「声に出して読みたい日本語(草思社)」など、多数の著書を出版し、テレビ番組の監修などでも活躍している明治大学教授・齋藤孝さんが、子どもの自己肯定感が高まる方法を伝授! 今回は『子どもの自己肯定感が高まるほめ方・叱り方の新常識100(著:齋藤孝、発行:宝島社)』を紹介します。
ひとつの例がひと見開きで完結!
明治大学文学部教授であり、教育学、身体論、コミュニケーション論が専門で数多くのベストセラーを生み出している齋藤孝先生が「子どもがこれから生きていく一番の推進力であり、新たなチャレンジを発動するエンジンである」と語るのが自己肯定感です。本書では、自己肯定感が高まるほめ方のコツや励まし方、心の疲れを癒やす方法などを100例紹介しています。
ひとつの例が見開きの2ページでまとまっており、子育てに役立つお話を1つあたり数分で読むことができるので、乗り物の移動中や昼休みなど、ちょっとした空き時間に読めるようになっています。
テーマ別に分かれていて自分の気になるところから読みやすい
本書では「子どもが前向きに育つ魔法の言葉」をはじめ「子どもがグングン育つ見守り方」「子どもの心を豊かにする親子の会話」「子どものしつけで困ったときは?」「子どもとの向き合い方がわからなくなったときは?」の5つのテーマに分かれています。そのため、今の子育てで悩んでいるところ、こうしたいと思っているところだけを目次で見て、気になったところだけ読んでみることもできます。
「未来へいこーよ」スタッフの注目ポイント
著者の齋藤孝先生は、Eテレの「にほんごであそぼ」の総合指導を務めていることでも知られている「日本語の達人」だけあって、書かれている文章が本当に読みやすくて伝わりやすい! ひと見開きで1つのお話が終わるように工夫されているので、内容がスッと入ってきて、短時間でも読み進められるのが魅力です。僕自身、しばらくカバンの中に入れっぱなしにして空き時間に開くようにしていました。
本の中では、いろいろな「たとえ話」が出てきます。孔子や松下幸之助のような歴史上の有名人や偉人、「枕草子」に代表される名作、元メジャーリーガーのイチローや現役メジャーリーガーの大谷翔平など一流のスポーツ選手、さらには「鬼滅の刃」や「スラムダンク」などのマンガのワンシーンも「たとえ話」として引用されていて、先生が持っている引き出しの豊富さに驚きました。
昔のものだけでなく、現在人気のコンテンツもしっかりと見て、本の内容に落とし込んでいるからこそ、読んだ大人に伝わるのはもちろん、本の内容を子どもたちに話しても説得力があり、伝わりやすい内容になっているのでしょう。
本にも書かれているのですが、ある調査によると「叱るより褒めるほうが難しい」と答えた親は60%もいるそうです。実際、子育てしている僕も、つい子どもがしていることを次々と注意してしまい、ほめるチャンスを逃しているときがあります。そんなときに、この本でちょっと自分を振り返ると、子どもによい言葉がけができるし、自分自身も楽な気持ちになりました。いつでも読める場所に置いておいて、何度も繰り返して読みたくなる本です(KAZ)。
子どもの自己肯定感が高まるほめ方・叱り方の新常識100
本体1,430円(税込)、著:齋藤孝、発行:宝島社
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