスドライバーなどの工具を選び、何回かタップするとビスがはずれます。効率よく進めるにはどの順番からはずしていくか、切り替えで無駄がないようにするかが重要です。ゲームを通じて子どもの能力が見極められるほか、こういう仕事があるということについても知るきっかけになります。

2Fの「陸ゾーン」には、壁に描かれているアイコンに触れると動き出す「タッチウォール」があります。発電や物流などの社会インフラの仕組みが視覚的にわかりやすくなっており、さらに自分の体で体験することで小学生でも発電の仕組みについて楽しく学べる展示です。
■最新の映像技術でスケールの大きさを楽しむ

1F「空・宇宙ゾーン」の入口近くには飛行機・人工衛星の高さ比較ができる映像展示があります。床面に三菱みなとみらい技術館の屋上から宇宙に行くまで、どんどん高く昇って降りていく映像が流れ、飛行機や国際宇宙ステーション、宇宙がどのような位置関係にあるかを体験できます。映像が映し出される床の上には立つことができるので、子どもたちが映像の上に乗ってどんどん高度が上がったり下がったりしていく様子を楽しむ姿もよく見受けられます。

「空・宇宙ゾーン」の奥には上下左右をぐるっと取り囲むような映像展示もあります。視界いっぱいに宇宙や国際宇宙ステーションが表示されるスケールの大きな映像が小学生に大人気です。子どもの宇宙への興味関心を高めるのにピッタリの展示です。

2F「陸ゾーン」にはスクリーンに科学についてマンガを映し出して学べる展示があります。取材当時は「SDGsのひみつ」を上映していました。

2F「バーチャルツアーステーション」では半径7m、全幅15mの巨大シリンドリカル(円筒形)スクリーンいっぱいに広がるVRシアターがあり、まるで映像の中に入り込んでしまったかのような体験ができます。「ロケットの一生」や「造船」「エアコン大冒険」など、陸・海・空・宇宙のさまざまな科学技術に関するコンテンツが上映されています。
■自由研究にも使えるワークショップも

夏休み期間中は2F「陸ゾーン」手前のスペースで「みらい調査隊」という、科学の実験をテーマにした簡単なワークショップを実施しています。来館のついでに自由研究のテーマを見つけたい方におすすめです。

実験した結果を記入しながら進められるワークシートも用意されています。

こちらは真空の実験。器の上部に設置されたピストンで器の内部の空気を抜いていくと、しぼんでいた風船がふくらんできます。真空という目に見えないものが、風船を使うことで目に見える形になる実験です。
そのほかのおすすめ展示
1F「海ゾーン」にある「しんかい6500」の実物大分解展示は、スケール感も大きく見るだけでも感動します。また、1F「空・宇宙ゾーン」の宇宙飛行士の写真撮影スポットや「宇宙飛行士チャレンジコーナー」にもぜひ挑戦してみましょう。
来館者のコメント
飛行機の設計のコーナーがおもしろかった。軍用機が好きで、目的によって形に多様性があるからです。ジェット機の「ゴー」という音が好きで、YouTubeでたくさん軍用機を見ています。船も軍用船が好きです。将来は自衛隊のパイロットになりたい(小学3年生の男子)
深海生物メカを作るのと自由研究の空気砲の実験、2Fのシアターのロケット製作の映像がおもしろかったです。宇宙が大好きで(自分では)いろいろなことを知っていると思っていたけど、知らないことがいっぱいありました。将来宇宙飛行士になりたいけど、そのためにはすごく勉強しないといけないと思いました。今日だけでも十分見たけど、もっと見たいです。今度はお父さんと来ようと思います(小学5年生の男子)。
シニア倶楽部の会員誌紹介されていたので孫と来ようと思ってきました(祖母)
科学が大好きで、電車と飛行機、バス、発電が好きです。この科学館が理科の教科書に載っていたので、自分で絶対に来たいと頼んで鹿児島から連れてきてもらいました。2Fの「タッチウォール」で火力や風力発電、地熱発電の展示がわかりやすくておもしろかったです。お父さんが地熱の仕事をしていて、前から地熱の話を聞いていたので展示の内容とつながってよくわかりました。自由研究用のワークシートは、知っていることも知らないことも書き込みながらわかるようになっていて、全部おもしろかったです。ロケットの打ち上げの映像も観て、準備が大変だなと思いました。鹿児島に住んでいるので打ち上げを絶対みたいです(小学5年生の女子)
中学生におすすめの展示
小学生におすすめの展示の多くが中学生でも楽しめますが、三菱みなとみらい技術館にはより深く学びにつながる展示も多数あります。なかでもおすすめの展示を紹介していきましょう。
■深海や宇宙についての展示を想像しながら体験してみよう

1Fの「海ゾーン」には、有人潜水調査船「しんかい6500」の実物大分解展示があります。

本物と同じサイズなので、実際に乗ったときの様子が想像しやすいです。写真はしんかい6500のコクピットは完全な球形の耐圧殻で作られていて、水圧でつぶれないようになっています。また、このコクピットにパイロットを含めて3人乗り込み、調査をするときは床に寝た状態で行います。
けっして広いとはいえないコクピット内で1回の潜航と浮上で8時間ほど過ごすのですから驚きです。中学生くらいになると、こうした活動内容や時間について思いを巡らせることができるようになるので、いろいろ想像を膨らませてみましょう。

1F「空・宇宙ゾーン」には「宇宙飛行士チャレンジコーナー」も用意されています。これは宇宙飛行士選抜試験で出された問題や、宇宙飛行士に必要な能力が試されるゲームに挑戦できるコーナーです。

中学生のお子さんとぜひ挑戦してもらいたいのが「図形を伝える」クイズ。「指示する人」と「描く人」に分かれて向かい同士で相手に自分の机にある図形を言葉で伝えて描いてもらいます。これが簡単なようで難しいです。

こちらは鏡に映し出された図形の間にある溝をなぞっていく問題。一見簡単そうに見えて大人が挑戦した場合でも線が曲がったり何度も間違えたりしてしまうのですが、子どものほうがじつはスムーズにできることもあるそうです。子どもと一緒に速さや正確さを競ってみると盛り上がりますよ!

「空・宇宙ゾーン」には宇宙飛行士の服も展示してあり、後ろ側に入ると顔を出すこともできるので記念撮影にピッタリです。また、宇宙服の左手には鏡があり、お腹についている装置は鏡文字になっているところも注目。宇宙服のヘルメットをかぶった状態では装置を目視することが難しいため、鏡を見ながら装置を操作する必要があります。先ほどの問題はその訓練になっていたことがわかります。

国際宇宙ステーション「きぼう」を再現した展示です。大きな横断幕は「東北復興宇宙ミッション2021」事業の一環として、当時「きぼう」に滞在していた日本人宇宙飛行士の野口聡一さんが、世界に向けた感謝のメッセージを読み上げる動画が公開されたときに、岩手県田野畑小学校の児童たちの写真を含む岩手、宮城、福島沿岸の42市町村から集められた写真が使用されたものの実物が、期間限定で展示されています。
■三菱重工の歩みを知って技術の発展について興味を持つ

1F「MHI FUTURE GATE」では、三菱重工グループの創業から現在、未来へのつながりを楽しみながら理解できます。中学生以上になれば、年表などを追って歴史を理解しやすい年齢になるので、模型と合わせてじっくり見学の時間をとってもいいでしょう。

模型についての説明も中学生以上なら理解できることが多くなっています。いろいろな展示を見て回ったあとに、最後の振り返りとして訪れてもいい場所です。
■風力や火力、原子力発電について学ぶ

2F「陸ゾーン」には、風力発電や火力発電についての展示もあります。風力は直径92m、2,400kw風車のブレードの一部分を実物展示しています。洋上に浮かぶ風力発電の仕組みなども体験できる展示になっています。

「地上に太陽を作る」と言われる核融合発電研究についてもまとめています。現在は科学的・技術的実現性に取り組んでいる段階ですが、お子さんが生きているうちに実用化される可能性もある技術です。研究中の技術について知見を得ておくのもよい学びの機会といえます。
■地球環境にどのような貢献をしているのかを知る

三菱重工グループが進めている、地球温暖化を防ぐために二酸化炭素を集めて使う技術「CCCS」の紹介もしています。二酸化炭素を集めて貯蔵したり運んだりすることで再利用やリサイクルにつなげる、いわば「未来のリサイクル」です。子どもたちが大人になる頃に実現する可能性があるかもしれない技術について知ったり、さらに深く調べてみるのもおすすめです。
そのほかのおすすめ展示
小学生向けで紹介したロケットの実物大展示は中学生ならより深く技術の進化に触れられるはず。また、タッチパネルを使った体験型展示は中学生でも挑戦しがいがある内容なので興味があればぜひ遊んでみましょう。
来館者のコメント
ロケットが好きで、打ち上げの映像配信はだいたい見ています。ここには本物のロケットのエンジンが展示されているのがすごいです。燃焼実験をしたものも展示されていて、本当にこれが炎に包まれたと思うとすごいと思いました。海のことも好きで、しんかい6500がおもしろかったです(中学3年生の男子)
「宇宙飛行士チャレンジコーナー」のパズルがおもしろかったです。学びながら遊びもできて楽しめるのがいいです。深海の潜水艦が中まで見られてすごいです。実物大だからこそ、中の細かい設備も見られてすごいなと思いました。知らなかったことがいっぱいあって、初めて見たものもたくさんありました。今日見学した写真などを使って宇宙やロケットのレポートを書こう思っています(中学2年生の女子)
【募集期間終了】かながわサイエンスサマー デジタルスタンプラリーにも参加してみよう!
小学生から中学生が夢中になれる展示がたくさんある「三菱みなとみらい技術館」では、令和6年8月1日(木)~10月15日(火)の期間、三菱みなとみらい技術館を含めた3施設で次世代のデジタル技術であるNFTによるデジタルスタンプラリーを実施します。専用アプリを入れて簡単に参加でき、大きな特典もあるので来館ついでにぜひ参加してみてください。スタンプラリーについてくわしくは以下のサイトで紹介しています。
【理化学研究所の特別プログラムの参加権が当たる!】神奈川の3施設でデジタルスタンプラリーを開催(募集期間終了)
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