「おもちゃのプロ」であるおもちゃ会社「株式会社ハナヤマ」と、おもちゃ開発者の高橋晋平さん、「未来へいこーよ」スタッフが、それぞれ持ち寄ってきたおもちゃ&ゲームで一緒に遊びながら、子どもと大人が一緒に遊べてかつ学びにもなる商品を探す企画です。第2回のテーマは「知的好奇心や共感力が身につくおもちゃ&ゲーム」。
1問失敗で世界が半分滅ぶ⁉ 世界のゴミの分別を楽しく学べる「Poi」
KAZ(以下、K):はずるさん、Aさん、高橋晋平さん、前回に引き続き、よろしくお願いします。僕が持ってきた「知的好奇心や共感力が身につく遊べるゲーム」は「Poi」というゲームです!
知的好奇心や共感力が身につくゲーム その1「Poi(発売元:株式会社アークライト)」
対象年齢:6歳以上 遊べる人数:1~6人 プレイ時間:15分~
〇「知的好奇心や共感力が身につく」ポイント
・身近なゴミがどんな風に分別されているかを考える機会になる
・国によってゴミの捨て方や分別法が違うことを実例を通して学べる
・「そのゴミが何でできているか?」をよく観察するようになる
・ごみの定義についても考えるようになる
・お互いの意見をすりあわせてまとめる練習にもなる
〇子どもと遊ぶときに気をつけるポイント
・オリジナルルールとして、子どもが出題者になってヒントを出してもいい
・子どもが知らない、見たことがないゴミはスキップして違うカードを出すなど工夫するとよい
高橋晋平さん(以下、高):前回遊んだ「ito」にパッケージが似ていますね。
K:ふふふ、鋭い! 「ito」と同じ326さんがゲームデザインを担当した新作です(2022/1/27発売)。これは「ゴミの分別」がテーマで、都市カードに描かれたゴミをどの分別で出すか、みんなで相談して当てるゲームです。
はずるさん(以下、は):みんなで考えていいなら簡単そうですね。
K:僕も最初、そう思ったんですけど、同じごみでも捨てる国が違うと方法が違うというのがポイントで。このゲームでは日本(新宿区)や中国(北京)、アメリカ(ニューヨーク)、ドイツ(ベルリン)の4つの都市のうち、ランダムで選んで行います。10枚分別できればクリア。2回失敗するとゲームオーバーです。早速やってみましょう!
※ゲームの大まかな説明は公式サイトの動画でも紹介されています。
ハナヤマ社員・Aさん(以下、A):都市はベルリンになりました!
は:日本にある燃えるごみがなくて、家庭ごみがあります。こうしてみると都市によって分別方法が違うんですね。
K:そうなんです。同じごみでも都市ごとの違いを見比べてみるのもおもしろいんです。最初のごみカードは「花火」です。
高:この7つの分別法から正解を当てるんですね。花火だと家庭ごみがあやしい…?
は:消去法でいくと、ガラスやリサイクル、紙/ダンボール、粗大ごみではないですよね。
高:というと有害ごみ、生ごみ、家庭ごみのどれかで言ったら有害ごみじゃないですか? いや待てよ。「家庭ごみ」の定義ってなんだろう?
K:ベルリンに住んだことがある人がいないので、そこは想像するしかないですね。じつはごみカードの最初の1枚は、判断基準が見えにくいので当てるのが難しいんですよ。10枚成功しないとなので、テンポよく決めたいです

今回も株式会社ハナヤマの商品がたくさん展示されているショールームで実施。初回から議論が白熱します。
は:花火は使い終わったあとに水につけるので、意外に生ごみとか?
K:例えば「使わないで捨てる」という可能性もあって、それだと有害ごみですよね。
は:そうか…有害かな?
A:私も有害だと思います。
高:有害ごみが多いですね。
K:じゃあ、ベルリンでは花火は有害ごみで捨て…まーーす!(カードをめくる)
一同:家庭ごみーーー!
K:はい。間違えてしまったので地球が半分なくなりました。
高:たった1回のミスで地球が半分…なんてこった…。
K:ゲームのストーリーでは、僕たちは未来人によってランダムに選ばれた地球人代表なんです。このあとに出す問題を間違えたら人類を滅ぼすと言われていて、間違えられるのは1回だけです。2回目を間違えたら終了です。
A:責任重大ですね…。
次の蛍光灯は「有害ごみ」、割れたガラスは「ガラスごみ」、タバコの吸殻は「家庭ごみ」と連続正解! しかし次の圧力鍋は粗大ごみと予想するもリサイクルで失敗…。
K:残念…3枚クリアでゲームオーバーです。10枚の壁は厚かった…。
は:何枚か回答を見ると正解率が上がってきますね。
K:そうなんです。例えばベルリンで圧力鍋がリサイクルなのは「大部分が金属なので、金属で処理し、再利用する。建材にもなる」という理由です。いくつかやると都市ごとに分別の基準がわかるので、次のゴミも予測しやすくなります。いわゆる傾向と対策が自然と練られるようになるのがおもしろいです。当たると本当に気持ちいい。ゴミだけに正しい分別方法で捨てられるとスッキリします(笑)。
高:大人がやっても最初のうちは失敗しやすいので、子どもと遊ぶときは独自ルールで易しくしてもいいですね。
K:今回は全員が回答者になりましたが、本来のルールでは1人が出題者になって、その人は答えが見られます。本来はヒントNGですが、出題者がヒントを出してOKにして出し方を工夫すると難易度を下げられそうです。あとは何回間違えてもいいので、10問正解するまでやってみると、各都市の傾向が見えてきて予想が楽しめると思いました。
試験管の使い方がカギを握る! 1人で遊べて対戦もできるゲーム
は:続いてのゲームはハナヤマから出させていただきます。知的好奇心や共感力が身につくおもちゃ&ゲームとして、今回用意したのは「ロジカルニュートン 野口英世の研究」です。
K:おお! 「未来へいこーよ」でも紹介した試行錯誤や論理的思考力が身につく「ロジカルニュートン」シリーズの新作ですね!
知的好奇心や共感力が身につくゲーム その1「ロジカルニュートン 野口英世の研究(発売元:ハナヤマ)」
対象年齢:6歳以上 遊べる人数:1~2人 プレイ時間:15分~
〇「知的好奇心や共感力が身につく」ポイント
・球の色を分ける問題や、球の数字を足して指定の数を作る問題など、いろいろな考え方が身につき、多様な物の見方や考え方につながる
・長さの異なる試験管を使うことで発想を転換する力が身につく
・対戦では相手を妨害しつつ一手先を読む力が必要になる
・試験管を使う実験や野口英世自身にも興味を持つきっかけになる
〇子どもと遊ぶときに気をつけるポイント
・1人用の問題で練習しておくとよい
・対戦時は「試験管の移し替えは子どものみOK」などハンデ設定をする
「ロジカルニュートン 野口英世の研究」を購入する(ハナヤマ)
は:そうです。「ロジカルニュートン」は1人用のものが多いのですが、これは対戦がかなり奥深いので、みなさんにやってみていただきたいです。このゲームは、長さの違う複数の試験管を使って中に入っている球をなるべく少ない回数で移動させながら、問題カードに書かれている並び方にするゲームです。
1人用は問題カードに描かれた試験管と球を用意して、問題の条件にしたがって球を移動して正解をつくります。「ハノイの塔」という名作パズルがベースになっていて、あちらはサイズの違う円盤を移動させますが「野口英世の研究」では色と数字のついた球を使うことで、より多様な考え方が必要になっています。
高:なるほど、試験管の長さがS・M・Lと違っているのがポイントになりそう。例えば球が4つ入っているLサイズの試験管をMやSに入れると全部は出せないということですね?
は:そうです。動画もあるので、そちらを見ていただくとイメージしやすいかと思います。
K:それじゃ、実際に二人で対戦してみましょう。対戦するときはどういうルールなのですか?
は:まずはKAZさんと高橋さんでやってみてください。対戦では球は1人2色の玉を各4個(全部で8個)持ちます。1回のターンで「球を入れる」か「試験管の球を別の試験管に移動させる」のどちらかができます。試験管自体の場所を変えることはできません。「上から見たときに縦横ナナメのどれかで3つ並べば勝ち」です。
K:3目並べるには真ん中を取っているのが有利だけど、Lなので4つ入る。2つしか入らないSが角に配置されているので、初手をどうするかも結構悩みどころですね。まずはあまり考えずに真ん中に置いてみます(ぽとん)。
高:なるほど、そうきましたか…(ぽとん)。

赤と緑の球が高橋さん、青と黄色の球がKAZ。お互いに中央と角を奪いあってけん制していく
K:相手のリーチを防ぎつつ、自分も有利になるようにするのが難しい…(ぽとん)
高:そうですね…はい、これで僕の勝ちです!
K:ああっ、つい自分の勝つ方法ばかり目が行っていて、晋平さんの狙いに気づいてなかった…。
は:次は弊社のAと高橋さんで対戦してみてはいかがでしょう?
A:私やったことがないですけど…がんばります!
高:よろしくお願いします。

赤と青の球が高橋さん、緑と黄色の球がAさん。互いに3個ずつ入れたところでこの形に。
は:今度は角を取り合わない展開ですね。
A:黄色を2つ使ってしまったので、緑を角に置いてみます(ぽとん)。
高:あっ……! もうこれ、僕が勝ちましたね。
A:ええぇーっ!
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