好奇心でゼロからイチを生み出す 「なぜ? どうして?」の伸ばし方

子どもの「なぜ?」が、未来につながる力になる一冊

注目の新刊
子どもの成長や子育てに役立つ本を厳選して紹介します。

子どもがふと感じる小さな違和感や「おもしろそう」という気持ち。そこから生まれる「なぜ?」は、すぐに答えが出るものばかりではありません。でも、その一つひとつが点となり、やがて線になってつながっていくことで、子どもは自分で考え、行動する力を育んでいきます。今回は、子どもの好奇心を起点に、「なぜ?」を見つける習慣をどう育てていくかをていねいにひもといた一冊、『好奇心でゼロからイチを生み出す「なぜ? どうして?」の伸ばし方』を紹介します。(ディスカヴァー・トゥエンティワンより献本いただきました)

子どもの「なぜ?」から育つ、ゼロからイチを生み出す力

本書の軸にあるのは、これからの時代に必要とされる「ゼロからイチを生み出す力」です。著者の小宮山さんはそれを「生まれつきの特別な才能ではなく、日常の中で育てていける力」だと捉えています。

好奇心でゼロからイチを生み出す「なぜ? どうして?」の伸ばし方

子どもが感じた小さな違和感や興味を起点に「気づく力」「対話する力」「探求する力」「行動する力」「失敗する力」という5つの力が育まれていく。本書では、この5つをまとめて「ゼロイチ力」と呼び、具体的な関わり方とともに紹介しています。この積み重ねこそが、いわゆるアントレプレナーシップ(起業家精神)の土台になるという考え方です。

本書には、ゼロイチ力を磨くことで、子どもが「自分で考え、自分で動ける人」へと成長していくことが解説されています。人前で話す、挑戦する、失敗を経験するなど、子どもを一人の「個」として信頼し、社会とつながる経験を重ねていくこと。そして小さな「なぜ?」をたくさん積み重ねることが、やがて自分の強みを理解し、未来を切り拓く力につながっていく。その成長の道筋が、本書全体を通して静かに示されています。

「アントレ教育」を、家庭と子どもに落とし込む

「アントレプレナーシップ」とは、自分で課題を見つけて考え、行動しながら道を切り拓いていく姿勢そのものを指しています。そのため起業する人だけに必要な特別な資質ではありません。変化の大きい時代においては、どんな立場であっても持っていたい考え方です。

大学や高校では、すでに「アントレ教育」として、身近な課題をテーマにした探究や発表の授業が行われています。本書では、そうした教育現場での実例を紹介しながら、その考え方を小学生にも無理なく落とし込む方法を示しています。

たとえば、自分の好きなものとまったく関係がないものを組み合わせてみたり、疑問に沸いたことを「どうやって調べるとよさそう?」と考えるところからスタートすることなど、家庭でも取り入れやすい内容ばかりです。さらに料理や旅行、フリーマーケットに参加など、日常の中で実践できるアイデアもあり、保護者の参考になります。

好奇心でゼロからイチを生み出す「なぜ? どうして?」の伸ばし方

買い物に一緒に行くことで同じ食材でも値段が違っていることに気づくなど、スーパーでもさまざまな体験ができます。

「好き」を起点に、親ができる関わり方

本書が大切にしているのは、子どもの中にある「好き」や「おもしろい」という感覚を起点に、その興味をじっくり育てていくことです。好きなことに出会い、それを続けていく中で、子どもは自然と考え、工夫し、自分なりの答えを見つけていきます。ゼロイチ力は、そうした積み重ねの中で育っていくものだと示されています。

そのために欠かせないのが、保護者の意識のアップデートです。これまでの価値観や経験だけで判断するのではなく、今の時代に合った学び方や成長の形を知ろうとする姿勢が求められます。本書では、親自身が楽しんで学ぶ姿を見せること、生活習慣を整えること、好奇心を持ち続けることの大切さにも触れています。

子どもにとって、いちばん身近な見本はいつもそばにいる大人。親が学び続ける姿勢そのものが、子どもの「やってみたい」を後押ししていきます。

さらに本書では、子どもが興味を持ったことをやめたいと感じたときの、大人の向き合い方についても言及されています。これまでにかけた時間やコストを理由に続けさせてしまいがちな親の心理を踏まえたうえで、「好きを極めた人が活躍する時代に、嫌いなことに時間と労力をかけることほど無駄なことはありません」と示し、「あきらめるべきは子どもより親のほう」と述べています。子どもの興味や気持ちを大切にすることの意味が、具体的な場面を通してわかりやすく示されています。

「未来へいこーよ」スタッフの注目ポイント

本書でとくに印象に残ったのは「失敗する力」を子どもの成長に欠かせない力として正面から扱っている点です。失敗は避けるべきものではなく、「次はどうすればいいか」を考えるきっかけになる。実際に、失敗した経験が問題解決行動に良い影響を与えることは研究でも示されています。大人になるほど失敗が許されにくくなりますので、成長期の子どもには小さな失敗を重ねる時間が必要だと感じました。

また、失敗への向き合い方は、親の関わり方しだいで大きく変わります。感情的に叱るのではなく、「どうしてこうなったんだろう?」と問いかけることで、子どもは自分で考える力を育てていきます。勉強や遊び、工作や料理など、日常は小さな失敗の連続。続けたい気持ちがあるなら、すぐに止めず、改善しながら続ける経験が、やり抜く力につながっていきます。

さらに本書には、「半径5メートルの疑問」や「身の回りの不便探し」など、すぐに取り組めるワークシートが付いています。読んで終わりではなく、親子で実践しながら考えを深められる点も大きな魅力だと感じました(KAZ)。

「好奇心でゼロからイチを生み出す「なぜ? どうして?」の伸ばし方」 
好奇心でゼロからイチを生み出す 「なぜ? どうして?」の伸ばし方
価格1,760円(税込)
小宮山利恵子
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン

購入ページ(Amazon)

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6歳の息子と2歳下の妻と暮らすパパで、息子が成長していくにつれて「育児が最高におもしろい!」と気づいて、某ゲーム雑誌編集部からアクトインディに入社。発達がゆっくりな息子と向き合いながら、毎日笑いの絶えない生活を送る。子育て以外ではゲームとお酒が好き。息子の影響で鉄道にも詳しくなった。

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