「きまるねんど」は形が成形しやすい!
ふじいなおみさん(以下、ふじい):今回ご紹介するのは「きまるねんど」という軽量紙粘土です。2023年5月からサクラクレパスさんより発売されています。

公式ページより引用
ふじい:「きまるねんど」の「きまる」は、「形がきまる」という意味があります。たとえば、従来の紙粘土を使って首長竜をつくるとしたら、針金などの芯材にガーゼなどを巻いて粘土をくっつけるといった手順が必要です。粘土だけで作ると、細長い部分が重さで折れ曲がってしまいますよね。
未来:せっかく一生懸命形を作っても、倒れてしまって残念な気持ちになったことがあります。
ふじい:「きまるねんど」は軽量紙粘土でかつ、垂れにくくしっかりと形がきまるように作られたので、針金などの芯材を使わなくても粘土だけで簡単に形が作れるんです。

制作途中のオブジェ。針金など芯材は使わずに、簡単に形がきまった…!
手が汚れにくい!長くのびる!壊れにくい!不思議な感触
ふじい:触ってみるとわかるのですが、今までの粘土では感じたことのない不思議な感覚があると思います。
未来:子どもの時に使っていた紙粘土は、手が汚れるのであまり好きではなかったのですが、その感触とは全然違いますね。
ふじい:キメが細かく、触ったときにベトベトしないですよね。手にくっつきにくいので、遊び終えた後、最後に手を洗うだけでOK。手の汚れを気にすることなく遊べるのは、保護者としても助かるポイントのひとつではないでしょうか。

手がベトベトせずにくっつきにくい!
ふじい:また、よく伸びるのも特徴のひとつです。ひっぱったときに繊維が残り、粘土というよりは練り消しに近い感覚ですね。昔の紙粘土は、伸ばすと「ぶつっ」と切れていたと思います。
未来:わかります。不思議な感じ…。チューイングガムのようにも思いました。

よく伸びる!練り消しのような、チューイングガムのような感じ。
ふじい:よく伸びる特性を応用して作った作品がこちら。麻紐などを巻いて球体を象ったインテリアオブジェがあるんですが、それを真似て作ったものです。

ふじいさんの作品「ふわふわボール」
ふじい:これは、ガチャガチャのカプセルにラップを敷いて、「きまるねんど」を細長く伸ばして上から巻き付けて作りました。このオブジェ、押してみると不思議なんですよ。

未来:すごい!やわらかくふわっと沈むんですね。これは乾いた状態ですか?

ふじい:はい、乾いています。弾力があるので、指を離すと元に戻ります。
未来:粘土が紐のようになるのが驚きです。(乾いた状態の細長い粘土を触りながら)確かに、細長い状態でも切れずにちゃんとねじれる。古紙や雑誌などを縛る紙ヒモのような感じがします。

ふじい:他の粘土と比べて、固まったあとの弾力さも違います。完全に乾いても低反発まくらのようなやわらかさがあるので、作品を落としてしまったときも壊れにくいんですよ。

乾いた状態。硬すぎず、コルク栓のような感じがありました
遊び方や造形の幅が広い!
ふじい:「きまるねんど」は色のつき方もキレイです。もちろん絵の具を使ってもいいのですが、簡単なのは子ども用のサインペンで色を塗り、練って色をつける方法です。家にあるペンでOK。幼児のお子さんだと、家で絵の具を使うのは中々ハードルが高いと思うのですが、サインペンであれば、親御さんもあまり汚れを気にすることなく楽しめると思います。
★ふじいさんおすすめサクラクレパス洗たくでおとせるサインペン
未来:色を混ぜて変化を楽しむといった実験遊びもできそうですね。
ふじい:「赤、黄、青、混ぜると何色になる?」といった色遊びも楽しいですね。小さいお子さんと遊ぶときは、大人が色をつけてあげてもいいと思います。

サインペンで色を塗り練りこんで着色しました
ふじい:くっつきやすい粘土なので、鉛筆などのツルンとした芯材に巻きつけることも簡単です。乾くとくっつきにくくなるので、やわらかい状態で密着させていきます。粘土が乾けば芯材から取り外すこともできますよ。

未来:多様な造形ができる粘土なんですね。
ふじい:柔軟性が高いので、さまざまな作品が作れます。私は、(前述の)ふわふわボールを極めたいと思っています! ろうそく風のLEDランプを中に入れてもキレイかなと思って。
未来:ランプシェードのようでおしゃれですね。お子さんと一緒におままごとの道具など作っても楽しそうです。
ふじい:ドールハウスなどを作ってみると、大人の方がハマってしまうかもしれませんね。きまるねんどのHPに作品アイデアが載っているので、参考にしながらいろいろ作ってみてください。
触って実感する特別感
ふじい:先日、小学校で図工を教えていた方とお話する機会がありました。その方は、「きまるねんど」をより多くの子どもたちに知ってもらいたいという想いから、ワークショップを行っています。この粘土の魅力は、実際に手で触ってみないと伝わらないので、ぜひ、手に取ってもらいたいです。
未来:触り心地が良いというのは、実際に触れてみてすごく分かりました。さらさらしていて、ずっと触っていたくなるというか。作っていてすごく楽しかったです。
ふじい:保存袋がついているのも嬉しいポイントです。使い残りの粘土は、付属の袋に入れて密封しておけば乾燥せずに長持ちしますよ。

ふじい:値段はオープン価格で店頭では300円半ば程で販売されているようです。少し高めの価格設定なのですが、それだけ魅力がたくさん詰まった粘土です。私は「きまるねんど」を使ってみて、新しい世界を感じました。
未来:想像力を膨らませ、トライ&エラーでいろいろと作ってみたくなります。
ふじい:「これを作ろう!」というアイデアを、頭の中で具体的にイメージしながら形にしていくのは、ひとつの力。きまるねんどは、子どもたちの創造性を育んでくれる、革命的な粘土だと感じています。
未就学児と一緒に本気でやってみた
筆者も、実際に4歳と6歳の子どもたちと一緒に遊んでみました。
まず、その触り心地に「やわらか~い!」「すごい伸びる!」と驚きテンションが上がる子どもたち。

びよーんと伸びるのが楽しくて幼児も夢中!
「これならイメージしたものが作れそう。」と4歳娘。一丁前なコメントをいただきました(笑)。
道具を使って薄くのばしたり型を使ったりと、思うままに作っていく二人。

まず娘が作ったのは「パンケーキ」。型取りした粘土をくっつけ合わせ、サインペンでお絵描き、色塗りをして仕上げました。「かわいくできた♪」とご満悦。

息子はまず、大好きな恐竜を。中に芯材は入れていないのですが、ちゃんと形がきまって嬉しそう!

触感や作りやすさがとてもヒットしたようで、創作意欲がどんどん湧いてくる二人。私も一緒になって、夢中で楽しみました。
「粘土に色をつけたい!」と言うので、サインペンで塗ってみることに。

練りこんでいくと…

きれいなエメラルドグリーンに! 色を塗る量で、粘土の色の濃淡が変化するのも学びになりましたよ。
そしてなにやら、二人お揃いのものを作ろうということに。出来上がったものは…

左:娘作、右:息子作
か、かわいい!!二人がそれぞれデザインして作ったドレスです。家にあったビーズを埋め込んで飾り、とても華やかに。ドレスが完成した後は「お顔もつくる~」とさらに作りこんでいました。
親子の共作も紹介させてください!

海の世界をイメージしたチンアナゴ!ヤシの木(左)は粘土がやわらかいときに色を練りこみ、ヤシの木(右)とチンアナゴは、乾燥後にクレヨンとサインペンで色を塗りました。芯材、接着剤などは使っていません。中々いい出来!そしてすごく達成感。

こちらは、小さめのペットボトルに粘土をくっつけ、ビーズを埋め込んで作りました。黄色と緑のアクセントラインは子どもたちのアイデア。素敵な一輪挿しの完成です♪
「きまるねんど」の不思議な魅力にすっかりハマってしまった私たち。その感触が心地よく、最近では気分転換したくなるような時には、大人ながら粘土に癒される日々を過ごしています。

何より、子どもたちと一緒にワイワイ言いながら創作している時間がすごく楽しい。「つぎは何つくる~?」と想像とワクワクを与えてくれる、魔法のような粘土でした。(osa)
お話を伺ったのは…ふじいなおみさん
〈監修者プロフィール〉
文房具のさまざまな特長・長所をより多くの方々に広める(プレゼンをする)「文房具プレゼンター」として活躍。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」をはじめ、ステイショナー「文具のとびら」、 小学館「HugKum」などのweb連載、動画「イロブンの引き出し開けていこう」など、さまざまなメディアで発信を行っている。万年筆のインクにも造詣が深い。
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