「やり抜く子」と「投げ出す子」の習慣

「投げ出す子」を「やり抜く子」に育てる50の習慣とは?

注目の新刊
子どもの成長や子育てに役立つ本を厳選して紹介します。

新しいことに挑戦せずに言い訳ばかりする子どもから、失敗を恐れず挑戦を楽しみながら最後までやり抜く子になるための、50のアドバイスが詰まった本「『やり抜く子」』と『投げ出す子』の習慣(著:岡崎大輔、発行:明日香出版社)」を紹介します。(明日香出版社から献本いただきました)

非認知能力につながる「やり抜く子」の育て方がわかる!

著者の岡崎大輔さんは、自身が小学生の頃はすぐにあきらめてしまう「投げ出す子」でした。しかし、大学時代に「今度こそ絶対に逃げないで本気でやる!」と、生まれて初めて自分の人生を自分で決めて実行しました。その経験で得た非認知能力(ライフスキル)をもとに、英語力ゼロから5年間勉強してアメリカの大学院に合格したり、会員約1000名のライフスキルの学校を設立したりと、仕事や人生で大きな結果を残しています。

本書では、非認知能力を「自分とつながる力」「人とつながる力」「夢を実現する力」「問題を解決する力」の4つに分類して紹介しています。また、研究では「非認知能力はどの年齢でも伸ばすことができる」「非認知能力(やり抜く力)が高いほど人生の満足度が高く、精神的にも健康な生活を送っている」ことが明らかになったことにも触れています。

これまで1万人以上の子どもと関わってきた岡崎さんは、非認知能力を高めることで、多くの子どもたちを「投げ出す子」から「やり抜く子」へと変えてきました。この本では子どもの非認知能力を高めるための、親の関わり方を紹介しています。

会話例やステップごとの解説で実践方法をわかりやすく紹介

全部で50あるテーマの見出しには「やり抜く子はいつもゴキゲン、投げ出す子はいつもフキゲン」のように「やり抜く子は〇〇、投げ出す子は××」という形になっていて、見出しを見るだけで子どもがどちらの傾向にいるのかがわかります。「やり抜く子」になるためのポイントは、親子の実際の会話例や実践する内容を3つのステップで解説するなど、具体的にどうしたらいいのかがわかりやすくなっています。

各章は「自己肯定感」「生活習慣」「学習習慣」「目標達成」「対人関係」「トラブルへの対処」と大きく分かれているので、子育てで今困っていることから、辞書のように逆引きして読めます

未来へいこーよスタッフの注目ポイント

一つひとつのアドバイスは約5分ほどで読める文章量ながら「なるほど!」と納得して、実際に試してみたくなるものばかり。それが50個集まっているので、一冊読み終えたときにインプットできた情報量がものすごいです。正直この値段でこんなに情報量を盛り込んでしまっていいの!? と驚いたくらい(笑)。

でも、じつは僕が一番感心したのは、50のテーマを語り終えたあとの章「おわりに」で、「本書はあくまで『子育て本』ですが、実は大人にこそ、自分のために実践してもらいたいことを書いてあります」というところです。

まずは自分自身が自分の親になった気持ちで「やり抜く子」の習慣を実践してみる。すると、自分自身に教えてみたように、子どもにも実践できるというわけです。そういう気持ちで読み返してみると「この習慣は僕自身もできていないな」とか「この視点があったら仕事にも役立ちそう!」と新たな発見がたくさん出てきました。

子どもに自己肯定感を持たせたいなら、それを教える大人がまず自己肯定感を持つことが重要だとあらためてわかる、自分と子どもへの「人生の教科書」になる一冊です。

「やり抜く子」と「投げ出す子」の習慣
「やり抜く子」と「投げ出す子」の習慣本体1650円(税込)、出版社:明日香出版社
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6歳の息子と2歳下の妻と暮らすパパで、息子が成長していくにつれて「育児が最高におもしろい!」と気づいて、某ゲーム雑誌編集部からアクトインディに入社。発達がゆっくりな息子と向き合いながら、毎日笑いの絶えない生活を送る。子育て以外ではゲームとお酒が好き。息子の影響で鉄道にも詳しくなった。

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