知的好奇心を育む図鑑は、親として子供に好きになってもらいたいもの! とはいえ、たくさんの種類があって、選ぶのに困りますよね。そこで、「図鑑博士」として有名な斎木健一さんに、さまざまなジャンルの「おすすめ図鑑」を教えてもらいます。
今回は、好きな子供も多い「鉄道」図鑑のおすすめを紹介します。子供の興味を引くしかけとびらやDVD付きなど、親子で楽しみながら学べる5冊です。
【おすすめ1】『100までかぞえる でんしゃの1・2・3』
(出版社:交通新聞社/本体価格:1,200円+税)
「『新幹線こまちの写真が6枚』『駅弁が10個』…というように、数字を数えながら、電車や鉄道にまつわるものを写真やイラストで楽しめる本です。20以降は、30、40と10刻みで100まで掲載されています。たとえば、40のページでは電車の顔が40種類載っています」
「使い方もいろいろで、数を数える練習をしている子供はもちろん、電車の種類を当てたい小学生や、一緒に読む親にもおすすめです。幅広い年齢層が何度も楽しめる1冊です。鉄道博物館のミュージアムショップや通販で入手できます」
ポイント
「はじめは数えるだけですが、巻末には『カシオペア(EF510系500番代)、京成AE形スカイライナー、…』と、すべての電車の説明が載っていて、クイズや図鑑としても楽しむことができます。また、カバーの裏は、数の表になっています。本から取り外して、壁などに貼れて便利ですね」
【おすすめ2】『めざせ鉄道博士! 日本全国鉄道路線地図』
(出版社:永岡書店/本体価格:1,300円+税)
「JRから地下鉄、路面電車まで、日本中の鉄道の路線地図と、その路線を走る電車の写真が載っています。路線図にあるすべての駅にふりがなが付いています」
「路線図のページには、『大人でも読めないむずかしい駅名(答えは地図の中から探してね!)』というクイズコーナーがあります。『大人でも読めない!』という点が、子供の好奇心はもちろん、大人の挑戦心もくすぐりますね。4歳ぐらいから大人まで楽しめるでしょう」
ポイント
「路線地図のページは正縮尺の地図で、鉄道の路線だけでなく地理の学習にも役立ちます。家族旅行の計画を立てる際にもおすすめです」
【おすすめ3】『はっけんずかん でんしゃ・しんかんせん』
(出版社:学研/本体価格:1,880円+税)
「電車の写真とイラストを使った『しかけ図鑑』です。イラストのページには、ところどころに扉があり、扉をめくると新幹線が動いたり、電車の中の運転席などが見えたりします」
「文章は、ひらがなとカタカナで記されていますが、文章が読めなくてもイラストや写真を眺めれば十分理解できるので、2歳ぐらいから楽しめるはずです。さらに、文章はやさしくわかりやすいので、小学校1年生であれば自分で読むことができます」
ポイント
「扉には『なかは、どうなっているの?』『下でなにをしているの?』など、呼び水になるコメントが書いてあります。『どうなっているのかな?』と話しながら親子で会話を楽しみましょう。いろんな発見ができると思います」
【おすすめ4】『講談社の動く図鑑MOVE 鉄道』
(出版社:講談社/本体価格:2,000円+税)
「内容充実の図鑑だけでなく、実際に動いている鉄道が収録されているDVD付きなので、魅力的といえます。新幹線をはじめ、美しい風景の中を走る各地の特急や猛然と雪をかき分けるラッセル車の動画は、鉄道好きの子供なら夢中になること間違いなし!」
「図鑑本体も新幹線から登山列車まで、さまざまな列車が美しい写真で紹介されています。DVDは2歳から、図鑑も2〜3歳から楽しめます」
ポイント
「日本一を集めた『鉄道何なんでもナンバーワン』や、車両の脇に記されている『モハE231-86』 といった車両記号の読み方も丁寧に解説されています。また、整備工場の様子や、新幹線の運転士の仕事などのDVD映像も充実しているので、小学生以上はもちろん、大人も楽しめる内容です」
【おすすめ5】『トーマスキャラクターミニずかん』
(出版社:ポプラ社/本体価格:380円+税)
「縦横10センチの小さな図鑑です。トーマスを始め、エドワードやヘンリー、ゴードンといった、おなじみの機関車たちが8両、見開きで1台ずつ登場して、性格や特徴などがわかりやすく紹介されています」
「1〜3歳ぐらいまで楽しめそうです。この図鑑が映像から本への橋渡しになってくれると良いですね」
ポイント
「小さくてリーズナブルな価格なので、お出かけのときに気軽に持って行けます。また、厚さ約1mmの厚紙が使われているので、小さい年齢の子供が多少雑に扱ってもボロボロになりにくく、とても丈夫です」
「電車好きの子供は大勢います。電車の知識が増えれば、家族旅行の幅や旅行中の話題も広がりますね。旅行前には図鑑を開いて、家族で乗る電車や旅行先で見られる電車を一緒に調べて見ましょう。親子の会話が増えるだけでなく、本を開く習慣が身に付くチャンスでもあります!」
おでかけの準備段階から「どんな電車に乗れるのかな〜」と楽しみが増えるのはうれしいですね! 親子でより充実した時間が過ごせそうです。
次回は「恐竜図鑑」です。お楽しみに!
お話を聞いたのは…
千葉県立中央博物館・生態学・環境研究科長 斎木 健一さん
1962年、神奈川県生まれ。理学博士。幼い頃は、どのクラスにもいる「昆虫博士」。大学では化石、職場では植物、男の子3人の育児を通して魚を飼い、野鳥を眺めるなど、次第に守備範囲を拡大。専門分野は古植物学・植物学・理科教育。千葉県いすみ市の植物調査で新種のイスミスズカケを発表したり、「なぜ図鑑で植物の名前を調べるのが難しいのか」についての研究結果を学術雑誌で発表するなどの研究成果を残す。2014年に『図鑑大好き!』出版、2015年には職場での図鑑企画展担当をきっかけに、人気番組『マツコの知らない世界』に出演。
野草雑草検索図鑑
樹木検索図鑑
ライター紹介
宮平 なつき
フリーライター。美容、健康、ダイエット、恋愛、結婚、子育て、教育、インテリアなど、“女性のライフスタイル”にまつわる記事や著名人のインタビュー記事を主に執筆。趣味は、スポーツ観戦と旅行。最近の最も気になることは、甥と姪の成長。
※2019年4月にいこーよで公開された記事の再掲です。
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