防災の備えというと、まず思い浮かぶのは水や食料ではないでしょうか? でも、それと同じくらい大切なのに、意外と後回しになりがちなのが「トイレ」の備えです。地震などでライフラインが止まると、いつも使っている水洗トイレは流せなくなります。そんな見えにくい備えを、子どもが“うんち”を入口にして楽しく学べる動画が公開されました。クイズあり、実演あり、計算ありで、防災を“自分ごと”として考えられる、夏休みの自由研究にぴったりの内容です。
「うんち教室」の防災動画ってどんな内容?
今回の動画は、王子ネピアが日本トイレ研究所と共同で制作したものです。排便について学ぶ「うんち教室」の取り組みの一環にあたります。テーマは「地震がきたら、トイレはどうなる?」。災害時に起こるトイレの困りごとや、家庭でできる備えを子どもにも分かりやすく紹介しています。
地震などで水道や電気などのライフラインが止まると、家の水洗トイレは流せなくなります。仮設トイレもすぐには設置されないことが多く、被災した直後からトイレに困ることも少なくありません。
動画は全部で3本あります。1本目の「地震がきたら、トイレはどうなる?」編はクイズ形式です。水洗トイレの仕組みや、災害時にトイレが使えなくなる理由を学びながら、トイレを我慢することで起こる脱水症状や体調悪化といった健康リスクにも触れていきます。
2本目の「携帯トイレを使ってみよう!」編では、便器への袋のセットの仕方や凝固剤の使い方、使ったあとの処理までを実演で紹介します。初めて携帯トイレに触る子どもでも、手順をひとつずつ確かめられます。
3本目の「おうちの備えをチェックしよう!」編は、携帯トイレの必要な数を「1日に何回トイレに行くか」という身近なところから計算していきます。1人が1週間で何個いるのかを割り出し、そのまま自由研究としてまとめられる作りです。
なぜ、ここまでトイレの備えを大切にするのでしょうか? 過去の災害では、発災から3時間以内に54.7%の人がトイレに行きたくなったというデータがあります(日本トイレ研究所「能登半島地震(能登町)における発災後のトイレ事情調査」)。トイレを我慢しようと水分を控えると、かえって体調を崩すことにもつながります。政府の「防災基本計画」でも1週間分の携帯トイレの備蓄が勧められていますが、実際に備えている家庭はまだ多くありません。
うんちを入口に、自分のからだと防災を“自分ごと”に
防災の話は、子どもにとってどこか遠くに感じられるものかもしれません。この動画がおもしろいのは、その入口を“うんち”にしているところです。うんちは、子どもが思わず笑って身近に感じられるテーマです。自分のからだのことだから、自分ごととして考えやすくもあります。

動画の監督を務めたのは、三品万麻紗(みしな まあさ)さんと尾関彩羽(おぜき あやは)さんです。三品さんは宮城県の出身で、東日本大震災を経験しています。
三品さんは「あの時に痛感した備えることの大切さを、少しでも前向きな形で次世代で伝えていきたい」と話します。一時的な学びで終わらせず、家族と一緒に“もしも”の備えを見直せる内容を目指したといいます。
災害の備えは、目に見えにくいものです。だからこそ、子どもが自分の手を動かして学ぶ体験に意味があります。クイズに答え、携帯トイレに触り、必要な数を計算する。そのひとつずつが「自分でできる」という手ごたえになり、いざというときに落ち着いて動ける力を育てていきます。
夏休みの自由研究にぴったり!おうちでできる学び方
3本を順番に見ていくと、そのまま夏休みの自由研究になります。まずクイズで災害時のトイレを知り、次に携帯トイレの使い方を体験し、最後に自分の家に必要な備えの数を計算してまとめる。学んで、やってみて、考える、という流れです。
災害時に必要なのは、携帯トイレだけではありません。トイレットペーパーや照明など、家庭に合った備えを考えるきっかけにもなります。

あわせて、ネピアは「うんち日記シート」も公開しています。毎日の排便を、色や形、回数といった見方で記録するシートです。自分のからだの状態や生活習慣とのつながりに気づけるので、こちらも自由研究の題材になります。
動画も「うんち日記シート」も、すべて無料で利用できます。
この夏、親子でトイレの備えを話してみませんか?
「うんち教室」は、ネピアが日本トイレ研究所とともに2007年から続けている学習プログラムで、これまでに約2万人が参加してきました。うんちは、自分のからだの調子を映す鏡です。その身近なテーマを入口にすれば、遠く感じる防災も、家族で気軽に話し始められます。

災害の備えは、つい後回しになりがちです。でも、家族で「うちには何個いるかな?」と数えてみるだけでも、防災はぐっと自分ごとに近づきます。正解を覚えることよりも、自分で考えて手を動かしてみること。その一歩が、いざというときに家族を守る力になるはずです。
※記事の内容は公開時点の情報です。動画の最新情報は「うんち教室」公式サイトでご確認ください。
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