文房具のさまざまな魅力を知っている「文房具プレゼンター」のふじいなおみさんに、子どもと一緒に楽しく使えて、子どもの成長に役立つ文房具を紹介していただく企画です。今回は、自由気ままに織れるポケットサイズのミニ織り機「ポケおり(株式会社KAWAGUCHI)」をご紹介します。
ミニ織り機「ポケおり」とは?
ふじいなおみさん(以下、ふじい):今回ご紹介するのは「ポケおり」です。簡単に言うと「ミニ織り機」で、大きさは大人の手のひらくらい。使い方はとてもシンプルです。縦に糸をかけた後、付属の針に好きな糸を通しタテ糸に対し前後交互に針を通していくだけで、手軽に織りを楽しむことができます。

「ポケおり」公式サイトより引用
未来:ここまでコンパクトな織り機は、中々見かけません。とても気になります!
ふじい:お名前ラベルなどでお馴染みの株式会社KAWAGUCHIさんから発売されています。7月に東京ビックサイトで開催された「国際 文具・紙製品展【夏】」に出展されていたのですが、その中でも「ポケおり」は一番のPR商品として目立っていましたよ。
商品展開は3パターンです。
「ポケおり」
ポケットサイズの「ミニ織り機」とくしと針がセットになったもの。好きな糸で自由に織れます。

※公式サイトより引用。詳細は「ポケおり」商品ページへ
「あそび糸」
カラフルでかわいい5種類の糸が、カラー毎にセットになっています。
※糸はカラーイメージに合わせたアソートになり、選ぶことはできません。

ホワイト系、イエロー系、レッド系、ブルー系などカラー展開は10種類以上。
※公式サイトより引用。詳細は「あそび糸」商品ページへ
「ポケおりキット」
ポケおり本体とあそび糸がセットなっていて、すぐに織りを楽しむことができます。
※糸はカラーイメージに合わせたアソートになり、選ぶことはできません。

ピンク、ブルー、イエローの3種類
※公式サイトより引用。詳細は「ポケおりキット」商品ページへ
ふじい:私はまず「ポケおりキット」を使ってやってみました。このキットなら、これといった準備をしなくても大丈夫。お値段もリーズナブルです。
未来:初めて挑戦するには取り掛かりやすいですね。
ふじい:今、環境に優しい商品って多いと思うんですが、「ポケおり」もまさにそうで、ミニ織り機本体とくしは、ホタテの貝殻が51%使用されています。

「ポケおり」公式サイトより引用
ふじい:そして針なんですが、実はこれ、とても硬い紙でできているんです。
未来:へえ~!丈夫そうに見えるので、紙には思えませんでした。これだと子どもでも扱いやすいですね。
ふじい:刺さったときに「チクッ」と血が出る感じがないので、大人が付き添ってあげれば、幼児から挑戦できると思います。小学生ぐらいになれば、1人でも取り組めるんじゃないかな。
未来:「針」というだけで、小さい子どもだと恐怖心が芽生えてしまいそうですが、これなら親としても安心して挑戦させられますね。
ふじい:「くし」は、1段織ったあと糸をミニ織り機の下に寄せていくのに使います。下に寄せていくのは指でもできますよ。あと、私はゴムを使ってくしとミニ織り機本体をつなげています! 持ち歩くときに、落としそうだなと思って。
未来:たしかに! いいアイデア!

ふじいさんはピンバイス(ミニドリルのようなもの)を使ってミニ織り機とくしに穴をあけ、ゴムでつないでいるそうです
達成感が味わえ、コミュニケーションのきっかけにも
未来:コンパクトなので、短時間でミニ織り機の高さまでできそうですね。
ふじい:糸の太さにもよると思いますが、おおよそ30分ほどで織れると思います。コンパクトで持ち運びもしやすいので、ちょっとした待ち時間にも最適。例えば、病院の待ち時間などにおすすめです。普段からメッシュケースやジップバックなどに小さいはさみと一緒に入れておくといいですよ。
未来:持ち運びしやすく手軽なのはとても魅力です。
ふじい:今までもこういった織り機のようなものはあったんですが、大きいものだと出来上がるのに何日も時間がかかっていました。それに比べて「ポケおり」は短時間で織り終わるので、達成感が得られやすいと思います。
未来:そうですね。私は手先が不器用で、こういう類のものは苦手意識があるんですが、これだと「私にもできるかも?」という気がしてきます!
ふじい:製造元のKAWAGUCHIさんは、元々手作り品をサポートされている会社さんなので、ターゲットを「子どもだけ」とはしていません。お父さん・お母さん世代、高齢者の方にもいいと思います。帰省したときにおばあちゃんと一緒にやってみたりしてもコミュニケーションが取れていいですね。
好きな糸を使って自由に織る
ふじい:「ポケおり」はあそび糸だけでなく、好きな糸を使ってもいいです。例えば麻紐など、家にあるもので大丈夫ですよ。展示会では、余った布を割いて糸にしてから布草履のように織られた作品もありました。
未来:リサイクルもなるし、家にあるものを使えるのはいいですね。
ふじい:私は引き揃え糸(色や種類、太さの違う糸を組み合わせて1本の糸のようにした糸)が家にあったので、それを使ってみたりしています。あとは刺繡糸を束ねて使ってみたり、毛糸なんかも綺麗かなと思いますよ。自由にいろいろできるのが本当に楽しいんです。公式HPにもいろんな作品レシピが載っています。
【麻糸でお手軽ブックマーク】

基本の織り方で織ったモチーフに、糸を通して結ぶだけ。作り方はこちら
【お気に入りジーンズをリペア!】

履き慣れたお気に入りジーンズが擦り切れて所々にできた穴や破れをリペア!作り方はこちら
【フリンジブローチ】

使用する糸でイメージがガラッと変わっておしゃれ♪作り方はこちら
【あまった糸や布で作ったおばけチャーム】

あまった紐や糸や着れなくなった洋服などなど集めて、おばけに変身 詳しくはこちら
ふじい:こういった作り方の提案もあって、フォローがきちんとされているのもいいなと思っています。こういうのってやり始めると楽しくてついどんどん作ってしまいがちですが、作ったものを「どうしていいか分からない」ということもあると思うんです。
未来:うんうん。娘が指あみにハマっていた時期があって、何メートルもひたすら編み続けた後「これどうしよう?」みたいなことありました(笑)。
ふじい:レシピがあると、「これ作ってみたい!」「つぎはこうやってみようかな?」といった向上心や想像力も湧き出てくると思います。たとえ基本のモチーフを作りすぎたとしても全然大丈夫。1つ織り終わると、横幅2.5cm、縦幅7cmぐらいのモチーフが出来上がるんですが、これをつなぎ合わせるとコースターが作れたり、携帯を首からかけるストラップなどにもできたりしすよ。アレンジ方法は様々です。

ショルダーストラップ。基本の織り方でつくったモチーフをつなぎ合わせるだけ。 作り方はこちら
未来:作品レシピを見ていると、どれも可愛くてワクワクします。
ふじい:子どもって、ズボンの膝やTシャツ、セーターなどによく穴が開いたりしますよね。そういう破れてしまった穴の部分に、ポケおりで織ったモチーフをペタっと貼ったりしてもすごくかわいいですよ。
ミニ織り機でリフレッシュする時間を
ふじい:手先を使うと認知症の予防や脳の活性化につながるそうです。普段、スマホを持つ時間をミニ織り機に変えることで、目にも優しいし、リフレッシュできる時間になると思います。最近はお子さんもスマホやタブレットを見ている時間も多いですしね。
未来:何も考えずに集中してやることで、頭も休まって気分転換になりそうです。
ふじい:あとは「布ってこうやってできているんだ」という学びにもつながります。興味が湧いて、自然と手先も鍛えられるし、作ることが好きなお子さんだとどんどん作って楽しめるんじゃないかな。私も夢中になりすぎてあっという間に1時間とか過ぎちゃっています(笑)。
未来:下の方に織った糸が溜まっていくのがまたいいですよね。くしでトントントンと寄せていくのも心地よさそう。
ふじい:そうですね。私も最初の頃は上手く織れなかったんです。上手くできると織った幅が一緒になるはずなんですが、糸を引っ張りすぎて、部分的に細くなってしまったり。やっていくうちに「きれいに織れるようになりたい!」という向上心も出てくると思います。まさに私は今それと戦っている最中なんですけどね(笑)。
未来:「何かを作る」ということだけでなく、「織る」ことを突き詰めていくだけでも十分ですね。続けていくことで自分の「上達」を感じられそう。
ふじい:糸の気に入ったところを表面に出して織ってみたり、模様織りに挑戦してみたり、いろいろ試行錯誤して自分なりに研究しながらやっています。

ふじいさんが織った作品。どの作品も色合いがとても素敵です
ふじい:作り方の動画もあるので、最初はそれを見るとよいです。そういったサポート体制が整っているのもこの商品の良いところです。
ふじい:「ポケおり」は、小さなお子さんでも挑戦しやすく、織物や編み物に興味を持つ第一歩になると思うんです。使い方もわかりやすいため、成功体験を重ねられ自信にもつながります。お子さんが成長する過程で「もっと大きな作品を作ってみたい」と思ったとき、その取り組みを後押ししてくれるアイテムなんじゃないかなと。
未来: いいですね。私も中学時代に織物や編み物にハマった時期があって。今は全然やっていないんですが、「ポケおり」は本当に手軽だし、子どもと一緒にやってみたくなりました。
ふじい:お子さんと一緒にでも、大人の趣味としてでも、たくさん織って楽しんでもらいたいです。場所も取らないし、たとえ飽きてしまっても、またいつでも戻ってこられるアイテムだと思いますよ。
幼児と一緒にやってみた!
ふじいさんからお話を伺った後日、早速家で挑戦してみました。子どもたちにもお手伝いしてもらいます。
やってみたのは「ポケおりキット」のイエロー。
最初は基本の織り方に挑戦。まずはタテ糸をかけていきます。タテ糸はあそび糸の中から好きなものを直感で選びました。
息子は真剣な表情で進めていきます。おっ!すごくスムーズにできているじゃないか…! と思いきや、かけかたを間違っていることに気づきました。

最初に間違えてしまったタテ糸のかけ方
裏側にもタテ糸をかけてしまい、2重になってしまっています。気を取り直してもう一度。
(タテ糸のかけ方はこちら)
つぎは上手くできました。
続いてヨコ糸を通していきます。針に糸を通し、タテ糸を前、後ろと交互に拾っていきます。
少し難しいと言いながらも、コツをつかみ上手く交互に通すことができています。
タテ糸を拾い終えたら、通したヨコ糸をひっぱります。このとき強くひっぱりすぎないようにするのがコツだそう。さらに「くし」を使って、ヨコ糸をトントンと下ろしていきます。
集中し、一生けん命に織っていく息子。黙々と、でも楽しそう。がんばってここまで出来ました!
(ヨコ糸のとおし方はこちら)
私もやってみました。ジグザグ…トントン…。ジグザグ…トントン…。た、たのしい! 黙々と無心になれるのが、なんだかとても心地いいのです。「つぎはこの糸にしてみようかな~」と糸を変えてみるのも、どんな仕上がりになるのかワクワクしました。
しかも、普段は親友のように一緒にいるスマホとも離れ、デジタルデトックス。どんどん織られていく糸をただただ見ていると、なんというか心が「キュン」とさえしてきました。私、癒されてる…!
完成! 達成感!!
最後の仕上げが上手くいかずフワフワになっていますが、これはこれで味が出ている気がします。
(タテ糸の始末の仕方はこちらを参考にしてください。)
途中で幅が細くなってしまっているのは、糸を引っ張りすぎてしまったからでしょうか…。ふじいさんがおっしゃっていたように、「次はもっときれいに織りたい!」という気持ちが自然と芽生えていました。
自分で作ったオリジナルのモチーフは、きっと愛着も湧き、ものを大事にする気持ちを改めて気づかせてくれると思います。そして、時が経ってもそのモチーフを見れば、作ったときの背景や気持ちを思い出させてくれるかもしれません。普段のちょっとした待ち時間や、リフレッシュしたいとき、夢中になりたいときなど、子どもも、大人も、ぜひ「織る時間」に浸ってみてくださいね。(osa)
お話を伺ったのは…ふじいなおみさん 。文房具のさまざまな特長・長所をより多くの方々に広める(プレゼンをする)「文房具プレゼンター」として活躍。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」をはじめ、ステイショナー「文具のとびら」、 小学館「HugKum」などのweb連載、動画「イロブンの引き出し開けていこう」など、さまざまなメディアで発信を行っている。万年筆のインクにも造詣が深い。
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