親の「褒め方」で子供は変わる! 年齢別のコツ&正しい叱り方も

子供はなるべく褒めて育てたいと思いつつも、叱ることの方が多くなりがちですよね。「子供を十分に褒めている」と感じているママパパは全体の4割程度とも言われています。

そこで今回は、教育評論家の親野智可等先生に、子供を伸ばす褒め方や具体的なコツ、注意すべきポイントなどを聞きました。

子供を褒めるメリットは?

まず、子供を褒めることでどんな変化や効果があるのでしょうか?

「効果はいくつかありますが、1つは子供への効果があります。言われた瞬間にうれしい気持ちになり、長期的にも親への信頼感や好感が高まります。自己肯定感が生まれて、何事にも前向きになれるほか、能力以上の結果が出ることも。また、心が満たされれば、大切な人を悲しませる行動は自然としなくなります」

「次に、ママパパへの効果。子供に信頼されて好かれることで、良好な関係を築きやすくなります。また、意識的に子供の良い面に注目し続けることで、日常生活の嫌な場面も前向きに捉えられるようになります。子供だけでなくパートナーのことも褒めれば、家庭の雰囲気がどんどんよくなります」

「3つ目が周囲への効果です。自己肯定感のある子供は、きょうだいや友人にも優しく接することができます。また、穏やかで明るい雰囲気が場の空気をよくすることも多いです」

褒める効果が絶大なのはわかりましたが、どうしても「叱る」こともあります。やはり、これは良くないことなのでしょうか。

「人格や存在の否定は当然NGで、気をつけている人も多いです。が、『また○○してない。ちゃんとやらなきゃダメでしょ』など、物事については否定的な叱り方をしてしまいます

「でも、最近の研究では、物事に関してでも否定的に叱るのは良くないということがわかっています。叱られ続けた子供は、自己否定感や相手への不信感を植え付けられてしまい、愛されているか不安になります。場合によっては、無意識のうちに愛情確認行動として、危険なことや悪いことをしてしまうこともあります」

『○○しよう』『○○するとうまくいくよ』などと言い換えるだけでも、だいぶ伝わり方は変わります。否定語を使わないということを大前提にしてほしいですね」

褒めることで好循環に、叱ることで悪循環になることが多そうですね。

褒め方には2種類ある

では、実際にどう褒めるのがいいのでしょうか。

「まず、『褒め』には2種類あることを知りましょう」

「1つは、頑張ったことや達成できたことを褒めること。もちろんこれは大切なことですが、ある意味『条件つきの褒め』ともいえます。子供をコントロールする意図が入りすぎないようにする必要があります」

「親から『わがまま言わなくてえらい』と褒め続けられることで、自分の気持ちや本音が言いづらくなってしまうこともあるので注意が必要です」

「2つ目は、存在を丸ごと肯定する『無条件の褒め』です。『一緒にいられて幸せ。大好きだよ』『生まれてくれてありがとう』など、言葉でしっかり伝えることで子供は愛情を強く実感し、自己肯定感もやる気も高まります」

面と向かって伝えるのが恥ずかしい場合は、メールや手紙などでも良いそうです。これなら取り入れやすいですね。

そのほか、褒める際に大事なことはありますか?

褒めることとセットにしてほしいのが、共感です。点数のよくないテストを見せられたときに、『悔しかったね』『たまにはこんなこともあるよ』などと共感することで、子供は安心しますし、親への信頼感も高まります

「生活のあらゆる場面で上から目線の“指導”ではなく、横から目線の“共感”を心がけてください。すると、子供は親の大きな愛情を実感できて、気持ちが安定します」

気持ちが安定していれば、がんばるエネルギーも湧いてくるもの。とても大事なことですね。

成長に合わせて取り入れたい! 年齢別「褒め方」のコツ

子供の成長に応じて、褒め方にも工夫が必要だと思います。年齢別のポイントを挙げてもらいました。

0〜2歳:何でも無条件に「すぐ」褒める!

「無条件に何でも褒めていい時期。子供のちょっとした表れや変化を目ざとく見つけて、その場で褒めましょう。時間をおくと何を褒められたかわかりません。言葉より表情やしぐさの方が伝わる時期なので、オーバーリアクション気味に笑顔で。また、自分からアピールしてきたときは何よりのチャンス! 気持ちをすぐに満たしてあげましょう」

3〜5歳:具体的な言葉にすると効果的

「この年齢になると相手の意図もわかるようになるので、ほめてコントロールしようという意識が強くなりすぎないように気をつけましょう。語彙力や会話力が発達する時期でもあるので、できたことを具体的な言葉で表現すると効果的です。ルールを守りたい気持ちも芽生える頃なので、何か約束して実行できたら感謝の言葉と一緒に褒めるのもいいですね」

6〜9歳:結果より熱意やプロセスに注目

「小学校に入ると勉強に関心が向きがち。褒める場合は結果だけでなく、普段の学習態度やプロセスにも注目しましょう。また、勉強以外で熱中していることなど、本人が褒められたいこと、思い入れが強いことを褒めることも大切。認められた実感を得やすくなります」

10〜12歳:子供の価値観を優先して応援

「物事の背景や関係性まで理解できる時期。褒められると照れてしまう子には、事実や根拠に基づいて短くさらっと伝えましょう。また、学校生活や他者との比較で自信を失いがちな時期。『これは誰にも負けない』という自分の世界を持てるようサポートしましょう。たとえそれがママパパの好みや価値観と合わなくても、心から応援することが大切です」

13歳〜:「本人が褒められたい部分」を認める

「無反応や素っ気ない態度が増える時期。共感から入ると受け入れてもらいやすくなります。その上で、『親が褒めたい部分』ではなく『本人が褒められたい部分』をピンポイントで具体的に認めると効果的。難しい場合は、『今日は○○したんだね』などと伝えるだけの“承認”でも、気にかけていること、評価していることは伝わります」

年齢が上がるにつれて、褒めにくい場面も増えますが、「承認」なら難しくないはずです。

また、この年代では特に上から目線より横から目線が大事になるので、「ありがとう。助かるよ」(感謝)や「がんばってるね」「大変だね」(共感)などの言葉を増やしましょう。

最後に、続けるコツをお聞きしました。

まずは、『毎日必ず褒める!』と強く決意すること。次に忙しくても続く形を作りましょう。例えば、携帯電話のアラームを活用するのも手です。毎日、話がしやすい時間帯に『今日はもう褒めましたか?』などと表示されるようにセットすれば、褒める習慣がつきやすくなります」

親子の幸せな未来につながる「褒め」。正しい方法で続けていきたいですね。

お話を聞いたのは…
親野智 可等さん
公立小学校で23年間教師を務め、現在は教育評論家として、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村で教育講演会を開催。
ブログ「親力講座」、ツイッター、メルマガなどで発信中。著書も多数。
親野智可等さん公式サイト「親力」

ライター紹介
高柳 涼子
雑誌編集部勤務を経てフリーランスに。ライティングと校正を中心に、ときどき編集もやる3児の母です。これまでに関わった分野は、求人、進学、ウェディング、アート、手芸、田舎暮らし、食育、仏教、料理など。

※2019年11月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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