飲料を通じて「水」を扱うコカ・コーラ ボトラーズジャパンが2006年から続けている自然体験プログラム「森に学ぼう」プロジェクトが、今年20周年を迎えました。森が雨水を蓄え、地下水としてゆっくりと育まれるまでの「水は森が育む」というつながりは、普段の暮らしではなかなか実感しにくいものです。それを実際に体感できると聞き、山梨県北杜市の白州工場で開催されたイベントに参加してきました。
20年続く「森に学ぼう」プロジェクトとは
コカ・コーラ「森に学ぼう」プロジェクトは、コカ・コーラ ボトラーズジャパンが水資源保全活動の一環として2006年に佐賀県・宮城県でスタートした自然体験プログラムです。森林組合やNPO団体など地域と連携しながら、間伐や植林といった林業体験、木工作やいきもの観察などのプログラムを提供し、森が水を育み、その水が私たちの暮らしや工場での製造を支えているという「事業と自然のつながり」を、参加者にわかりやすく伝えることを目的としています。
20年間で244回開催され、これまでに延べ17,624人が参加(2025年末時点)。現在は国内17工場の周辺、15の流域で隔年開催されています。
今回訪れたのは、山梨県北杜市にあるコカ・コーラ ボトラーズジャパン白州工場です。関東・東海・南東北エリア向けの「い・ろ・は・す 天然水」を専門に製造する工場で、白州での開催は2023年・2024年に続き通算3回目です。
イベントの当日は、小さな子ども連れの家族から、大人だけのグループまで、さまざまな参加者の姿がありました。総勢160名ほどの参加者のうち、子どもは30名ほどでした。スタッフの方によると、この人数は白州会場での3回の開催の中でも最多だったそうです。

開会式で挨拶するアンドリュー・フェレットさん
宝探しや木工作で親子が過ごした森の時間
イベントは、コカ・コーラ ボトラーズジャパンの執行役員 最高サステナビリティ責任者のアンドリュー・フェレットさんの挨拶から始まりました。開会式では「森に学ぼう」プロジェクトの概要説明に続き、20周年を記念して、フェレットさんらが「いろはもみじ」を植える記念植樹も行われました。

20周年記念植樹でいろはもみじを植えるアンドリュー・フェレットさん
午前中は白州工場の見学です。1997年に竣工したこの工場は、2019年に導入した全自動倉庫や、2025年に稼働を始めた自動運転フォークリフトによって、全17工場の中で唯一、製造から出荷までの全工程を自動化しています。広い工場の中で作業する人の姿がほとんど見当たらないほどの自動化ぶりに、見学していた子どもたちも興味深そうに見入っていました。

自動運転フォークリフトの稼働を見学する参加者
そして午後は、森の中での自然体験です。山梨県森林総合研究所の研究員・長谷川喬平さんが同行し、鹿が樹皮を食べて枯れてしまった木や、森の中の大きな鳥の巣、虫が住み着きその病原菌で枯れたナラの木など、森の中のさまざまな事象をわかりやすく解説してくれました。

鹿が樹皮を食べて枯れてしまった木
森のあちこちの木の幹にカエルが何匹もいるのを見つけて、子ども達が「なぜ木にカエルがいるんだろう?ここにもいる!」とつかまえて夢中になっているのが印象的でした。

子どもの手のひらに乗った小さなカエル
峡北森林組合の大森俊樹さんが担当した森の宝探しでは、森の中に隠された動物モチーフの木のおもちゃを、子どもたちが夢中になって探し回ります。見つけた箱の中にはうさぎなど森の動物の木のおもちゃが入っていて、「大きい木の下にあったよ」とうれしそうに教えてくれる子や、なかなか見つからず粘り強く探し続ける子など、それぞれのペースで森を楽しんでいました。

森の中で子どもたちに説明する峡北森林組合の大森俊樹さん

森の中で夢中で宝探しをする子どもたち
木工作のコーナーでは、地元の木工作家の藤木豊和さんの指導のもと、松の木材を使ってコカ・コーラのロゴが入ったオリジナルの鉛筆立てを製作しました。講師からは、材料である松がこの太さになるまでおよそ50年かかるという説明もあり、「大きくなって50年経ったら、人間がそれを切って家を作ったり、このような『もの』を作る材料になります」という言葉に、子どもたちも真剣な表情でうなずいていました。
木の香りと鉛筆立てを組み立てるトンカチで釘を打つ音が響き渡る中、黙々と手を動かす親子の姿からは、ものづくりに集中して向き合う様子がうかがえました。ひと通り作品作りの体験を終えた後は、のこぎりで木を切ったり、モルックで盛り上がる家族の姿もありました。

木の板に釘を打ち込んで鉛筆立てを作る子ども
参加した保護者からは、「森のことが学べるのがよかった」「子どもが参加しやすそうだと思って選びました」といった声や、「工場も飲み物も、子どもがすごく楽しんでいます」というコメントも聞かれました。
体験中には、「コカ・コーラ」や「い・ろ・は・す」などコカ・コーラ製の数種類の飲み物から好きなものを選んで飲めるので「選べるのが楽しい」と喜ぶ子どもの姿もありました。
森林散策での風の音、木工作で香った木の匂いや手に伝わる感触、休憩にいただいた飲み物の味わい…。今回のイベントは、森と水のつながりを見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触れるという五感で丸ごと体感できる時間でした。
企業に聞く、「森に学ぼう」プロジェクトに込めた思い
記者向けの説明会では、コカ・コーラ ボトラーズジャパン コミュニケーション戦略統括部 サステイナビリティリレーション部 部長の水野ウィザースプーン希さんから、水資源保全に関する取り組みについて説明がありました。
同社では、Reduce(水使用量の削減)・Recycle(工場排水の管理)・Replenish(水源域の調査と保全)という3つの活動を軸に、水資源の持続可能な活用を目指しているといいます。2025年には、全工場の水源域における涵養(かんよう)面積(雨がしみ込む土地の広さ)が東京ドーム約1,700個分に達し、使用した水の約4倍にあたる水を自然に還元している計算になるそうです。

コカ・コーラシステムが考える水の循環図
「森に学ぼう」プロジェクトは、このReplenishの取り組みの一環です。水野さんは、「水は森が育む」という目に見えにくいつながりを子どもに実感してもらうための工夫について、「大人向けの説明のような言葉ではなく、もっとやさしい言葉、少ない言葉で伝えることを大切にしています」と話します。
また、教室で説明を聞くだけでなく、実際に森の中を歩いたり、会場によってはアプリを使って生き物や植物を記録しながら生物多様性を学んだりと、「手触り感のある」体験を用意しているそうです。「今日の木工作や自然観察も、ただ見て聞くだけでなく、自分の手や足を使って森の中に入っていくという工夫のひとつです」とのことでした。
20周年を迎えた今も、「森に学ぼう」プロジェクトはコカ・コーラ ボトラーズジャパンの17の水源域で開催されています。公式サイト「森に学ぼう」プロジェクト(https://www.ccbji.co.jp/morimana/)では、他の開催地の情報を確認できます。また、2026年2月に公開された20周年特設サイト(https://www.ccbji.co.jp/morimana-20th/)では、これまで20年間の活動の振り返りや、各会場の関係者からのメッセージなどが紹介されています。
取材を終えて
どのように水を守る取り組みの大切さを子どもに体験してもらうのかを見てみたいと思って「森に学ぼう」プロジェクトに参加してみました。森の中でカエルを見つけてはしゃぐ子どもたちや、夢中で木工に取り組み木の匂いに包まれて過ごす時間は、「水は森が育む」ということを、説明されるよりずっと自然に感じられる体験でした。
宝探しに没頭する子どもたちや、のこぎりを手に真剣な表情で木を切る親子の姿を見ていると、この森での時間が、日頃飲んでいる水と遠くの森とのつながりを、知識としてだけでなく体験として持ち帰れる貴重な機会になっているのだと感じました。
家に帰ってからも、自分で組み立てたコカ・コーラのロゴ入りの鉛筆立てを見るたびに、森で聞いた木の話や、森で過ごした時間を思い出し、森という存在を身近に感じます。この夏、お近くで「森に学ぼう」プロジェクトが開催されていたら、ぜひ親子で森に足を運んでみてください。(Shizu)

「森に学ぼう」プロジェクトで作ったコカ・コーラのロゴ入り鉛筆立て







