予測が難しいAI時代だからこそ注目される「教育」をテーマにした「子どもの未来のための教育カンファレンス2024」が、2024年12月21日に開催され、多くの教育関係者や家族連れで賑わいました。本イベントでは、AIやCanva(キャンバ)をテーマにしたトークセッションやワークショップが行われ、参加者の関心を集めました。今回は、オープニングセッションでAIを使ってわずか50分間で1曲の歌と動画を作り上げた模様をお届けします。
『次世代の学びを創造する:生成AIとCanva、五感を育む教材が拓く教育の新時代』がコンセプト
AI(人工知能)が学校の勉強に大きな影響を与えています。「ChatGPT」というAIの登場で、先生たちは新しい教え方を試したり、未来に役立つ学び方を考えています。
「Canva(キャンバ)」というツールも学校で使われるようになり、教材作りや子どもたちの表現力アップに役立っています。一方、体験を通じて学ぶ「体験学習」の大切さも見直され、デジタルとアナログを組み合わせた新しい学び方が注目されています。また、一人ひとりに合った支援が必要とされ、発達障がいや不登校の子どもたちへのサポートも進んでいます。
「子どもの未来のための教育カンファレンス2024」は、子どもたちの個性を活かし、創造力や問題解決力を育てる未来の教育について話し合われる場として開催されました。
「子どもの未来のための教育」をテーマ曲をAIで作る!
オープニングセッションでは、AIを活用した音楽生成サービス「Suno(スノ) AI」やMicrosoftの「Copilot(コパイロット)」、さらにChatGPTや「Canva(キャンバ)」などを駆使して、参加者全員で「子どもの未来のために必要な教育」をテーマにした曲を50分で制作しました。セッションには、今回のカンファレンスを立ち上げたMIEE Talks共同代表の安藤昇先生と関口あさか先生が登壇し、会場を盛り上げました。

安藤先生(写真左)と関口先生(写真右)。このオープニングセッションには、Canva教育者コミュニティ代表二川佳祐先生も登壇する予定でしたが体調不良のため欠席となりました
まずは作詞です。参加者のみなさんに「これからの子どもたちの未来のために必要な教育とは何か、あなたの考えをお聞かせください」という設問のアンケートをとりました。その後、入力した内容が会場のスクリーンに一覧で表示されます。
次にChatGPT内にあるカスタムバージョン「SunoAI歌詞と曲の作成」を検索して開きます。カスタムバージョンとは、ChatGPT内で利用できる特定の目的に特化したアプリのような機能で、「SunoAI歌詞と曲の作成」はイメージを伝えるだけで曲を作成してくれるツールです。
安藤先生は音声入力で「下記の入力内容をもとになんか教育として未来を感じる感動する曲を書いて」と指示を入力。コンピューターに指示するときは厳密な言葉選びをするイメージがありますが、ChatGPTは「ゆるい」言葉でもきちんと認識してくれます。
ここに、曲の全体のイメージと、先ほどのアンケートの回答をまとめて入れます。すると、ほとんど間を置かずに歌詞が出てきました。
<歌詞の一部を抜粋>
タイトル:未来の種
失敗も挑戦も一つの道
新しい光が差し込む日
自分を知り、夢をみつけて
未来の地図を描き出そう
広がる空へ羽ばたこう
まだ見ぬ世界、扉を開けて
ひとつの種が未来をつくる
君の手で、夢を育てて
同じテーマではあるものの、さまざまな言葉を瞬時に歌詞にまとめあげるChatGPTの実力に驚かされます。しかし、安藤先生は、ここからさらに文章を「セルフリファイン」という手法でブラッシュアップします。「SunoAI歌詞と曲の作成」で「この曲の歌詞を60点として100点となるような感動する作詞をして」と指示をすると、以下のようになりました。
<歌詞の一部を抜粋>
小さな手の中、眠る未来の種
光を探し、土に触れながら
風に載せた君の願いは
遠い空へと届いていく
目を閉じて感じて、君の中の可能性
見えないけど確かにある、その輝き
一粒の種が広げる夢の森
どこまでも続く未来の道
AIによるセルフリファインで、歌詞がよりよくなりました。
さらに「Suno AI」に曲のタイトルと歌詞、曲の情報(テンポや曲調、使われる楽器、ボーカルの声の特徴など)を入れます。曲の情報も歌詞と同時に「SunoAI歌詞と曲の作成」が作ってくれます。「Suno AI」は日本語でも作成できますが、英語のほうが内容を理解してくれるので、ChatGPT上で英語とカンマ区切りで変換してもらいました。あとは「create」のボタンを押せば自動で曲を作ってくれます。
ここで「Suno AI」のヘビーユーザーで課金をしている安藤先生が「課金ユーザーしかできない、よい曲を作る方法」としてあげたのが「とにかく数をたくさん作ること」だそうで、createボタンを連打して一気にたくさんの曲を作っていきます。
「Suno AI」は高性能ではありますが、一発で聞いた人が気に入る曲ができることはなかなかありません。歌詞を読み上げるイントネーションや同じ曲調の指示でも、こちらのイメージ通りにならないことがあります。たくさんの曲を作って、自分好みの曲を見つけるのがコツなのだそう。
さらに「Suno AI」には気に入った声を保存しておいて、楽曲に使用できる「persona」という機能があり、安藤先生が作成した「静かで温かく、どこか哀愁を帯びた声」女性の声のpersonaを採用してみたところ、会場内でも好評。いくつかピックアップした候補のなか、多数決でこの声を使った曲が選ばれました。
CDジャケットの画像を「Copilot」と「Canva」で作成する
歌詞と曲が完成したところで、次はCDジャケットの画像を制作します。Microsoftの「Copilot」の無料版に、歌詞のデータを入れてプロンプト(設計図のようなもの)を出力。最初は「Canva」用にプロンプトを作る指示をしたものの、一部の文言に行動規範に関するエラーが出てしまったため、画像生成AI「Midjourney(ミッドジャーニー)」用のプロンプトを作ってもらい、それを「Canva」で実行します。
サイズを2400×2400に設定し「マジック生成」の画像タブにプロンプトを入れ「アニメ」を選択すると、歌詞の内容からイメージした4つの画像が出てきました。会場内の多数決で右下の画像が選ばれました。

さらに、このままだと少し寂しいので「編集」→「マジック加工」を選択肢、「背景を星空に」と指定して該当部分をクリックして「生成」を選ぶとキレイな星空に!
さらに「Canva」上で文字を載せてCDジャケットが完成!

その間に安藤先生が「Midjourney」で曲にあったイメージ画像を作成、「Canva」で歌詞に合わせてスライドが切り替わる動画にしていました。残り時間10分くらいのところから、ここまで作りあげるスピードに驚きです。

安藤先生のYouTubeでは、ショートバージョンが公開されています。
50分という短い時間のなかで、AIを駆使して歌詞と曲、CDジャケット、イメージ動画まで作るオープニングセッションは盛況のうちに終了しました。
取材を終えて
作詞や作曲、イラスト制作といったクリエイティブな作業は、通常1人で取り組むだけでも非常に難しいものです。しかし、それらをAIのChatGPTなどを活用することで、わずか50分という限られた時間の中で作品を完成させることができたのは驚きでした。別の取材で伺った話では、学校の授業でクラス全員で作詞した内容を「Suno AI」を使って楽曲にする取り組みを行った先生もいたとのことです。子どもたちが自分で考えたアイデアを形にする素晴らしい機会となり、創造性を育む良い時間になると感じました。AIを活用することで、楽しみながら創造性を伸ばせる可能性を実感しました(KAZ)
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