身のまわりには、動物や鳥、魚、昆虫など、さまざまないきものがいます。その多様ないきものたちを、「かわいい」というひとつの視点で見てみたら、どんな発見があるでしょうか。今回は、いきものの魅力を「かわいい」という切り口で紹介する図鑑『かわいいが見つかる!推しいきもの図鑑』を紹介します。見た目やしぐさ、性格など、いろいろな角度から集められた“かわいい”が並ぶ、親子で楽しめる一冊です。
「かわいい」で分類すると、いきものがもっとおもしろくなる
この本の大きな特徴は、「かわいい」をひとつの基準にしながら、その中身を細かく分けている点です。「ふわふわでかわいい♡」「甘えん坊でかわいい♡」「かっこかわいい♡」「おもしろかわいい♡」など、さまざまな切り口はさまざま。

ただ見た目が愛らしいだけでなく、「どうしてそう見えるのか」「どんな行動がそう感じさせるのか」といった視点が、わかりやすい言葉で添えられています。子どもにとっては感覚的に楽しめて、大人にとっては「なるほど」とうなずける構成です。
分類がユニークなので、「このページの『かわいい』と、こっちの『かわいい』は何が違うんだろう?」と、自然に比べたくなるのもポイント。読み聞かせでも、ひとり読みでも、大人と子どもの会話が広がりやすい図鑑です。
予想外の並びが推しを連れてくる
「かわいい」を基準に選んだ図鑑なので、パンダやハムスターのような身近な動物だけでなく、鳥、魚、昆虫、海のいきものまで、多様な種類が紹介されているのも特徴です。

たとえば「甘えん坊でかわいい♡」のページでは、シマエナガの次にスナメリ、さらにゴールデンハムスターと、種類も生息環境も異なるいきものが並びます。動物の分類ごとに分かれていないからこそ、「次は何が出てくるんだろう」というワクワク感があります。
動物や昆虫にくわしい子でも、知らなかったいきものに出会いやすく、「これ、初めて見た!」という体験が生まれやすい構成です。
推しを探す感覚でページをめくるうちに、世界が少し広がっていきます。
眺めるだけでも楽しい!イラストと読みやすさへの工夫
イラストを手がけているのは、かわいい動物の表現で人気のイラストレーター・すなやますなこさん。表情やポーズがとても豊かで、かわいいいきものの特徴をうまくとらえています。

1種類のいきものが見開きで紹介されているため、パラパラとめくって、気になったところだけ読むこともしやすいです。すべての漢字にルビがふってあり、文章量もほどよく抑えられています。また、「読む」というより、「見る」「気づく」から始まるつくりなので、低学年の子や、図鑑が初めての子にも手に取りやすい一冊です。
「未来へいこーよ」スタッフの注目ポイント
まず、イラストがかわいい! というのはひと目見ればわかると思うのですが、じつは再現度がすごく高いことに驚きました。例えばマヌルネコの威嚇した表情や、ホホベニモウミウシの植物と牛が組み合わさったような姿など、「これ本当なの?」と思って写真を調べてみると、そっくりで(笑)。ぜひ本で気になったいきものがいたら、写真を調べてみてほしいです。
イラストが大きく使われている都合上、文字数は少なめです。でも、そこにきっちりと特徴とトリビアが詰め込まれているところもいいです。たとえば、パンダのあの座り方がとても理にかなっていることや、野生のゴールデンハムスターはじつは絶滅危惧種など、思わず声に出して「へぇ」と言っちゃいました。
このあたりは執筆を担当された動物作家・昆虫研究家・タレントと多彩な才能を発揮している篠原かをりさんの視点が生きているのでは? と思います。
ルビ付きなので小学校低学年から読めますし、推しのいきものが見つかれば、そこから図鑑やネットで調べたり、動物園や水族館で実際に会いにいったりと、学びを広げていくきっかけにもなる図鑑です(KAZ)。
「かわいいが見つかる!推しいきもの図鑑」

価格1,320円(税込)
著者:篠原かをり イラスト:すなやますなこ
発行:長岡書店
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