子どもの成長や子育てに役立つ本を厳選して紹介します。今回は「くもんのSTEMナビ サイエンス(作:ジョセフ・ミッドサン、絵:サミュエル・ヒーティー、訳:羽村太雅、宮本千尋(柏の葉サイエンスエデュケーションラボ))」です。
アメリカで刊行された物理コミックの日本語訳が登場!
アメリカで刊行している、科学や技術、工学、数学などの仕組みをイラストでわかりやすく紹介した「Building Blocks of Science」シリーズ。そのなかでも「光」や「重力」「磁力」など、小学校高学年から中学生の授業に登場する11個の概念をピックアップした日本語版が「くもんのSTEMナビ サイエンス」として登場! 12/3(木)に5タイトルが発売になりました。
日本語版には、翻訳を担当した柏の葉サイエンスエデュケーションラボの羽村太雅さんや、理学博士の宮本千尋さんなどによる科学コラムも追加収録されています。今回は発売になったばかりの5つの本の見どころを紹介しましょう。
エナジが紹介 エネルギーの仲間たち
身のまわりに潜むエネルギーのナビゲーター「エナジ」が登場し、さまざまなエネルギーについて解説してくれます。エネルギーはものを動かしたり働かせたりできます。自分の力で押したり引いたりすると始まる運動もエネルギーの一種ですし、光や熱、音などもエネルギーです。「くもんのSTEMナビ サイエンス」シリーズでは、目で見えるものとは限らず、言葉だけでは説明が難しい概念を、イラストを使ってわかりやすくしているのが特徴です。
エネルギーは、ためて使うことができます。その具体的な例としてバネや電池など、身の回りにあるものを紹介。さらにエネルギーは姿を変えることや、現代のエネルギーの使われ方、石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料などの話につながっていきます。
そしてエネルギーを賢く使う方法や、風力発電や水力発電、太陽光発電、バイオ燃料、地熱エネルギーなど再生可能なエネルギー源が続々と生まれてきたことも語られていきます。自分の身の回りのことから始まって、最後は地球規模でエネルギーのことを考えられる構成です。
ヒカリンと見る 光の世界
白くて丸い「ヒカリン」がガイドするのは「光」の世界。「光」は何かにぶつかるまではまっすぐに進んで、ぶつかったら跳ね返って、それが目に入って「見える」ようになります。つまり、光が照らしてくれるおかげで世界が見えるわけですね。
また、エナジのところで登場したように「光」は「エネルギー」の一種。草木や海のいろんな生き物たちは栄養や酸素をつくるのに太陽からきた光のエネルギーを使っています。息をするのに必要な酸素も光合成で作られているので「光がないと生き物は生きていられない」ということも語られています。
「色」はどうして見えるのか、考えたことがない人も多いのでは? 本書では一つひとつの事象が段階を追いながら発展的に考えられるようになっています。ほかにも人間の目やメガネの構造の解説や、紫外線や赤外線、電波、X線などの電磁波を「見えない光」として紹介。普段何気なく見ているものの「不思議」に気づける一冊です。