【冬の田んぼ】地元小学生とソーシャルファームが共に育てる自然栽培米イセヒカリ/季節の手仕事番外編

春の田植えから秋の収穫まで約6カ月、大切に育てられる日本のお米。そんなお米が育っていく過程を、未来へいこーよで「季節の手仕事」を連載しているユッキーさんと、2カ月に一度紹介します。

冬の田んぼ/春を待つ自然栽培米の田んぼ

11月末にユッキーさんと訪ねたのは、埼玉県熊谷市にある自然栽培の田んぼ。新井利昌さんが代表を務める埼玉福興グループのクラリスファームが、地元小学校と一緒にイセヒカリを育てた田んぼです。

「イセヒカリは、伊勢神宮に奉納されるお米(の品種)なんです」(新井さん)

「もともと伊勢神宮に奉納するお米を作る神田ではコシヒカリを作っていましたが、1989年に台風におそわれ壊滅状態になりました。そんな田んぼの中で奇跡的に生き残った2株の稲から作られたのが災害に強いイセヒカリです」

「上の写真は刈り取り後のイセヒカリの株。田植えは苗を1本ずつ手植えをしたのですが、いくつも分けつして太い株になったのが分かります。刈り取った後は、ひこばえといって株の根本から新しい芽が出ている様子がわかります」

※分げつとは、イネ科作物の枝分かれのこと。最初から数えて4枚目の葉(4葉)がでると同時に、1葉のつけ根の節から枝分かれして、最初の分げつがでます。(農林水産省の「消費者の部屋」から引用・参照)https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1309/01.html#:~:text=%E3%82%A4%E3%83%8D%E7%A7%91%E4%BD%9C%E7%89%A9%E3%81%AE%E6%9E%9D%E5%88%86%E3%81%8B%E3%82%8C,%E5%88%86%E3%81%92%E3%81%A4%E3%81%8C%E3%81%A7%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

「埼玉復興グループは、農福連携といって農業と福祉を融合しています。知的障がい者や引きこもり、少年院、刑務所を出た人たちなどの一般の会社で働くことが難しい人々を、積極的に雇い入れている社会的企業『ソーシャルファーム』。高齢化が進み、働き手の少ない農業分野には、貴重な労働力となっています」

「この田んぼの田植えや収穫などは地元小学校と一緒に行い、自然栽培米で最も手間がかかる除草など、日々の管理はクラリスファームのスタッフが手作業で行っています」

「学校のすぐそばにある田んぼなので、通学する小学生が日々田んぼの様子を目にし、自分たちが田植えをした稲がどのように成長していくか自然と知ることができます」

エディブル・スクールヤードの取り組みで地元小学生とともにつくる田んぼ

「一緒に田んぼの作業を行っている小学校は、『エディブル・スクールヤード』の取り組みでメディアでも取り上げられている注目の学校。この田んぼ以外にも校庭には菜園もあります」

「『エディブル・スクールヤード』はアメリカで始まった取り組みで、『エディブル=食べられる』、『スクールヤード=校庭』。校庭の中の菜園で、生徒や地域の人が野菜を育て、収穫し、調理して食べるという流れをとおして、生き方や知性、情緒面など生きた学びを、学校の現場で行う取り組みです」

耕作放棄地の解消や農業を支える農業で地域に貢献

「埼玉復興グループでは、地元の耕作放棄地を解消して地域の田んぼや畑を守る取り組みを行っています。この田んぼの一部も耕作放棄地でした」

「ネギの産地なので、ネギを毎年作り続けることで病気が発生しやすくなる連作障害を起こすことがあります。また、農業従事者の高齢化が進むことで、耕作放棄される田畑が増えています」

「クラリスファームでは、ネギの産地を支えるための苗づくりも、大規模に行っています。埼玉、群馬の農業法人さん、個人の農家さんに出荷しています。我々は福祉なので、地域の農業を支える農業をやらなければならないと思い、はじめました」

「障害を持つメンバーが主体的に農業などの作業に関わる取り組みを積極的に行う『障碍者が生産工程に携わった食品』の認証も受けています」

新井さんのお話をおうかがいしていると、農業を切り口に地域の農業・雇用など多岐にわたる課題を、地域で解決していこうとする底力が感じられます。

今回お話を伺った「埼玉福興グループ」の新井利昌さんが元気に農作業をこなすチカラの源の農家飯は「まるごと妻沼!大地のお味噌汁と玄米ご飯のおにぎり」ごはん。

こちらのレシピを「まるごと妻沼!大地のお味噌汁と玄米ご飯のおにぎり」のページでご紹介しています。 イセヒカリのおにぎりはのうカフェ監修です。こちらもぜひチェックしてくださいね!

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出版社、教材編集を経て2013年に「いこーよ」へ。小学生の女の子2人のママ。大学院、モンテッソーリ教育教師、華道、ダイビング資格有。ライフテーマは幼児教育から小学校、中学校、高校、大学、社会人へとどのように学びをつなげていくか。特に幼児教育から中学受験への連携に日々奮闘中。

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