文房具のさまざまな魅力を知っている「文房具プレゼンター」のふじいなおみさんに、子どもと一緒に楽しく使えて、子どもの成長に役立つ文房具を紹介していただく企画です。今回は乾くとステンドグラスのように光を通すクリアカラー絵の具「グラスデコ(製造販売:ヤマト株式会社)」です。(ヤマト株式会社から商品提供いただきました)
オーナメントセットは「グラスデコ」入門に最適!
ふじいなおみさん(以下、ふじい):今回紹介する「グラスデコ」は、塗ったあとに8時間ほど置いて乾かすとステンドグラスのようになる「クリアカラー絵の具」です。(ヤマト株式会社から商品提供いただきました)
未来:製造販売しているヤマト株式会社さんは、「アラビックヤマト」を製造販売している会社さんですね。社名でピン! ときました(笑)。
ふじい:そうそう! ヤマト株式会社さんからイメージするとおり「のり」と絵の具を合体させたような商品なんですね。元々の「グラスデコ」は、元になるイラストに付属のフィルムを固定して、ふちどり専用のグラスデコでイラストを厚めになぞり、約1時間かけて乾かしてから、塗り絵のようにふちどりの中を塗っていくというものです。でもこちらはコツをつかむまで少し難しいので今回ご紹介したいのはグラスデコの「オーナメントセット」です。

「グラスデコ オーナメント メルヘン」※ヤマト株式会社公式サイトより引用
未来:「オーナメント」とはクリスマスツリーの飾りなどに使われるものですね。
ふじい:そうです。クリアなプラスチックのプレートにふちどりがついていて、そこに「グラスデコ」を流し入れて約8時間乾かすだけで完成します。大人が多少手伝って、娘は未就学児の頃から楽しんでいます。今は小学1年生になり、自由に作っていますよ! プレートには、紐やボールチェーンを通す穴がついていて、ぶら下げて飾ることができます。この前、小学校1年生の娘が1人で作ったのがこちら。「ジュエル」シリーズです。
未来:おおお~っ、かわいい! キラキラしたラメが入っていますね。
ふじい:ラメが入ったグラスデコの「スパークルシリーズ」を使いました。ヘリなど細いところは、爪楊枝を使って絵の具を入れています。娘は「グラスデコをするから爪楊枝をもらいます」と慣れたものでした。ただ、残念ながら外側に気泡が残ってしまっていました。これもまだ乾く前なら爪楊枝で気泡をつぶすことでキレイに仕上がります。
ふじい:こちらも「ジュエル」シリーズですね。ほかにも「きょうりゅう」や「メルヘン」「はたらくくるま」「新幹線」の全5種類のオーナメントセットが発売されています。
未来:枠からグラスデコが混じってグラデーションになっているのがいいですね。
ふじい:「グラスデコ」では、乾く前に混ぜることでマーブル模様やグラデーションを作る技もあります。意図しないでも、こうしたものが生まれるのも子どもと作っていて楽しいところですね。
大人と子どもで一緒に作るのもおすすめ!
未来:実際にお子さんと作ってみて感じた「グラスデコ」の魅力は?
ふじい:「グラスデコ オーナメントセット」は、「ジュエル」などのモチーフとなるオーナメントと、それにあった色のグラスデコ6本がセットになっています。結構厚めに塗るのがコツではありますが、そう思って潤沢に使っても我が家ではグラスデコが余りました。「オーナメント」単体でも販売が開始されているので、それも合わせて買って大人と子どもが一緒にやってみるのもいいと思います。
未来:それはいいアイデア!
ふじい:というのも、以前「メルヘン」で作ったとき、「メルヘン」は童話のお姫様がモチーフになっているのですが、娘が自分の好きなお姫様を取ってしまい、私にはなじみの薄いお姫様を渡してきたので(笑)。私も人魚姫を塗りたかった…。
未来:あはは(笑)。おそろいのモチーフで作ってみるのもよさそうですし、それぞれ自分が好きなモチーフを選ぶ形でもよさそうですね。
ふじい:また「グラスデコ」は、欧州連合域内で販売される安全や健康を保護する、安全規格に合致した製品につけられる「CEマーク」を取得しているというのも、子どもに安心して使わせられる理由のひとつです。手についた場合もすぐに石けんで洗えば落ちますし、服についた場合は乾く前にもみ洗いしたあとに洗濯機にかけたらすぐに落ちました(※服の素材などによって落ちやすさが異なります)。もちろん、目や口には入らないように注意する必要があります。
未来:なるほど、そのほかに作るときに気をつけておいたほうがいいところはありますか?
ふじい:のりのような素材ですので熱に弱く、完成後も暑い日などに携帯する場合は注意です。オーナメントを複数つけていると、オーナメント同士がくっついてしまうことがあるので気をつけましょう。以前、ヤマト株式会社さんからオーナメントの完成品のサンプルをいただいたことがあるのですが、それは透明なOPP袋に入っていました。保管しておくのにはクリアファイルなどのPPやPE素材の袋やシートで守るといいでしょう。
未来:先ほどふじいさんが、ラメ入りのグラスデコを使っていましたが、例えば固まる前にビーズなどを散らしてもいいでしょうか?
ふじい:固まる前ならある程度くっつくと思います。確かにアイデアで楽しみ方が広げられそうですね。あともうひとつ気をつけていただきたいのが、塗ってから固まるまでに約8時間かかること。子どもだとワクワクして待ちきれない時間になるので、午後や夕方に作っておいて夜の間乾かしておくのがおすすめです。
未来:これから冬休みやお正月など、子どもたちが家にいるけど、外は寒くて出たくない…というときに、グラスデコがあると集中してやってくれるのでいい休みの過ごし方になりそうですね。
ふじい:「グラスデコ オーナメント」セットで1,430円(税込)~、「グラスデコ オーナメントプレートパック」は880円(税込)~なので、大人と子どもが一緒に遊ぶにしてもコストがそれほどかからないのも魅力です。
未来:実際に買って試してみたいと思います! ありがとうございます!
大人も無心で集中する時間が作れる
ふじいさんのお話を聞いて「グラスデコ12色セット」と「グラスデコ オーナメントプレートパック」の新幹線を購入して、実際に作ってみました。これは大人も時間を忘れて集中しちゃいますね! 絵の具というとパレットや筆、筆を洗うバケツなどが必要なイメージがありますが、グラスデコはチューブの先端が細くなっていて、直接プレートに流し込む形なので、そういったものは必要ありません。
グラスデコとオーナメントのほかには爪楊枝と、爪楊枝の先を拭くティッシュがあればOK。手も汚れにくいです。子どもとやる場合は新聞紙などの上でやるとよさそうですが、大人は机の上でパパッとできちゃいます。
購入した新幹線はもともとの色だけでなく、本来の色を表現する場合は混色して色を作る部分もあるので、やや慣れた人向けのオーナメントでした。公式サイトやYouTubeに色の割合があるので、それを参考に混ぜるときれいにできます。

新幹線「こまち」の窓とラインは色を混ぜて作ります。
じつは最初に作ったものは、メインとなる赤や白にムラができてしまいました。「ちょっと厚めに塗ったほうがいい」という、ふじいさんのアドバイスを忘れていたんですね。その後、もう一度塗り足してみたら、うまくいきました。

新幹線「つばさ」はラインにグラデーションが入っているのが特徴で、これもグラスデコで再現できます。つまようじだけで簡単にできます。
ふじいさんによると「小さい子が色を混ぜるときは、無理に実物と同じような色を再現をしなくてもOK。好きな色を入れてみてください」とのことで、自由な発想で作るのも楽しみ方のひとつです。ふじいさんもときどきお話されていますが、大人も童心にかえって集中する体験ができるとよい気分転換になりますし、子どもと一緒に夢中になって遊ぶ時間は、子どもにとっても思い出に残るものになります。寒い日や天気がよくない日など、おうち遊びのひとつとしていかがでしょうか?(KAZ)
お話を伺ったのは…ふじいなおみさん 。文房具のさまざまな特長・長所をより多くの方々に広める(プレゼンをする)「文房具プレゼンター」として活躍。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」をはじめ、ステイショナー「文具のとびら」、 小学館「HugKum」、 日経BP「日経xwoman DUAL」などのweb連載、動画「イロブンの引き出し開けていこう」など、さまざまなメディアで発信を行っている。万年筆のインクにも造詣が深い。
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