親に褒められた子どもの共通点とは? 子どもを伸ばす褒め方のコツも

よく「ほめて伸ばす」といいますが、実際にほめるのはなかなか難しいですよね。そこで、ほめるタイミングやコツなど、子どもを上手にほめて伸ばすためのポイントを同志社大学政策学部教授で経済学博士の、太田肇さんに伺いました。

小さな頃からほめることを習慣にしてみよう

ほめることで子どもは成長するといいますが、それはなぜでしょう

「子どもは、ほめられれば気分がよくなり、楽しくなります。明るくほめられることで、その物事に対する嫌なイメージが残らないだけでなく、さらにがんばろうという気持ちになって、やる気も出ます。ほめられることは子どもたちの自信になり、成長にもつながっていきます。」

そうはいっても、いきなりほめるのはなかなか難しいもの。うまく子どもをほめるコツはあるのでしょうか。

「大切なのは、子どもが小さいうちからほめることを習慣づけておくことです。まずはなにか簡単なことに挑戦させてみましょう。そしてよくできたら必ず毎回ほめてあげてください。ほめるといっても、深く考えることはありません。簡単な言葉で大げさなくらいに、どんどんほめてあげるといいでしょう。」

そのときに有効な言葉は、「ありがとう」「えらい」「すごい」などがよい、と太田さん。決まったことができたら「えらいね」、少し特別なことができたら「すごいね」など、それぞれの場面に合わせて使っていくといいそうです。これで自然とほめることが習慣になり、子どもに自信をつけさせてあげることができます。

年齢別、上手なほめ方とは?

小さい頃からほめることを習慣にすることが大切、ということですが、それでは年齢ごとにほめ方を変える必要はあるのでしょうか。

「大きく二段階に分けることができます。小さい頃はとにかく気分がよくなるよう、楽しくなるようなほめ方がいいでしょう。大きくなるにつれ、自分はやればできるんだという自信が持てるようなほめ方をするとより効果的ですね。」

0歳〜8歳(小学校低学年)頃

まずは行動をほめてあげましょう。そうすることで、よい生活習慣を身につけることができます。ほめるタイミングですが、行動のあとに間髪いれず、大げさなくらいにほめてあげるといいでしょう。

ほめ方の例としては、「字を書くときの姿勢がいいね」、「(運動会で)最後まで全力で走って立派だったね。本当は順位より全力で走ることのほうが大事なのよ」、「あなたの一番よいところはいつも明るいところ」、「最近、忘れ物をしなくなって感心するわ」などです。

自信をつけるためにも、成功体験を積むことが大切ですから、ほめることで楽しい気持ちにさせてあげましょう。

9歳(小学校3年生)頃〜

行動というよりは、その子が持っている潜在的な能力をほめてあげましょう。やればできるという、自己効力感(うまくできそう! と自分で感じること)が身につきます。

ほめ方の例としては、「やればできるんだから、自信を持ちなさい」、「先生が、あなたは伸びる子だと言っていたよ。でも努力しなければ何にもならないことを忘れずに」、「あなたは 1年生のときから○○できたぐらいだから、本気でがんばったら必ず△△できるわよ」などです。

気をつけなければならないのは、能力だけをほめること。能力だけに注目してほめてしまうと、慢心してしまう可能性があります。お子さんが潜在的に持っている力を上手く見つけてほめてあげてください。

過程をほめることのメリット・デメリット

このように、子どもをほめるときには結果ではなく、行動や能力など子どもががんばった過程をほめることが大切です。しかし、過程をほめることにはメリットと同時にデメリットもある、と太田さんは言います。

「まずメリットですが、その過程をほめられることによりこれからも努力をしよう、という気持ちが育ちます。一方で、過程をほめられたことで努力をしたということだけが一人歩きしてしまい、ほめられるためにがんばりすぎて、無駄な努力をしてしまう子がいる、というデメリットもあります。これはとくに、真面目な子に多いですね。」

ほめられる、ということだけに気持ちが向いてしまうと、せっかくほめてもうまく子どもの成長につながらないということです。場合によっては、過程だけでなく成果にも目を向ける必要がありそうです。

順位や成績を気にしたほうがいいのは何歳頃から?

では、具体的にはいつ頃から順位や結果といった成果を意識すればよいのでしょう。

「これには正解というものはなく難しいところですが、小さい頃は順位や成績を『目安』としてほめてあげるといいと思います。『前回は○番だったけど、今回は3つ上がって○番だったね』などと成長したことを実感させてあげるとよいでしょう。ただし、意識しすぎて1番でなければならない、というのはいけません。あくまでも、子どもの自信につながるようにするのが大切です。」

「子どもに勉強の成績を意識させる時期は、小学校高学年頃から中学校にかけてでいいと思います。この時期は『目標』としてほめていくのがいいですね。また、中学受験をする場合、あまり早い時期から勉強の成績を意識する必要はなく、受験の1年前くらいからで十分です。あまり早すぎると子どもも順位を追うことに疲れてしまい、力を発揮できなくなってしまいます。」

子どもの成長に合わせて、順位や成績を目安や目標として、上手くほめるのがポイントのようです。

最後に、「親からたくさんほめられた子どもは、人をほめるようになる」と太田さん。親は小さい頃からほめることを習慣にして、叱るだけではなく、上手くほめながらいい親子関係を築いていくのが大切とのことです。

ほめられることで自信をつけた子どもたちは、大きく成長していきます。たくさんほめて、お子さんのいいところをさらに伸ばしてあげたいですね。

お話を聞いたのは…
太田 肇さん
同志社大学 政策学部 教授(同 大学院総合政策科学研究科教授)、経済学博士。主な著書として「個人を幸福にしない日本の組織」、「子どもが伸びる ほめる子育て」、「がんばると迷惑な人」、「社員の潜在能力を引き出す経営」などがある。
太田肇 最新刊 『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
太田肇公式HP

ライター紹介
飯田 友美
出版社、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのライターに。好きなものは猫とパンダ、趣味はライブに行くこと、お芝居を観ること。杉並区在住。2児の母。

※2016年4月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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