子どもにスマホを持たせるとしたら、何歳ごろからいいのでしょうか。 そして、子どもにスマホを持たせる際に、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか。現役の小学校教師(22年目)で2児の父親である松下隼司(まつした じゅんじ)先生は、これまで担任する子どもたちのさまざまなスマホトラブルに多く対応してきました。子どものスマホ事情に詳しい松下先生に、いつから持たせるとよいのかと、渡す際のおすすめの方法について、お話を聞きました。
【1】今どきの小学生のスマホ事情
スマホを持っている小学生の子どもたちは以前より増えていますか?
はい。スマホを持つ小学生の子どもの割合は年々、高くなっていると実感しています。そして、低年齢化しています。数年前までは、「中学生になったら、スマホを買ってあげる」と、お子さんに言い聞かせる保護者が多かったです。

でも、最近は、「高学年(小学5・6年生)になったらスマホを…」に変わってきました。今では、中学年(小学3・4年生)のお子さんがスマホを持っていることが珍しくありません。小学1年生でも持っているお子さんはいます。高学年の担任になったとき、クラス全員の子どもがスマホもっているということもありました。
今の小学生はスマホでどんなことをしているんですか?
お子さんの年齢や発達段階、友達関係など、使い方は1人ひとり違いますが、オンラインゲームをしたり、YouTubeを見たりすることが多いです。そして年齢が上がるにつれて、LINEなどのSNSを使うお子さんが多くなります。高学年になると、InstagramやTikTok、Xをする子どももいます。小学生の子どもの方が私よりもSNSやオンラインゲームやスマホの機能に詳しいです。子ども家庭庁の調査でも、SNSの平均利用時間は、年齢とともに増加傾向にあります。
〈参考〉
令和5年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報) 出典:子ども家庭庁

スマホ使用について保護者に特に知っておいていただきたいのは、SNSやゲームには「推奨年齢・対象年齢」があることです。今、大人だけでなくスマホを持つ多くの小学生がLINEを使って、家族同士だけでなく友達とも連絡をとっています。でも、LINE使用に推奨年齢があることをご存知でしょうか。
じつは、青少年保護を目的に2019年からLINE利用の推奨年齢は12歳以上になっているのです。12歳になるのは小学6年生です。ということは、LINEは早くても小学6年生からになります。
小学校の高学年の子どもが大好きなTikTokやInstagramは、13歳以上の利用になっています。YouTubeで自分のアカウントを作って動画を制作するのも13歳以上になっています。早くても中学1年生からです。
小学生に人気のオンラインゲーム『フォートナイト』『モンスターハンター』シリーズ は、15歳以上になっています。これらのことを保護者に伝えると、「え~知らなかったです!」と多くの方に驚かれます。 つまり、小学生のお子さんに適さないSNSやオンラインゲームを使用させてしまっている危険性があるのです。
【2】親としてスマホを子どもに渡すときに気をつけること
何を〝きっかけ(機会)″に、子どもにスマホを渡したらいいですか?
保護者がお子さんにスマホを渡すきっかけは、さまざまあります。例えば、次のような機会があげられます 。
・〇年生に進級したとき・中学生に進学したとき
・誕生日プレゼント・クリスマスプレゼント
・運動会など、何かをがんばったご褒美として
・塾などの習い事に、1人で通うようになるとき(お子さんの位置確認や親子間での連絡のため)
・夏休み、家に一人で留守番することが増えたとき(親子間での連絡のため)
・「クラスのみんなが持っている」と我が子が言ったので
もし小学生のお子さんにスマホを持たせるとしたら、おすすめのきっかけ(機会)は、‶何かをがんばったご褒美″です。大げさに言えば、スマホを‶努力の結晶″にするのです。

では、どんなことをがんばったら、スマホを渡すのがいいのでしょうか。正直、‶運動会″などの学校行事をがんばることをご褒美にするのはもったいないです(笑)。運動会は、スマホをわざわざご褒美にしなくてもがんばってくれると思うからです。でも、例えば‶英検2級合格″は、ハードルが高いです。「スマホが欲しい!!!」という子どもの意欲をもって、努力をしても合格できないかもしれません。
そこでおすすめなのが、‶がんばりシート″ です。以下、準備と使い方です。

‶がんばりシート″に‶がんばりシール″をコツコツ貼りためることは、お子さんのがんばり力(意欲、やり抜く力、忍耐力、努力、目標に向かって頑張る力)向上につながります。
スマホを渡すことを、お子さんの成長の機会に活用するのです。また、100マスのがんばりシートは、お子さんのがんばりを100回も褒める機会にもなります。お子さんが自分のがんばりを保護者から認め褒められることは、自尊感情・自己肯定感の向上につながります。
●お話を伺って
子どもがスマホを持つ年齢が年々低下していることは驚きです。スマホを与えるきっかけとして「がんばりシート」に挑戦すると「100回褒める機会になる」というのは、いいアイデアですね。自分から率先して褒められるようなことをやろうとするでしょうし、悪いことや約束を破ることでシールが剝がされてしまうので、自制する力を身につけることにもなりそうです。たくさん褒めた結果、スマホがプレゼントされれば、きっと大切にしてくれますし、親としても子どもの成長を感じる機会になると思いました(KAZ)。
次回は、松下先生にスマホを子どもが持つとどんなメリットとデメリットがあるか、デメリットを解消するためにどんなことをしたらいいのかというお悩みにお答えいただきます。
現役小学校教師が解説!子どもがスマホを持つメリット・デメリットと渡すときにしておきたい約束は?

お話を伺ったのは…松下 隼司(まつした じゅんじ)先生
1978年愛媛県松山市生まれで、大阪府の公立小学校教諭として現在も勤務。アンガーマネジメントの資格を持ち、2018年には全日本ダンス教育指導者指導技術コンクールで文部科学大臣賞を受賞するなど、多彩な才能を発揮。音声配信プラットフォーム「Voicy」パーソナリティとしても活躍中。著書に『ぼく、わたしのトリセツ』や『せんせいって』など。
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