【森のようちえん】伸びる力や年間カリキュラムとは?~バンビーノの森

自然の中で子どもの感性や個性をのびのびと育てたい! というママパパに今注目されているのが、大自然を教室にして過ごす「森のようちえん」という保育スタイルです。

この記事では、山梨県富士河口湖町の「認定こども園 Fujiこどもの家 バンビーノの森」の子どもたちの1年間の生活や森での過ごし方とともに、森のようちえんで身につく力を紹介します。

認定こども園 Fujiこどもの家 バンビーノの森

【森のようちえん特集記事一覧】
Part1 デンマーク発の幼児教育「森のようちえん」徹底ガイド 身につく力・保育料等
Part2「森のようちえん」森の中で過ごす1年のカリキュラムと伸びる力(この記事)
Part3「森のようちえん」の子どもを伸ばす外遊び・公園遊びの方法
Part4 園庭は海「海の保育園」が伸ばす子どもの力とは?

河口湖畔の森のようちえん「認定こども園Fujiこどもの家 バンビーノの森」のはじまり

森へ出かける森のようちえんの子ども。毎日新しい発見がある(提供 認定こども園 Fujiこどもの家 バンビーノの森)

森のようちえん「認定こども園 Fujiこどもの家 バンビーノの森」のはじまりは2007年です。
「子どもを通わせていた幼稚園が閉園になり、改めて『わが子に受けさせたい教育とは何だろう?』と考えたとき、この美しい自然の中で子どもの生きる力を伸ばしてくれる園に通わせたいと思いました。当時はそのような幼稚園が通える範囲になかったので、もう一人の副園長・朝比奈朋子と一緒に作ったのが『森のようちえん』を軸にしたバンビーノの森です」(副園長・横田聖美さん)

年長の子どもと年少の子どもは手をつなぎ、毎日森へと向かう(提供 認定こども園 Fujiこどもの家 バンビーノの森)

その後、2016年には地方裁量型認定こども園(※1)の認定を受け、現在は3歳から6歳までの子ども35人が毎日元気に森に通いながら幼稚園生活を送っています。

※1 認定こども園は、教育・保育を一体的に行う施設で、幼稚園と保育所の両方の良さを持つ施設です。幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型の4種類があり、基準を満たす施設が、都道府県等から認定を受けています。詳しくは内閣府の認定こども園のページをご確認ください。

「森のようちえん」の1年~春・夏・秋・冬のプログラム 森はホールで、フィールドで、教室!

春の行事/入園式、春の遠足、子どもの日など(提供 認定こども園 Fujiこどもの家 バンビーノの森)

毎日を森の中で過ごす森のようちえんの子どもにとって、森は教室であり、ホールであり、フィールドです。
「入園する子どもたちを迎える入園式は森の広場で行います。円形に並べた丸太のベンチに在園生が座って新入園の子どもと親を迎えます。最初は緊張気味の子どもも、年上の子どもたちと一緒に過ごすことで、すぐに森という環境に慣れていきます」(横田さん)

夏の行事/サマースクール、お泊り保育、親子登山など。写真はサマースクールの湖での水遊び(提供 認定こども園 Fujiこどもの家 バンビーノの森)

行事のほとんどは入園式と同様に森で行われることが多く、年長児のハイライト行事であるお泊り保育も、森の中での本格的なキャンプ形式です。

秋の行事/運動会、親子カヌー教室、紅葉狩り。写真は運動会での松ぼっくりの玉入れ(提供 認定こども園 Fujiこどもの家 バンビーノの森)

「たくさんの行事の中でも『森のようちえん』らしさが満載の行事の1つが運動会です。森の中で障害物競争のようなリレーを行ったり、木の実や葉っぱ、枝を使って誰が一番美味しそうな泥のケーキを作れるかを競ったり、松ぼっくりで玉入れをしたり、大人に丸太を切ってもらう競争をしたり、森でしかできない運動会を子どもたちと考えます」(横田さん)

冬の行事/味噌づくり、雪遊び、餅つき、クリスマス会(提供 認定こども園 Fujiこどもの家 バンビーノの森)

雨の日も風の日も毎日森に通う中で、春に入園した子どもも、冬には氷点下になる森でも楽しく過ごせるようになります。
保護者の方にレインウェアや、リュックのレインカバー、長靴などの用意を十分にしていただいているからではありますが、子どもの順応性と成長には目を見張ります」(横田さん)

次のページへ>森の幼稚園で伸びる「考える力」

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出版社、教材編集を経て2013年に「いこーよ」へ。小学生の女の子2人のママ。大学院、モンテッソーリ教育教師、華道、ダイビング資格有。ライフテーマは幼児教育から小学校、中学校、高校、大学、社会人へとどのように学びをつなげていくか。特に幼児教育から中学受験への連携に日々奮闘中。

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