「この冬、子どもたちと初めてのスキー&スノボを楽しもうとしているけど、どうやって始めれば?」「スクールに通わせたいけど、どこが良いの?」と悩んでいる人も多いようです。
そこで子どもたちにスキー&スノボを教える経験豊富なパンダルマンキッズスクールの統括校長である屋田翔太さんに、安全な始め方やスクールの選び方などを教えてもらいました。
スキーやスノボは、何歳くらいから安全に楽しめる?
スキーは3歳〜、スノボは5歳〜が安全
「スキーは板の上に立ったらそのまま前向きに滑りますから、小さな子どもでも比較的慣れやすく、3歳くらいから楽しめると思います。
対して、スノボは横向きに板に乗り、横向きに滑ります。これは日常の動きにはないものなので、スキーよりも慣れにくく、少し大きくなってからの方が安全に楽しめると思います。
年齢的には5歳くらいからが良いかもしれません。ただ子どもの運動能力は個人差が大きいので、運動神経の良いお子さんなら3歳くらいからでも滑れるでしょう。保護者の方たちが子どもの普段の行動や性格を見極めて、適切なタイミングで始めせてあげてくださいね」
やっぱり最初はスクールに入ったほうがいいの?
子どもたちと一緒にスキーやスノボを楽しみたいと思っても、自分で滑るのが精一杯で教えられるか自信がない……という保護者が多いそうです。では子どもたちにとっては、どのようにスキーやスノボを始めるのが良いのでしょうか。
子どもの甘えや危険を避けるためにもスクールへ
「教える技術に自信があっても、最初は親が子どもに直接教えるよりも、スクールで教えてもらう方が良いでしょう。理由としては、たくさんの子どもたちに教えてきたプロに教わったほうが技術の上達が早いということもありますが、親が教えると子どもたちに甘えが出てしまって、きちんとルールを守れなかったり、そのせいでケガをしてしまったりすることがあるためです。スキーもスノボも、最初は板に乗るだけでバランスを崩しやすいので、数回目くらいまでは現地に着いたらまず子どもたちをスクールに入れて、慣れてから家族で一緒に滑る方が安心だと思います」
なるほど、危険回避の意味でも、まずはスクールを利用するのが良いかもしれません。
近年ではスキー場でキッズのためのスキーやスノボ教室を開講しているところが増えているそうですが、予約制のことも多いので、事前に電話で開催日時や対象年齢、板は持ち込みかレンタルかなどを確かめておくのが良さそうです。
キッズ向けスクール選びのチェックポイント
ポイント1)ゲレンデ区画、参加者・講師の数、サポート体制の確認
「キッズ用のスクールはゲレンデの一角を使っていることが多いので、一般の人たちが使うゲレンデからきちんと区切られているか確かめておくと安心です。一度に受講する生徒の人数と講師の数なども聞いておいた方が良いでしょう。
スクールは2時間から長ければ4時間以上のこともあり、子どもたちは必ず途中でトイレに行きたがるので(笑)、連れて行ってくれるアシスタントがいるかどうかも確かめたいところ。
また子どもの状態によっては、授乳できる場所・親子で一緒に個室に入れるトイレ・託児所などの有無も調べておきましょう」
ちなみに子どもがスクールに参加している間、家族はまるで学芸会を見学しているかのように、ゲレンデの外からビデオ撮影していることが多いのだそうですよ。
ポイント2)我が子が楽しめるプログラムになっているかの確認
そしてここも大切。スキーやスノボを競技として覚えさせてあげたいのか、単に娯楽として楽しめるようにしてあげたいのか、目的を明確にして希望にあった内容のスクールに入れてあげること。
「本人が望んでいないのに厳しいスクールに入れて学ぶことを強制すると、スキー&スノボ自体を嫌いになってしまいます。家族旅行の中にスキーを組み込んでいるケースが多いと思いますから、スクールで学ぶ時間も楽しんで、良い思い出にしてほしいですね」
全身の筋力や体幹、バランス感覚も磨かれる
スキーもスノボも、地上で走ったり飛び跳ねたりするスポーツとは違った特徴があると言います。
「どちらも崩れやすい雪の上で板を着けて移動するので、全身の筋力増進につながります。また不安定な雪の上にいるため、常にバランス感覚が磨かれ、体幹も鍛えられます。慣れてきてコースで滑れるようになれば、認知・判断力も養われます。そして家族や仲間と楽しい時間を健康的に過ごすことができます。冬ならではの娯楽として、老若男女を問わずお勧めのスポーツですよ!」
事故の原因は意外な「親心」の落とし穴
自分の子どもに対する過大評価が事故を招く
「偶然うまく滑れた瞬間を見て『うちの子は滑るのが上手!』と思い込んでしまうと、パラレル(両足を揃えて滑る)もできないのに大人と一緒に難しいコースに出てしまったりして、子どもを危険にさらすことになります。無理をすると、スピードが出過ぎてコースアウトしてしまったり、コースの途中で動けなくなってしまうだけでなく、ほかの利用者の進路を妨害して衝突されたりして大変危険です」
上手に滑れたわが子を頼もしく、うれしく思うのが親心ですが、いつも見守っている親だからこそ、子どものことを冷静に評価してあげることが安全に楽しむことにつながるようです。
慣れてきたと思って油断して子どもから目を離す
スキー場のコースは初級者向けから中級者・上級者向けなどあり、特徴もゲレンデによって様々なので、必ず子どものテクニックに合わせて選んであげること。また、慣れても決して目を離さないということが大切です。
「慣れたからといって絶対に子どもから目を離さないこと。大人には子どもの安全を確保する義務があることを忘れないであげてくださいね」
白銀の世界を親子で颯爽と滑れたら、とっても素敵ですよね。この冬、家族で安全にスキー&スノボデビューしてみませんか?
お話を聞いたのは…
屋田 翔太さん
特許取得の安全な指導法によるスキー・スノボのキッズスクール、「苗場パンダルマンキッズスクール」(新潟)・「軽井沢パンダルマンキッズスクール」(長野)の統括校長を務める。同スクールではスキー・スノボともにオリジナルの板を使い、独立ゲレンデを使用して3歳から楽しく安全に学ぶことができる。
「苗場パンダルマンキッズスクール」(新潟)・「軽井沢パンダルマンキッズスクール」(長野)
ライター紹介
増田 美栄子
1975年生まれ、群馬出身。京都の大学を卒業後、マンガ家を目指すもかなわず帰郷、出版社に拾われて編集の道へ。某新聞社の旅冊子や月刊生活情報誌の編集責任者などを経て、30代後半で突如上京し編集プロダクションのディレクターに転身。結婚を機に千葉に転居、2012年フリーランスの編集者・ライター・ディレクターに。休日は夫とバイクツーリングやキャンプを楽しんでいる。人生楽しんだモノ勝ち!が信条。
※こちらは2014年12月にいこーよで公開された記事の再掲です。
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