お出かけは子どもの好奇心を刺激し、子どもが「好きなこと」や「オモシロイ!」と感じることを見つける絶好のチャンスです。子どもがワクワクして好奇心が高まるような「いこーよ好き育メソッド」式お出かけの楽しみ方をご紹介します!(※いこーよ好き育メソッドはいこーよ子どもの未来と生きる力研究所が提案する子どもの成長ステージに合わせた体験メソッドです)
今回は「水族館編」。この記事は小学生高学年(9歳、10歳、11歳、12歳)に向けて水族館に「行く前」、「行ったとき」、行った後の3ステップでやってみてほしいことを「幼魚水族館館長 鈴木香里武さん」にアドバイスをいただきまとめたものです。
「小学生高学年」の水族館に行く前に読むおすすめの本を紹介!
●魚の個性に親しもう!
小学高学年では魚の「一匹一匹の個性(個)」に親しんでみましょう!
「小学館の図鑑Z 日本魚類館」(小学館)
「新しく創刊する一般向けハンディ図鑑「小学館の図鑑Z」の第1冊目。日本を代表する魚の形態、生態、日本と世界の分布、人との関わりを、撮り下ろし中心の美しい標本写真と研究者の解説文で紹介。一般には公開されていない最新の研究結果も随所に網羅。日本を代表する海水魚・淡水魚を中心に、約1400種を掲載。『小学館の図鑑NEO』を卒業した、中高生、大学生、大学院生、研究者、釣り・ダイビング愛好者、教育・漁業・食品関係者など、専門家をも唸らせる情報が満載です。詳細な用語集も必見!」(小学館HPから引用)

編・監/中坊徹次 撮/松沢陽士
少しマニアックな内容なのですが、専門書の中ではかなりやさしく書かれています。魚の詳細の拡大写真や見た目がそっくりな魚の見分け方、魚に関する専門用語の説明、生息分布域などとても内容が充実しています。この一冊があればほぼ知りたいことが網羅できるくらいの詳しさです。
また、刊行が2018年と図鑑としては比較的新しく、例えば2014に新種登録されたアマミホシゾラフグについての情報も掲載されているのも推しポイントです。
「マグメル深海水族館」(新潮社)
「マグメル深海水族館は、東京湾の水深200メートルにある世界唯一の水族館。ここでは、深海に潜む生き物たちを身近に観察することができる。清掃員のアルバイトとして働くことになった天城航太郎は、深海生物が大好きで、少し引っ込み思案な青年。ある日、館長の大瀬崎湊人に出会ったことで、彼の人生に変化が訪れる――。深い海の底で生きる深海生物たちの魅力とひとりの青年の成長を描く、心あたたまる物語が始まる。」(新潮社HPから引用)

椙下聖海/著
深海200m の海底に実際に水族館を作ってしまう、近未来の夢のような世界のお話です。深海生物を飼育展示する水族館を舞台に、深海生物を通して水族館の飼育員の苦悩や人間ドラマが描かれています。水族館で生き物を「見せる側」の人を知るには、どんな図鑑よりもこの漫画です。
個性の違う飼育員がチームとなってお互いに補い合って困難に立ち向かうのですが、魚の生き様と人に生き様の両方が描いてあるのが何しろ面白い。この漫画を読むと今まであまり気にしていなかった飼育や解説、水槽の掃除をしている飼育員に目が向くようになり、水族館に対する見方が変わると思います。この視点をぜひ味わってほしい!
このマグメルで描かれる飼育員の仕事は、水槽の中のそれぞれの「個」の魚と向き合うことなので、それも小学高学年に読んでほしいと思う理由です。深海生物に詳しい作者がしっかり調べて描いているので、魚がデフォルメされていないのもポイントです。
「小学生高学年」におすすめの水族館での楽しみ方
●水族館に行ったら、魚の正面顔の写真撮影にチャレンジ!
水族館に行ったら、スマホなどで魚の正面顔を写真に撮ることにチャレンジしてみてください!魚を横から撮った写真は図鑑などによく載っていますが、正面からの写真はあまり掲載されていないですし、やってみると正面の写真を撮るのが難しいことがわかります。
特に泳いでいる魚の正面写真を撮るためにはうまく待ち伏せをすることが必要で、例えば「この魚は1分に1回はここを通るからもう少し待とう」など、個体をよく観察しなくてはなりません。正面から撮影をしようとすることで、自然と「個」と向き合うことになります。

●水族館に行ったら、今日の気になる一匹をみつけよう!
気になる色から「今日の気になる一匹」をみつけてもよし、行動パターンやしぐさが気になる魚を見つけるもよし。水族館の何百匹という中から、「今日の気になる一匹」をみつけたら、その魚はきっと忘れられない一匹になります。
「今日の」気になる一匹なので、一か月後に同じ水族館に行って展示内容が同じだったとしても、その日の「気になる一匹」が違ったりします。何度行っても、そのときそのときで新しい発見がある楽しみと新鮮さをぜひ体験してみてください!
「小学生高学年」におすすめの水族館に行った後の楽しみ方
●水族館に行ったら、まずは淡水魚を飼育してみよう!
小学高学年になったら、いよいよ魚を飼育してみましょう!
海水魚にチャレンジするのはやや大変なので、最初に飼うのにおすすめなのは「ベタ」という淡水魚です。とても飼いやすく丈夫で、空気中の酸素を取り込めるラビリンス器官をもっているおかげで大掛かりな装置をつけた水槽でなくても飼うことができます。様々な体の色や尾の形の個体がいることもおすすめポイント。種類が多いことできっとお気に入りに出会えますし、「個」を感じることができると思います。
ただし、オス2匹を一緒に入れてしまうと大喧嘩になるので、単独飼育しましょう。
●水族館に行ったら、採取した魚を飼育してみよう!
お出かけや旅行に行った先の海でいろんな種類の魚と触れ合い、その魚の飼育にチャレンジしてみるのもおすすめです。とはいえ、海水魚を飼うにはそれなりの水槽や装置などを揃えなくてはならなく、手間や費用がかかります。命を預かっている責任もあり、飼っている途中で死んでしまうことも稀ではありません。でも、死んでしまうことにも学びがあります。
自分で飼ってみると海の環境の偉大さを実感するでしょう。例えば毎日新鮮なエサが必要な魚もいますが、海は自然とそれができている。それが海の環境を汚してはいけないという意識にもなります。
水槽では海にいるときにはかからない病気になるなど、いろいろなことが起こります。そのことを「なぜだろう」と思うことがきっかけで病気の研究をしたいという探究心が芽生えるかもしれません。飼うことで好奇心が刺激されて世界が広がっていきます。飼育にチャレンジする場合は、アクアショップの店員さんにしっかりアドバイスをもらってくださいね。

●水族館に行ったら「お仕事体験」をやってみよう!
「いこーよ」のお仕事体験もおすすめです!様々な海や魚に関するお仕事体験がありますし、本物の場で体験できることで、働く側の視点がわかるなど多くの学びが得られます。
●水族館に行ったら「自分のオリジナル水族館」を考えてみよう!
水族館に行った後に、自分だったら こんなオリジナル水族館を作ってみたいというのを考えてみるのもおすすめです。自分だったらこんな水槽にしようとか、こんな風に魚をみせるようにしたいなど自由に考えてみてください。水族館に対する愛が深まりますし、魚の生体や飼い方、見せ方などを考えることで学びが多いと思います。
【いこーよ好き育メソッドからの小学高学年ワンポイントまとめ】
小学高学年になると「なぜそうなるのだろう?」と思う探究心がより深まってきます。鈴木香里武さんおすすめの一匹一匹の魚の個体をじっくり観察したり、飼育にチャレンジしたりすることで、「なぜだろう?」をより深めてみるといいでしょう。
また、理論や他者との関係をより深く理解できるようになるので、学校で習ったことと実際の体験などを大人が結び付けてあげながら興味関心を深めたり、職業体験などをするのもおすすめ。社会性の育成や自分の将来のことを考えるいい機会になります。
水族館でワクワクする体験を!の他の年齢編はこちら
・全年齢編
・0歳、1歳、2歳編
・3歳、4歳、5歳編
・小学生低学年(6歳、7歳、8歳)編
お話を伺ったのは…鈴木香里武さん
〈監修者プロフィール〉
1992年生まれ。タモ網だけを使い、漁港の足元で稚魚&幼魚を探す「岸壁幼魚採集家」。幼少期から魚に親しみ、専門家との交流や様々な体験を通して魚の知識を蓄える。メディアやイベント出演、執筆を通して幼魚の魅力を発信。2022年に幼魚水族館をオープン、館長を務める。
この記事を読んでいる人は「好奇心」「探究心」に関するこんな記事も読んでいます
・岸壁幼魚採集家の鈴木香里武さんが語る「好き」をやり抜くための秘訣
・岸壁幼魚採集家・鈴木香里武さんが語る「好きなことに夢中になっている子どもに本当にかけるべき言葉」とは?
・カワイイだけじゃない!「岸壁採集の幼魚展」監修・鈴木香里武さんが語る「幼魚の生き様」
・好奇心を育み、多様性を体験させる中村元さんの水族館の秘密指令とは
・子どもの好奇心をもっと育む! 幼児&小学生向け「おでかけ」のコツ
・【未来へいこーよ】が育むココロのスキル(非認能力)について







