文房具のさまざまな魅力を知っている「文房具プレゼンター」のふじいなおみさんに、子どもと一緒に楽しく使えて、子どもの成長に役立つ文房具を紹介していただく企画です。今回は、簡単に円が描ける「スーパーコンパス くるんパス(株式会社ソニック)」をご紹介します。(株式会社ソニックから商品提供いただきました)
「くるんパス」は進化したコンパス
ふじいなおみさん(以下、ふじい):今回ご紹介したいのは「スーパーコンパス くるんパス」です。このコンパス、誰でも使いやすいように様々な工夫がされているもので、鉛筆タイプの「くるんパス」とその進化系でシャープタイプの「くるんパス デル・クル」の2タイプをご紹介します。

スーパーコンパス くるんパス 鉛筆用 シリコンカバータイプ(品番 SK-7119)

スーパーコンパス くるんパス デル・クル シャープ用(品番 SK-6526)
未来:確かにコンパスって、慣れるまでは中々うまく使えず、綺麗にかけなかった記憶があります。
ふじい:そうですよね。軸を開くときに角度が開きすぎちゃったり、鉛筆の部分の調整が難しくて、線がひきずられてしまったり。そのイメージがあったので、くるんパスを使ってみてびっくりしたんです。昔に比べてすごく進化しているなって。
未来:進化したコンパス!おもしろいですね。
ふじい:使いやすくなる機能がついていることで、コンパスが苦手な子も簡単に扱えるようになり、授業から置いていかれる子が減るんじゃないかなと思うんです。
安全に配慮されたコンパス
ふじい:コンパスは「針が怖い」と思うお子さんもいると思います。くるんパスは、怪我をしないように、安全面にとても配慮されているんです。鉛筆用もシャープ用も、針の先をカバーすることができます。

鉛筆用タイプ。使用しないときはくるんキャップを上に引っ張って外し、針の先をカバーできる

シャープ用タイプ。使用しないときは針の先をカバーできる
ふじい:収納するときは付属のシリコンケースにしまえば、針が勝手に動いて開いたりすることもありません。

収納時。収納するときは必ず針をカバーした状態でシリコンケースにしまうように注意する。
ふじい:昔のコンパスではこういった工夫はあまりなかったんじゃないかなと思います。
未来:そうですね。針につける小さいビニールカバーはあった気がするんですが、細かいのですぐになくしてしまうんですよね。それで、そのまま筆箱に入れていたら、うっかり針を触って怪我しちゃったりとか…。その心配がないのは、とてもいいですね!
鉛筆用とシャープ用が展開
ふじい:各メーカー、いずれもコンパスは進化していて、筆記部分は鉛筆やシャープになっています。鉛筆用のコンパスは芯を削らなければいけないとき、鉛筆部分を簡単に交換できるので便利です。シャープ用は、0.5mmと芯が細いのでなめらかに綺麗な線が描けます。また、シャープ用の中には自動繰り出しといって、使った分だけ芯が自動的に出てくる機能がついた商品もあります。
未来:すごい進化ですね!
ふじい:使うときは、針と筆記する部分の開き方が均等になるようになっています。
未来:なるほど。どちらか片方だけ動かしても、両方動くようになっているんですね。
ふじい:左右対称に開いてくれるので、かいているうちに角度がだんだんと開いてしまうといったことも防いでくれます。
未来:それはかくときの難易度も下がりそうですね。
指をひねらなくてもキレイな円が描ける
ふじい:コンパスを使う授業は一般的には小学校3年生から始まります。小2の娘にくるんパスを使わせてみたんですが、初めてなので、やっぱり最初はできないんですね。かけるようになるまで練習が必要ということは昔と変わらないんです。でも、「安全になっている」「使いやすくなっている」という部分ではすごく進化していますよ。
未来:まずデル・クル シャープ用を使ってみたいと思います!
ふじい:シャープ用は、針を開くとつまみの部分(デル・クルヘッド)が自動で伸びるようになっています。円の大きさによって自動で可動域が変化するので、小さい円も大きい円もかきやすくなっているんです。針をさして、つまんでくるんと回すだけなので、ちょっと練習すればすぐにできるようになると思います。初めてのコンパスとしてもおすすめです。
未来:コツをつかめば、スムーズに描けますね。シャープのコンパスは初めて使ったんですが、かき心地がすごくなめらかな感じがします!
未来:鉛筆用もやってみます。最初は握ってまわすのですか?
ふじい:はい。まずはくるんキャップをつけたまま握ってかいてみてください。「握ってかく」ことは、指が小さい幼児や低学年のお子さんでも挑戦しやすいのではないかなと思います。
未来:小さい頃からコンパスがどのようなものなのかがなんとなく分かり、最初のステップとしていいですね。
ふじい:握って使うときは手首を動かさずに、ごまを擦るようなイメージでやるといいですよ。
未来:手首を使わないんですね! 従来のコンパスの感覚でやると、最初は難しい…。でもコツをつかむと、回すだけで自然に円がかける感じがします。面白い!
ふじい:慣れたら、くるんキャップを指先でつまんでかいてみてください。大人はそちらの方がやりやすいかもしれません。くるんキャップが回り自然に傾くことでコンパスも動くので、指をひねらなくても円がかけるようになっています。
未来:力の調整がいらないので、慣れると簡単にかけますね。従来のコンパスがいかに手先の器用さが必要か実感します。
ふじい:最終的に、くるんキャップを上に引っ張って外すと、自分で円をかくことにも挑戦できます。
未来:従来のコンパスの形になるんですね。
ふじい:子どもが、段階を踏んでコンパスを使えるようにサポートされているので、私は、小学校の時には「スーパーコンパス くるんパス 鉛筆用」を使ってほしいと思っています。最終的には「自分で回してかく」ということにたどり着けるからです。
コンパスの苦手意識が減ることで、問題に集中できる
ふじい:ソニックさんは、昔からコンパスを製造されています。私が子どもの頃に持っていたコンパスも、ソニックさんのものでした。製造の歴史があるからこそ、「どうしたらもっと使いやすくなるか」がすごく考えられていると思います。
未来:コンパスって授業でもしばらく使うし、苦手意識があると、図形の授業そのものが嫌になってしまう気がします。
ふじい:ソニックさんがおっしゃっていた印象的な言葉があります。
「本来の目的は図形問題を学ぶことです。コンパスはそこに到達するまでの補助具。問題を理解する前に図形をかくことが嫌になって脱落してしまわないように、少しでも使いやすい機能をつけたコンパスを提供したいと思っています。」
未来:素敵ですね。確かに、手が器用じゃないがために、「図形問題」「算数」が苦手になるということはすごくもったいないです。「図形をかく」ことと、「算数の問題を解く」ということは全く違う課題。「図形をかく」ことをクリアにしておけば、子どもも問題を解くことに集中できます。もっと上手に図形をかきたくなったら、それはそれで段階を踏んで取り組んでいけばいいですしね。
ふじい:算数のくくりでいうと「筆算」も同じことが言えると思います。きれいに整理し上手に線が引けなかったり、位が揃っていなかったりすると、どこを計算するか曖昧になって問題を解くのも難しくなってしまいます。そういった視点からも、ソニックさんはきれいに線をひける定規なども発売しています。裏にすべり止めがついていて、抑える力が弱いお子さんでも、線がずれないような工夫がされているんです。子どもたちの成長がすごく考えられています。
ふじいさんのお話を伺って
「くるんパス」を製造されているソニックさんをはじめ、教材に携わるメーカーさんは、子どもたちがよりよい学びができるよう想いを込めて商品を製造されているのだなと、改めて考えさせられました。授業で使う道具が進化することで、手先が器用じゃない子も苦手意識を克服できます。その過程で、本来の算数の面白さや楽しさに気づくお子さんが、どんどん増えていってほしいなと感じます。(osa)
お話を伺ったのは…ふじいなおみさん 。文房具のさまざまな特長・長所をより多くの方々に広める(プレゼンをする)「文房具プレゼンター」として活躍。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」をはじめ、ステイショナー「文具のとびら」、 小学館「HugKum」などのweb連載、動画「イロブンの引き出し開けていこう」など、さまざまなメディアで発信を行っている。万年筆のインクにも造詣が深い。
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