※小学生でも読みやすいよう、小学5年生までに習わない漢字はふりがなをつけています。ご了承ください。
神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会とは?
世界パラ陸上(正式名:世界パラ陸上競技選手権大会)は、国際パラリンピック委員会によって創設(そうせつ)された世界最高峰のパラ陸上競技大会です。2024年に東アジアで初めて神戸で開催されます。障(しょう)がい者と健常者がいっしょになって、東京2020パラリンピックにおける感動やパラスポーツへの関心の高まりを次世代に“つなげ”、スポーツを通した交流の輪を“ひろげ”、障がい者をはじめ、だれもがくらしやすいまちづくりを“すすめる“大会を目指しています。
(神戸2024世界パラ陸上選手権大会HP より一部引用)
子ども記者団とは?
神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会(KOBE2024世界パラ陸上)をもり上げるため、兵庫県神戸市などの小学3年生から5年生までの小学生で結成されたのが「子ども記者団」です。今回は奈良県の小学4年生、きのした こうき記者と岡山県の小学4年生、はばら やまと記者が取材を行いました。2人は2023年4月30日に行われたWPA公認 第34回日本パラ陸上競技選手権大会でパラ陸上のアスリートに取材し、パラスポーツに興味を持ちました。なお、この大会はKOBE2024世界パラ陸上のテスト大会(リハーサル)として神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会組織委員会が運営を担当しました。

プレスカンファレンスで子ども記者が日本や世界の代表選手に質問!
プレスカンファレンスには世界パラ陸上競技連盟のポール・フィッツジェラルド代表をはじめ、神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会組織委員会の会長・増田明美さん、走り幅跳び(T63)の山本篤選手、100m(T47)などに出場する辻沙絵選手、海外の選手を代表して、パラリンピックで7つの金メダルを獲得したハンナ・コックロフト(イギリス)選手などが登場しました。

子ども記者は最前列に用意していただいた席で、ポール代表、増田会長や選手の意気込みなどを真剣な表情で聞いていました。

登壇(とうだん)した6選手に子ども記者がインタビュー!
質疑応答(しつぎおうとう)の時間ではメディアの代表質問のあとに、子ども記者が1つずつ質問をさせていただきました。6人の選手のプロフィールと、子ども記者の質問の答えを紹介します。

山本 篤選手(日本/T63)走り幅とび
山本 篤(やまもと あつし)選手は左足が義足の走り幅跳び(はばとび)の選手です。2016年のリオパラリンピックでは銀メダル、東京2020パラリンピックでは自己ベストを更新(こうしん)する4位を記録しました。
Q:国の代表のようなトップアスリートになるには、何が必要ですか?(やまと記者)
A:まずは自分にあったスポーツをさがして、選ぶことです。そして選んだ競技で努力をするんですが「努力をする」という時点で国の代表にはなれないかもしれません。むしろ夢中になって取り組むことができるようになると「(自分が)がんばっている」という気持ちにならなくて楽しく続けられます。楽しいからトレーニングをして試合に出ていることで、より競技にのめりこんでいって、僕は日本代表になることができました。
Q:これまでにいろいろな競技場で競技をしたと思いますが、神戸とユニバー記念競技場のいいところを教えてください(こうき記者)
A:ユニバー記念競技場には何度も来ているのですが、(メディアカンファレンスがあった16日(木)は)こんなに風が強いのは初めてです(笑)。でもメディアフォトセッションで競技場に入ったときは、外と比べて風がなかったので競技しやすいと思いました。あとは、当日追い風になってくれたら最高だな、と(笑)。また、駅から近くて歩いてこられるのもいいところです。
辻 沙絵選手(日本/T47)100m、200mなど
生まれつき右うでのひじから前がない選手で、小学生のときからハンドボールに挑戦し、22歳(さい)でパラ陸上の世界へ。リオパラリンピックでは400mで銅メダルを獲得(かくとく)しています。パリ2023世界パラ陸上ではユニバーサルリレーで金メダルを獲得。
KOBE2024世界パラ陸上では、パリパラリンピックでリレーでの参加を目指すため100mと200mに出場します。

Q:国の代表のようなトップアスリートになるには、何が必要ですか?(やまと記者)
A:私は「自分ならできると信じる気持ちを持つこと」と「いろいろな方法があるなかで自分で調べて、考えて、計画していくこと」が重要だと思っています。私は陸上を始めたのが21歳の頃で、それまでハンドボールの選手をしていました。まったくちがう種目に飛びこんでいくというのは、すごく怖(こわ)かったんですけど「自分ならできる」という気持ちを持って挑戦したらうまくいきました。なので、自分を信じる気持ちがすごく重要です。また、国の代表になるには条件があるので、それをクリアするにはどうしたらいいかを考えて次に出る試合を決めたりしたことも大事だと思っています。
Q:これまでにいろいろな競技場で競技をしたと思いますが、神戸とユニバー記念競技場のいいところを教えてください(こうき記者)
A:今日自宅から来たのですが、新神戸まで新幹線で、30分でユニバー記念競技場までこれました。神戸の人たちだけでなく、それ以外の地域から多くの人が来やすい、アクセスがよいところだと思います。山本選手もおっしゃってましたが、競技場の中は風が少しおだやかだったので、当日はいい風が吹いてくることを願っています。
ハンナ・コックロフト選手(イギリス/T34)100m、800m
出生後に心臓(しんぞう)が止まったことで、腰(こし)と足が弱くなってしまい、長距離を歩くには車いすが必要に。中学生のときから水泳や円盤投げなど、さまざまな競技に挑戦し、ハンナさんが15歳の2009年から本格的に陸上競技を始めました。これまでにパラリンピックで金メダルを7個、世界選手権で金メダルを15個とっています。
Q:国の代表のようなトップアスリートになるには、何が必要ですか?(やまと記者)
A:とってもステキな質問ありがとうございます。自分がイギリスの代表になれたことはホントに光栄に思っています。代表になるためにたくさんの努力をしたことはもちろんですけど、それよりも情熱が大事です。競技を「仕事」として考えるのではなく「友だちと楽しく競技をしている」と思っているので、そういう方たちと情熱を持って練習に取り組んでいくことで代表になれました。
Q:これまでにいろいろな競技場で競技をしたと思いますが、神戸とユニバー記念競技場のいいところを教えてください(こうき記者)
A:ユニバー記念競技場は本当に素敵(すてき)な施設(しせつ)です。競技をするのにとてもいい競技場なので、たくさんの人にきてほしいです。設備もキレイでしっかりしているいい施設だと思います。ただ、強いて言えばもう少し風が優しかったらいいなと思います(笑)。
ホリー・ロビンソン選手(ニュージーランド/F46)砲丸投げ
主にやり投げで活躍(かつやく)している選手で、パラリンピックは2012年から3大会連続でニュージーランド代表になっており、2016年銀メダル、2020年には金メダルをとっています。KOBE2024世界パラ陸上では砲丸投げ(ほうがんなげ)に出場します。
Q:国の代表のようなトップアスリートになるには、何が必要ですか?(やまと記者)
A:子どものころから(円盤(えんばん)なげや砲丸投げなどの)投てき競技が好きで、好きな気持ちをずっと持ってやっているうちに国の代表に選ばれました。自分で使えるすべての時間を練習にあてていることも代表になれた理由だと思います。
Q:これまでにいろいろな競技場で競技をしたと思いますが、神戸とユニバー記念競技場のいいところを教えてください(こうき記者)
A:ニュージーランドチームは港の方で宿泊(しゅくはく)していて、バスに乗ってここに来る時に、港から山になってきて少しずつ緑が増えてくるのが素敵だなと思っています。競技場も(そこから見ると)船みたいに見えるのがカッコイイと思っています。施設もしっかりしていて、国旗がたくさんかかげられているところも好きです。
ノエミ・アルフォンス選手(モーリシャス/T54)100m、400m、800m、1500m
モーリシャスはアフリカ大陸東部の沖合、マダガスカルのさらに東方にうかぶ、インド洋の小さな島国です。海がきれいで自然が豊かで、人が住むようになったのは16世紀以降からです。ノエミ選手は、パリ2023世界パラ陸上で100mで銀メダル、400mで銅メダルを獲得した世界で注目されるアスリートです。

Q:国の代表のようなトップアスリートになるには、何が必要ですか?(やまと記者)
A:一番最初は競技ができる時間がなくて、夜おそくにトレーニングをしていました。でもなぜ夜中でも練習が続けられたのかというと、自分にとってはレーサーに乗ることがまるでクルマに乗って飛ぶようにスピードを出していくかのように、楽しい時間だったからです。また、自分のチームがまるで家族のように仲が良くて、たくさんの努力を楽しくできていたので、気がついたら代表になっていました。
Q:これまでにいろいろな競技場で競技をしたと思いますが、神戸とユニバー記念競技場のいいところを教えてください(こうき記者)
A:ユニバー記念競技場は、大きてとても素敵な施設です。競技場だけでなく神戸スポーツパークもあって、いろいろなスポーツをこのエリアできるのが素敵だと思います。今回初めて日本にきましたが、観客が入ったなかでの競技できるのを楽しみにしています。すべての競技場には物語があります。この神戸でも今回の大会を機によい物語ができることを祈っています。また「いい記録が出るいいトラックだ」と聞いているので、私もベストの成績を出したいと思っています。
ノア・マローン選手(アメリカ/T12)100m
視覚(しかく)に障がいを持つ選手で東京2020パラリンピックでは100mで金、ユニバーサルリレーで銀メダル、世界選手権でもドバイ2019のユニバーサルリレーで金メダル、パリ2023では100mで金メダルをとった選手です。

Q:国の代表のようなトップアスリートになるには、何が必要ですか?(やまと記者)
A:ホントによい質問です。代表になることはすごく光栄ですし、自分の国の代表になったと言える人はとても少ないです。代表になるには、自分の目標をまず決めて、それに専念(せんねん)して1日も休まずに努力して、競技場でもその外でもゴールに向けてがんばって、最終的にはその目標にたどりつきます。自分が納得(なっとく)できるような形で努力していくことが大切です。また、競技を見てくださっているみなさんの応援(おうえん)もすごく力になっています。
Q:これまでにいろいろな競技場で競技をしたと思いますが、神戸とユニバー記念競技場のいいところを教えてください(こうき記者)
A:世界クラスの大きさを持つ最高の競技場で、見た目も最高にかっこいいです。ここで競技するのをとても楽しみにしています。競技場でどれほど大きな歓声(かんせい)が聞こえるか、観客のみなさんのエネルギーがどのくらい届くかというのがとても楽しみで期待しています。
世界パラ陸上競技連盟代表のポール・フィッツジェラルド氏にインタビュー
プレスカンファレンスに出席した世界パラ陸上競技連盟で代表を務めるポールさんに、子ども記者がインタビューを行いました。ポール代表からも子ども記者に質問をしていただき「今度いっしょにやろうね!」と温かい言葉をかけていただきました。

やまと記者:どんな選手に注目していますか?
ポール代表:せっかくの日本の大会だから日本人選手はみんな注目しているけど、今回記者会見に出ていた山本選手と辻選手は特に注目している
こうき記者:パラ陸上の競技でポールさんが感動したり、驚いたり、印象深い競技を教えてください。
ポール代表:テストの時とかスポーツする前ってドキドキすると思います。それは選手も同じで、一番がんばってきたものを今からやるとき、ドキドキします。そういうドキドキするときというのが一番印象に残っていますし、それはどんな大会でも同じですね。努力してきたことを今からやりますよというときが一番思い出に残るというか感動します。
ポール代表:私からも質問してもいいですか? 何かやっているスポーツはありますか?
やまと記者:剣道をやってます!
ポール代表:楽しい?
やまと記者:うーん、先生がちょっと怖い
ポール代表:わかる(笑)!
こうき記者:前にサッカーやって、また始めました。
やまと記者:僕は卓球もやりたいです。
ポール:いいね! サッカー楽しんで!今度会った時はサッカー一緒にやれるといいね! 卓球も得意だから、次会った時は卓球しようね!
競技運営に深く携わる五島さんにもお話を伺いました
KOBE2024世界パラ陸上で運営を担当している五島昇さんにも、インタビューを行いました。

こうき記者:日本でパラ陸上が開催(かいさい)されると決まってからの、五島さんのお仕事を聞かせてください
五島さん:パラ陸上の開催が決まったときは、私は神戸市の高校で教員をしていました。60歳で定年退職(たいしょく)をしてから組織委員会に入って、パラ陸上に向けてたずさわる仕事をしてきました。
やまと記者:五島さんが仕事をする中で楽しかったことはなんですか?
五島さん:毎日が楽しくて仕方がない(笑)何が起こるかわからないからワクワクしてます。
子ども記者スタッフ:具体的にやってることを子ども記者に教えてあげていただけますか?
五島さん:私がやっているのは、選手が試合をするための準備、選手が力を発揮できるためのサポートをやっています。
やまと記者:五島さんがサポートしている選手で一番思い出に残っている選手はいますか
五島さん:競技を運営する側は、選手に公平に接する必要があるので、私自身は特定の選手を応戦したり、サポートしたりはしていません。ただ、大会のサポートのメンバーで以前の学校で教えていた「義肢装具士(ぎしそうぐし)」という義足や義肢(ぎし)を作る仕事についている卒業生がいます。パラの選手ではないが、私の教え子の中にパラ競技に関わるような卒業生が出ることは応援したい気持ちです。
神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会組織委員会会長の増田明美さんにもごあいさつ!
プレスカンファレンスに出席していた増田明美会長にもごあいさつをしました! 増田会長に「とてもいい質問をしてくれてありがとう! 参加してくれたメディアの方も感心していましたよ」と言われた子ども記者は、照れながらも一緒に記念撮影を行いました。

KOBE2024世界パラ陸上は5月25日(土)まで開催中!
神戸に世界中からパラ陸上選手が集まり、世界一を決める大会「神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会」。子ども記者の目から見ても、大会に集った選手の力強さや大会の運営を支える人たちの言葉に心を打たれたようでした。大会は5月25日(土)まで開催していますので、ぜひ家族みんなで神戸総合運動公園ユニバー記念競技場に遊びにきてください!
【神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会概要】
主 催:国際パラリンピック委員会
運営主体:神戸 2024 世界パラ陸上競技選手権大会組織委員会
期 日:2024年5月17日(金)~25日(土)
会 場:神戸総合運動公園ユニバー記念競技場 〒654-0163 兵庫県神戸市須磨区緑台
大会公式サイト
<今回取材をしてくれた子ども記者>
きのした こうき記者(小学4年生・奈良県)、はばら やまと記者(小学4年生・岡山県)
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