海のクレヨン

2人のプレゼンターが激推し!新学期おすすめの文房具は?【子育て文房具】

文房具のさまざまな魅力を知っている「文房具プレゼンター」のふじいなおみさんに、子どもと一緒に楽しく使えて、子どもの成長に役立つ文房具を紹介していただく企画の特別編です! 今回はふじいさんに加えて、ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」のパートナーで、ふじいさんと「たこなお文具情報室」としてユニットを組んでいる他故壁氏(たこかべうじ)さんが参加。「探求心を育む」「勉強が楽しくなる」「好奇心が芽生える」「親子で楽しめる」の4つのテーマにあった「新学期におすすめの文房具」を紹介します。

他故壁氏 ふじいなおみ

他故壁氏さん(左)とふじいなおみさん(右)

【探求心が高まる文房具】見ていて使うのが楽しく「どうなっているのか」気になる商品が登場!

未来:本日はふじいなおみさんに加えて他故壁氏さんも「未来へいこーよ」に初登場です。よろしくお願いいたします。

他故壁氏さん(以下、他故壁氏):よろしくお願いします。テーマにあった文房具をたくさん用意してきたので楽しみです。

未来:早速ですが最初のテーマは「探求心が高まる文房具」です。

半透明で削る仕組みがわかる鉛筆削り

ふじいなおみさん(以下、ふじい):それでは私から紹介いたします。こちらです!

トガリターン

ソニック「リビガク トガリターン 手動鉛筆削り」 2,200円(税込)

ふじい:ソニック「リビガク トガリターン 手動鉛筆削り」です。

未来:おお~! 本体が半透明になっていますね! デザインもかわいらしい。

ふじい:そうなんです。この鉛筆削りはリビング学習に役立つ商品のブランドである「リビガク」シリーズのひとつで、文房具でありながらリビングで使っていても違和感がないようなデザインになっています。

未来:なるほど、色も子ども向けというよりはシックで落ち着いた雰囲気があります。

ふじい:半透明になっていることで「鉛筆がどうやって削れていくのかがわかる」のが、探求心をくすぐられるところです。そしてもうひとつ、使っていく中で「不思議だな~」と思うのが「鉛筆がキレイに削れると戻ってくる」機能なんです。

未来:(実際にやってみて)ホントだ! ある程度回すと手ごたえがなくなって、そこから先は鉛筆がくるくる回りながら戻ってきます。読者にはソニックのYouTubeを見ると伝わりやすいかもですね。

ふじい:そうですね。鉛筆を無駄に削ってしまうことも防げますし、半透明になっているところからどうしてそうなるのかを観察するのも探求心につながる(より仕組みがわかりやすい透明タイプも発売中と思います。あと、昔の鉛筆削りにあった「鉛筆を押さえるクリップ」がついていないのも大人世代にとって不思議なところです(笑)。

未来:確かに! これはグッと押し込むだけでロックできるようになっているんですね。僕はあのクリップで指をはさんだことがあるので、安全性も高いですね。

ふじい:安全性といえば削りカスが入る「ダストケース」にロック機能がついているのも気に入っています。リビングで使っていると、何かの拍子に倒したりすることはよくあるのですが、そのときに削りカスがこぼれるのを防げます。

未来:気が利いてますね。これなら安心して子どもに使ってもらえます。

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いつも使うものにSDGsを感じられるものを

他故壁氏:私が持ってきた「探求心が高まる文房具」はクツワさんの「イイコト キャップ」と「イイコト キャップ&ホルダー」です。

キャップ&ホルダー

クツワ「イイコト キャップ&ホルダー」 330円(税込)、「イイコト キャップ」 308円(税込)

未来:商品のパッケージを見ただけでもう、魅力が伝わりますね(笑)。

他故壁氏:開発したクツワさんは先ほど出てきたソニックさんと同じ大阪のメーカーで、学童向けの文具が得意なところです。小学校に入ると鉛筆を使うようになります。鉛筆キャップは芯が折れるのを防いだり、転がっていかないようにできるのでたくさんの人が買うもので、さまざまな種類のものが出ています。この鉛筆キャップは材料の51%を「紙くず」「ホタテの殻」「タマゴの殻」の「捨てていたモノ」を使っているのがポイントです。

未来:使っている「捨てていたモノ」で見た目や材質が違いますね。

他故壁氏:よく観察してみるとホタテの殻はツブツブ感があったり、タマゴの殻だと反射したりしています。紙の場合は溶けきっているので手触りがなめらかです。一つひとつの値段は高くないので、使い比べてみると探求心が高まると思います。

未来:割合としては半分ですが、ここまでいろいろなものが再利用できるのも驚きでした。SDGsにもつながりそうです。

他故壁氏:SDGsについては小学校低学年の授業でも学ぶので、子どもから親に「SDGsって知ってる?」と聞かれるケースも増えてきているそうです。普段何気なく使うキャップが、SDGsにつながっていると知ったら子どもも興味を持ちやすいなと。

未来:普段捨てられる素材を再利用しているので、SDGsへの興味や探求心が広がっていきますし、限りある資源を使っているからこそ大事に長く使おうという意識も芽生えますね。素敵な商品です。

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【勉強が楽しくなる文房具】ユニークな仕組みがやる気を加速させる

未来:続いてのテーマは「勉強が楽しくなる文房具」です。勉強が楽しくなったら誰だってうれしいですけど、そんな文房具はあるんでしょうか?

がんばりが目に見える仕組みでやる気を引き出す!スマホアプリを使った遊び要素も

ふじい:あります! 私がおすすめする「勉強が楽しくなる文房具」は「しゅくだいやる気ペン」です。

しゅくだいやる気ペン

コクヨ「しゅくだいやる気ペン」オープン価格

ふじい:「しゅくだいやる気ペン」に鉛筆を挿して電源を入れると、やる気ペンのお尻のところがピカピカ光ります。最初は白で薄緑、緑というように鉛筆で勉強をしていくうちに色が変わっていきます

しゅくだいやる気ペン

よく見るとペン本体の根本部分がピンク色に光っています

ふじい:実際に冬休みに小学校1年生の娘に使ってもらったんですけど、色が変わると「次の色が見たいからもうちょっとがんばる」という気持ちにさせてくれるようで「今日はオレンジになった!」「ピンク色までできた!」と商品名通りやる気を出して取り組んでくれました。

未来:なるほど、がんばり具合が見た目ですぐにわかるので、子どものやる気を引き出しやすいわけですか。

ふじい:さらに、スマホのアプリと連動していまして、勉強をやったあとにアプリを起動して「しゅくだいやる気ペン」をかざすと勉強した量に応じてリンゴがもらえます。しゅくだいやる気ペン

ふじい:これが「やる気の庭」というスゴロク形式の世界につながっていて、いろいろなアイテムがもらえるようになっています。

未来:宿題をやったことで、それがゲーム的な遊びにつながるんですね。

しゅくだいやる気ペン

ふじい:2022年11月にバージョンアップされて導入された要素で、「動物」や「恐竜」「宇宙」などのさまざまなステージの中から好きなものを選んで進んでいくと「デジタル図鑑カード」がもらえます。

しゅくだいやる気ペン

未来:デジタル図鑑カードにも絵柄の説明が書かれていて、集めていくだけでなくいろいろなものを調べるきっかけになりそうですね。

ふじい:スゴロクの中に「お母さん」が立っている場所があります。そこに着くと大人からリアルにご褒美がもらえる、という設定になっています。ここは例えば「ガチャガチャ1回」とか「好きなスイーツ1つ」「家族でおでかけ」など、あらかじめ子どもと相談して決めておくのがおすすめです。

未来:日常の中でちょっとうれしいものがご褒美で入っているとやる気が出ますね。

ふじい:娘に使ってもらって気がついたのですが、ペンの電源を入れてからペンを動かしている時間も記録されているので、どれだけがんばったかがデータで記録されているというのもいいところです。

未来:逆に言えば「どれだけサボっているか」もわかってしまう(笑)。

ふじい:そうなんです。コクヨさんはこのペンを「親子のコミュニケーションツール」と考えているんです。リアルなご褒美や集中した時間がわかるところなど、単なるツールとして使うのではなくて、コミュニケーションするための機能として用意しています。毎日子どもの勉強の状況を記録していくと週に1回、大人に向けてアプリからアドバイスが届きます。これが「子どもの宿題って、大人の残業みたいなもの。だからご褒美が必要なんです」など書いてあって、私も楽しみながらやりました。

未来:大人と子どもがコミュニケーションを取りながら宿題に向かい合える文房具ですね!

コクヨ「しゅくだいやる気ペン」公式サイトへ

この文房具を使うために学びたくなる!めくり心地が気持ちいい単語カード

他故壁氏:私がおすすめする「勉強が楽しくなる文房具」はクツワさんの「ワンハンド単語カード」です。

単語カード

クツワ「ワンハンド単語カード」小330円(税込)、大385円(税込)

未来:一見すると普通の単語カードのようですけど、リングが2つついているのが気になりますね。

他故壁氏:普通はリングが1つですよね。これはリングを90度回転させて、表紙ポケットに人差し指を入れて持つと片手で使えるんです。

やみつき単語カード

未来:なるほど、バスや電車などで片手がふさがっているときでも使えるのはすごくいいアイデア!

他故壁氏:そうなんです。上下に切りかき(スリット)が入っていて、そこに親指をひっかければ簡単にめくれます。左端にも切りかきが入っているので、左利きの方も同様に使うことができます。ちょっと実際にやってみてください。

未来:おお~、これはやればやるほど、どんどん早くめくれていきますね。テンポよく「サッサッ」とめくれていくのが気持ちいい。商品の紹介に「やみつき」とありますが、まさにやみつきになる楽しさ

他故壁氏:私は「PCのショートカットキー」を記入して使っているのですが、むしろ「ワンハンド単語カード」を使いたいがゆえに「何か学ぶものはないか」と探したくらいです(笑)

未来:わかります。見ていて「何か覚えるものないかな…」と思っていたところでした(笑)。

他故壁氏:大人の学び直しにもいいと思います。クツワさんの文房具は学校近くの大きな文房具店に置いてあることが多くて、大人と子どもが一緒に買い物に行く場所です。昔、単語帳で勉強した大人が「今はこんなに便利になっているんだ!」と感動できる商品です。お子さんと一緒に自分の分を買うのもおすすめですよ。

クツワ「ワンハンド単語カード」公式サイトへ

【好奇心を育む文房具】原材料に注目&ミクロの世界が広がる文房具

未来:次のテーマは「好奇心を育む文房具」です。最初の「探求心が高まる」と少し似ていますが、よりワクワクドキドキするようなものをおすすめしてもらいたいです。

天然素材100%!使い終わった後に好奇心が育つ鉛筆

ふじい:「好奇心を育む文房具」として私がおすすめするのは「スプラウトペンシル」です。一見すると普通の鉛筆のようですが、SDGsにもつながるサステナブル(持続可能)な体験ができるものなんです。

スプラウトペンシル

スプラウト社(制作)、レトロバンク(販売)「スプラウトペンシル」 429円(税込)

未来:鉛筆の端に何か緑色のものがついていますね。

ふじい:緑色の部分がじつはカプセルになっていて、中に植物の種が入っています。鉛筆を使い終わったあとにカプセルを地面に植えると、カプセルが溶けて植物が生えてくるというものです。

未来:もともと木でできている鉛筆を使い終わったあと、第二の人生として植物が生えてくるわけですか、一粒で二度おいしいですし、鉛筆を使うのが楽しくなりますね。植物の種はどんなものが用意されているのでしょうか?

ふじい:現在はバジルやセージ、コリアンダー、パクチー、忘れな草、ひまわりなど全部で10種類あります。芯の色によって選べる種が違っています。今日は実際にバジルを植えたものを持ってきました!

スプラウトペンシル

未来:おお~、右側に緑色の芽が出ているのがわかりますね。土に鉛筆が刺さっているのがかわいいし、家の中でインテリアとして飾りながら成長を観察してもよさそうですね。

ふじい:種類によって気温や室温による発芽のしやすさなどがありますから、鉛筆を使いきる時期を逆算しながら買うといいかもしれません。買う前に植物のことを調べること自体、子どもの好奇心につながりますし、鉛筆から出た芽が成長して花が咲いたら感動すると思います。鉛筆自体も100%天然素材を使っていて、木の部分はサステナブルウッド(持続可能な森林認証を取得した木材)を使っています。

未来:サステナブルウッドを選ぶという体験自体、自分自身がSDGsやサステナブルに興味を持つきっかけになりそうですね。

レトロバンク(販売)「スプラウトペンシル」公式サイトへ

ミクロな世界をいつでも覗ける!持ち歩ける顕微鏡

他故壁氏:「好奇心を育む文房具」って何かな? と考えたとき、自分が子どもの頃を思い出して「ミクロの世界」というのに憧れがあったのを思い出したんです。理科の実験で顕微鏡を使ってミジンコを見たとき、かなり衝撃を受けました。

未来:わかります。小学校で行う実験の中でもとくにインパクトがあるもののひとつではないでしょうか。

他故壁氏:でも、顕微鏡は当時の子どもが気楽に買えるような値段ではなくて、学校で使うのを楽しみにしていたんです。かつてそんな思いをした方や、今顕微鏡を見て「楽しい!」と思っている子どもにおすすめしたいのがレイメイ藤井さんの「ハンディ顕微鏡DX(デラックス)」です。

ハンディ顕微鏡デラックス

レイメイ藤井「ハンディ顕微鏡DX(デラックス)」 3,850円(税込)

未来:なんと、持ち運びできる顕微鏡ですか!? しかも、子どものお小遣いでは難しいかもですが、大人なら買えそうな値段…。

他故壁氏:私が持っているのは250倍まで拡大できる「DX」ですが、倍率が120倍までのものや20倍まで見える入門用のものはもう少しお求めやすい値段になっているので、年齢や興味に合わせて選べます。ここからは「DX」をベースにお話しますね。顕微鏡は下から光を当てて観察物を見る「透過型」と、上から光を当てる「落射型」の2タイプがあるのですが、これはどちらも使うことができます。基本的な使い方はYouTube動画を見ていただければわかりやすいです。

未来:実験でおなじみの「プレパラート」がついてくるのもいいですよね。

他故壁氏:持ち運びやすいサイズで、かつストラップもついているので小さなカバンにも入ります。何気に便利なのが「ライトがつくこと」で、停電したときや暗い場所で懐中電灯代わりに使えます。

ハンディ顕微鏡デラックス

他故壁氏:さらに楽しいのが付属のスマホアダプターを使ってスマホを固定すると、拡大したものがスマホのカメラで見えます。

ハンディ顕微鏡デラックス

本を拡大してみると、描かれている文字やイラストが赤や青、紫などの色が組み合わさってできていることがわかります。

未来:ホントだ! 顕微鏡だと交互に覗き込まないといけないですが、大人と子どもが一緒に観察できるのはいいですね。

他故壁氏:もちろん、スマホのカメラを使っているので写真も撮れます。さらにUV(紫外線)ライトを出すこともできます。例えば郵便物には見えないバーコードが入っているのですが、これで照らすと見えます。

ハンディ顕微鏡デラックス

未来:はがきに見えないバーコードが印字されているなんて知らなかったです! まさに好奇心が高まりそうな顕微鏡ですね。

他故壁氏:そのほかにも紙幣やパスポート、宝石、ホコリなども光って見えるので、家の中にあるものでどれが光るか見られるのも楽しいです。持っているだけでワクワクしてしまう顕微鏡が「ハンディ顕微鏡DX」です。

レイメイ藤井「ハンディ顕微鏡DX(デラックス)」公式サイトへ

【親子で楽しめる文房具】興味を持たせる仕組みが秀逸

未来:最後のテーマは「親子で楽しめる文房具」ですね。これはお二人に出していただいたテーマです。

ふじい:私がおすすめしたいのはクツワ「学べる2ドア筆入」です。

学べる2ドア筆入

クツワ「学べる2ドア筆入」 1,980円(税込)

未来:2ドアタイプの筆入ですね。これは子どものテンションが上がるのがわかります

ふじい:我が家では新幹線の写真や乗車駅がわかる「駅名」を購入しましたが、ほかにも恐竜の名前や生息していた時代がわかる「恐竜博士」や、さまざまな海の生き物が描かれている「海洋生物」の計3種類があります。どのシリーズも図鑑のように、ながめているだけで楽しいです。

学べる2ドア筆入れ

未来:裏側には駅名がたくさん入っていますね! 勉強そっちのけで見てしまいそうです(笑)。

ふじい:そういう子も少なからずいるので、学校によってはこういうタイプの筆入は「持ってこないように」と言われている場合があります。我が家では自宅学習のときに活用しています。というのも、娘が自宅で勉強を始めるとき、普段置いてある場所から鉛筆1本だけをリビングに持ってきて、文字を間違えたらまた消しゴムを取りに行く…ということをやっていたので、自宅用の筆入があったらいいなと。それで「学べる2ドア筆入」を使ってみたら、筆入としてもすごくスペックが高いことに気がつきました。

未来:具体的にはどのあたりでしょうか?

ふじい:例えば、鉛筆を入れるパーツにはスリットが入っていて、ある程度太い鉛筆でも幅を調整して入れることができます。鉛筆は7本入れられるので、学校に持っていくときに授業で1時間に1本使うと6時間ぶんと赤(学校によっては赤青)鉛筆を入れられます。鉛筆の隣のスペースには学校でも「持ってきてください」と言われることがある名前ペンなどが入ります。上部には消しゴムと、小さめの鉛筆削りも入れられます。

学べる2ドア筆入

未来:筆記用具はここに全部集められるイメージですね。

ふじい:2ドアなので裏側も開きます。ここには定規(15cmまで)や三角定規、分度器が入れられます。しまいやすいように型(ガイド)がついているのも親切です。

学べる2ドア筆入れ

未来:なるほど、よく考えられていますね!

ふじい:筆入としての大きさもよく考えられていて、ランドセルを立てたとき、筆入を横にして上から乗せるときれいに収まるサイズです。今のランドセルはA4サイズのプリントなどが入れやすくなっていて、教科書はB5のものが多くなっています。そのB5の教科書の上に横にして入るのと、ランドセルのポケットにも入るのも使いやすいところです。また、以前のものより教科書一冊分薄くなっているので、学校で使うときも机に入れやすいというのも魅力です。

未来:ふじいさんは自宅学習用に使っていますが、学校側がOKなら学校に持っていく筆入としてもよさそう!

ふじい:公式サイトには「この広い世界に興味を持って好きなことを探し求める。その入口となる『学び』が得られる。そんな筆入になることを目指して、この筆入を作りました」というメッセージがあって、まさに「親子で楽しめる文房具」だなと思いました。

未来:親世代もよく知っているタイプの筆入ですが、中身が使いやすくなっているうえに好奇心を刺激する外見になっているのは素敵ですね。

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「どうしてこの色なのか?」が知りたくなるクレヨン

他故壁氏:私が「親子が楽しめる文房具」として持ってきたものはスカパーJSAT(ジェイサット)「海のクレヨン」です。まずはこの箱を見ていただきたいんですけど、名前からして「海の色のクレヨン」ということはわかりますが「じゃあ、なぜ赤や黒があるのかな?」と大人と子どもで考えてみてもらいたいんです。

未来:確かに、海なのに赤や黄色っぽいのもありますね。それぞれに数字が書かれているのも気になります。

海のクレヨン

スカパーJSAT「海のクレヨン」2420円(税込)

他故壁氏:箱を開けてみると、表紙にあったさまざまな色は世界中の海の写真だったことがわかります。このクレヨンを制作したスカパーJSATは日本初で国内最大の衛星放送「スカパー」を運営しているんですが、じつは衛星を使ったさまざまな宇宙事業をしている「宇宙で“実業”をする会社」なんです。

未来:なるほど、衛星から撮った写真がここに使われているわけですね。

海のクレヨン

他故壁氏:写真があるページをめくると、海のクレヨンが出てきます。宇宙から見ると地球は青いことが知られていますが、同じ海でもいろいろな色があることがわかります。この箱にはそれぞれの海がなぜこんな色になっているかの解説はないのですが、QRコードを読むと特設サイトが立ち上がって、そこからどこの海なのかを調べられるようになっています。

海のクレヨン

未来:サイトを実際に見てみると、その色になった理由もわかりますし、色について愛着も沸いてくるのを感じます。箱やクレヨンに書かれている数字は座標なんですね。海だけに深い(笑)。

他故壁氏:そうなんです。普通なら黄色や赤色と呼ぶべき色の名前がなくて、どれも「海の色」なんですね。上の写真のメッセージにも書かれているとおり「名前はないが、理由はある色」なんです。例えば左から三番目のクレヨンは、グリーンランドのパーミウト付近の海。夏になるとグリーンランド氷床の一部が溶けて、岩山を削って砂を飲み込みながら海に流れ出たときの色です。

未来:特設サイトには「この色の豊かさを、もっと多くの子どもたちに伝えたい」「もっと地球を知りたくなり、地球を好きになる。そして地球を大切に想う」とも書いてあって、力強いメッセージが心に刺さります。確かに、このクレヨンがなければおそらく一生知る機会がなかったであろう場所ばかりで、説明を読んでいるだけで楽しいです。

他故壁氏:紹介したグリーンランドのパーミウト付近の海には、宇宙空間のような空気がないところや放射線にさらされても生きていける「地球最強の生物・クマムシ」がいて、藻類を食べているとも書かれていて「世の中にそんな生き物がいるんだ!」と驚きました。

未来:大人もここで初めて知る情報がたくさんあるんですね。

他故壁氏:文章は大人向けで少し難しいので、子どもは大人と一緒に読んだり、音声で読み上げてくれる機能を使って一緒に読んでみるのがおすすめです。英訳も書かれているので、英語を習い始めたらそこを読んでみてもいいです。もちろん、クレヨンとして見ても普通のクレヨンにはない色が入っているので、好きなように塗っていくだけでも十分楽しめます。説明が難しくてわからなったら、まず「海にはいろんな色がある」ことだけ覚えておいてもらって、もっと大きくなって知ってもいいです。

未来:衛星写真を見せるだけでなく、クレヨンにしたアイデアも企業として素晴らしいと感じました。

他故壁氏:そうですね。今はSDGsに社会全体が取り組んでいますし、スマホで誰もが情報にアクセスできるようになっているので、むしろ「今だから商品化できた」ものだと思います。それに自分たちが事業として取り組んでいることについて商品を使って紹介できているところもいいですね。このクレヨンを制作しているメーカーも、すごく真摯にキレイなクレヨンを作っているメーカーなんです。昔からある製法で口に入れても問題がないというところも含めて、子どもが使うことに配慮された製品なのもポイントです。

スカパーJSAT「海のクレヨン」公式サイト

未来:ふじいさん、他故壁氏さん、素晴らしい文房具の数々を紹介していただき、ありがとうございました! 正直、どれも欲しくなってしまいました(笑)。子どもが新学期を迎えるご家庭は、ぜひ参考にしてくださいね。

お話を伺ったのは…ふじいなおみさん 。文房具のさまざまな特長・長所をより多くの方々に広める(プレゼンをする)「文房具プレゼンター」として活躍。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」をはじめ、ステイショナー「文具のとびら」、 小学館「HugKum」、 日経BP「日経xwoman DUAL」などのweb連載、動画「イロブンの引き出し開けていこう」など、さまざまなメディアで発信を行っている。万年筆のインクにも造詣が深い。

お話を伺ったのは…他故壁氏さん。静岡県浜松市生まれ。またの名を【ブンボーグA(エース)】。きだてたく氏、文具王・高畑正幸氏とともに、文房具のことを話し始めると止まらないトークライブユニット「ブング・ジャム」を結成。定期的にトークライブを行うほか、雑誌連載、ムック本での文具情報コーナーへの参加などで活動。文具三賢人の一人である。筆記具やノート、その他持ち運ぶことのできる文房具全般に興味を持っている。

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6歳の息子と2歳下の妻と暮らすパパで、息子が成長していくにつれて「育児が最高におもしろい!」と気づいて、某ゲーム雑誌編集部からアクトインディに入社。発達がゆっくりな息子と向き合いながら、毎日笑いの絶えない生活を送る。子育て以外ではゲームとお酒が好き。息子の影響で鉄道にも詳しくなった。

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