家のドアを出た瞬間から、公園遊びは始まっている
駒崎さんは「子どもは、家のドアを開けた瞬間から外遊びは始まっている」と話してくださいました。
「『移動してくる』という感覚は、じつは大人だけのもの。公園についてからが『公園遊び』というわけではないんですよ。一歩家のドアを出たら、おうちとは違う世界が広がっている。公園へ来る『道中』も立派な遊びなんです。だから『風が気持ちいいね』『暑いね』などと、声をかけながら、公園までの道を歩くことも一緒に楽しんでほしいと思います。」
ベンチに座って、ただ外の空気を感じる
抱っこの赤ちゃんを連れて公園に来ても「何もできない」と感じてしまうこともあるかもしれません。
「赤ちゃんをベビーカーから降ろして、抱っこして公園のベンチに座る。大人もリラックスしてね。それだけでも十分なんです。ただ風を感じるとか、遊んでいるお兄さんお姉さんの様子を見るとか。大人にとっては何気ない景色と思っても、赤ちゃんにとっては見るものがいっぱいある。
近くに電車が通る公園であれば電車が通るだけでも楽しいし、見上げた木の葉っぱの揺れも不思議に感じるかもしれない。赤ちゃんだから『何もわからない』ということはなくて、家の中とは違う音や匂いなどを全身で感じとっているんです(駒崎さん)。」
立つことができるようになったら、ベンチにつかまり立ちするだけでもいいと言います。ベンチにお気に入りのおもちゃや葉っぱ、石を置いて並べてみたり。それだけでも、赤ちゃんは公園という外の世界をたっぷり楽しんでいます。
遊具の「決まった使い方」じゃなくていい
公園の遊具には対象年齢がありますが、「安全に気をつければ、赤ちゃんも遊具で遊べる」とお話してくださいました。取材中に見せてくれたのは、駒崎さんの息子さんがヨチヨチ歩きの頃の動画でした。揺れるブランコの鎖をつかんで、間から顔を出し「いないいないばあ」をしている姿です。
「大人だとブランコは『座って乗るもの』と思ってしまうけど、赤ちゃんにとっては、ブランコが揺れる動きさえも不思議です。ブランコの上に砂や葉っぱを乗せて揺らして落としてみたり、ブランコをくるくる回して戻っていくのを見たり。無理に乗らなくても、赤ちゃんは興味津々なんですよね」
すべり台も滑るだけではありません。「銀色のすべり台なら、光が反射してキラキラしている。叩いてみたら音も出る。ハイハイで登ってみれば、全身の筋肉を使う運動にもなる。すべり台の下に入れば隠れ家みたいに違った雰囲気も味わえます。
『乗るもの』『滑るもの』という大人の思い込みを外すと、『楽しませなきゃ』というハードルもぐっと下がります。そうしたら、付き添う大人もラクな気持ちで楽しめると思いますよ(駒崎さん)。」
「なんだろうね」と一緒に感じる余白を持つ
赤ちゃんは、毎日たくさんのことを吸収しています。
「まだいろんなことが知識としてつながっていないだけで、赤ちゃんは毎日たくさんのことを感じ取ってどんどん学んでいっています。『わからないから』ということは1つもない。
だから、見つけたものや、感じたことを言葉にして大人がたくさん話しかけてあげてほしいです。『雲が流れてるね』のように、見たものそのままでいい。それが子どもの中に残っていくと思うから。
公園に出かけるときも何も言わずベビーカーに乗せるより、『お出かけするよ』『公園行こうね』などと、ぜひ言葉で伝えてあげてください。大きくなってくると、それがだんだんどういうことかわかってきて、靴を自分で取りに行く子もいます。それぐらい、赤ちゃんってかしこいんですよ(駒崎さん)。」
【いこーよ好き育メソッドからのワンポイントまとめ】
お話を聞きながら、我が子が赤ちゃんだったころ、公園のベンチでボーっと過ごした時間を思い出しました。木の葉っぱがそよぐ音、風の心地よさ。特に何をするわけでもなかったけれど、手遊びをしたり、抱っこのぬくもりを感じたり。子どもが小学生になった今でも、ふと思い出します。
もちろん、赤ちゃんだった子どもの記憶には残っていません。でも、あの日感じた風や音や声が、子どもの感性のどこかを彩ってくれているのかも。駒崎さんの話を聞いて、そんなことを思いました。
「何かしなきゃ」と力まなくても、近所の公園にふらっと行くだけで、親子にとって十分に有意義な時間になるのだと、心から思います。
年齢ステージ別「公園でワクワクする体験を!」シリーズ
- 全年齢編
- 赤ちゃん(0歳)・1歳・2歳編(この記事)
- 未就学児(3歳・4歳・5歳)編
- 小学校低学年(6歳・7歳・8歳)編
- 小学校高学年(10歳・11歳・12歳)編
お話を伺ったのは…特定非営利活動法人 そとぼーよ 駒崎圭子さん、本道良子さん
2018年9月に設立された特定非営利活動法人 そとぼーよ。「子どものやってみたい!という気持ちや外遊びを応援する」をモットーに、品川区内のこども冒険ひろばや屋外型親子ひろばの運営、公園への「あそびの出前」など、子どもたちが自然の中でのびのびと遊べる環境づくりを続けている。
https://sotobo-yo.org/
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