今回は、小学3年生の娘さんを持つママからのご相談です。親に対して強い言葉を言ったり、思い通りにならないと泣き叫ぶ娘さんに悩んでいるとのこと。効果的な叱り方や対応などについて、専門家にアドバイスをいただきました。
このお悩みにアドバイスをくれたのは…
青木康太朗(あおきこうたろう)先生
〈監修者プロフィール〉
國學院大學人間開発学部子ども支援学科教授
大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科修了。国立青少年教育振興機構研究員,北翔大学生涯スポーツ学部准教授を経て現職。専門は青少年教育、野外教育で、自然体験活動の教育効果や安全管理の研究、指導者の養成、体験活動の普及啓発に取り組んでいる。文部科学省生涯学習調査官、こども家庭庁「子ども家庭審議会基本政策部会」臨時委員、国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター客員研究員等を務める。
<相談内容>
小学3年生の娘の叱り方が難しいです。うるさいなど強い言葉を使ってきたり、親を馬鹿にする発言をしたり、自分のわがままが通らないと泣き叫んだり、暴れたりします。効果的な叱り方を教えていただけますか。
暴言の裏にある子どもの本当の気持ち
まず、子どもが暴言を吐いていることに対して、大人が正面から受け止めてしまうのは良くありません。つまり、子どもの暴言に対して「何を言ってるの!」など、大人も感情的に返してしまうことは避けるべきです。
小学校3年生くらいだと、腹が立った気持ちを冷静に伝えられず、感情が爆発してしまうことがあります。そこには「うまく言えない」「自信がない」「不安」「かまってほしい」など、自分の本当の気持ちをうまく伝えられない思いがあり、その感情の現れとして「うるさい」などといったきつい言葉が出てきてしまうのです。
そんなときに、大人が「親に向かってうるさいとはなんだ!」などと感情的になってしまうと、子どもはどうしていいのかわからなくなってしまいます。
まずは保護者が毅然とした態度を示す
子どもが感情的になってしまっているときこそ、大人は冷静になって、毅然とした態度を取ることが必要です。例えば、「それは違うよね」と冷静に伝えたり、「そういう言い方をするならお母さん(お父さん)は話を聞きません」など、それ以上の関わりを一旦断つといった対応です。
大切なのは、子どもが「不安定になっている」と理解したうえで、毅然とした態度をとるということです。
落ち着いてから本当の気持ちを聞く
毅然な態度をとったり、一度突き放したりすることで、子どもは泣いたり騒いだりするかもしれません。でも、それは何時間も続くわけではありません。
子どもが落ち着くまで待ってから「なぜあんな風になったの?」「本当は何を思っているの?」と聞いてみるといいと思います。
そして、「あなたの気持ちは分かったよ」と受け止めつつ、「でも、どうしたらよかったかな」「どう伝えればよかったかな」と一緒に考えていきます。子どもが自分の気持ちをうまく表現できない部分を、大人が一緒に考えていき、正しい言い方に「気づかせていく」ことが大事なのです。
子どもは「かまってほしい」「さみしい」などという気持ちから、わざと大人が嫌がるような行動をとることがあります。ただ「反応しない」だけでは、不安が募り、また繰り返してしまいます。大切なのは気持ちを受け止め、一緒に考えることです。
冷静になれば自身で気づけるはず
私の経験からいうと、日帰りキャンプで、「死ね」「バカ」などと暴言を吐きながら友だちに手を上げようとする男の子がいました。私はその子を抱き止めて「絶対にそれはダメなことだから」と毅然と言いました。でも彼は「うるさい!だまれ!」と言い続けていました。それでも手を押さえ、落ち着くまで待ちました。
やがてその子は泣き出して、落ち着いてから「あの子にこんなこと言われて嫌だった」と本当の気持ちを話してくれました。「それは嫌だったよね」と共感しながら、「でも叩いていいの?『死ね』って言っていいの?」と問いかけると、子どもも「本当は違う」と気づきました。
子どもも、冷静になれば「本当はこう言いたかった」という気持ちに気づけるのです。そこで「次はどうしたらいい?」「こうしようね」と一緒に考えることで、子どもは感情コントロールを学ぶ機会となり、成長するチャンスになります。「叱る」というより「一緒に考える機会」ととらえると、大人も前向きになれると思いますよ。
お話を伺って
子どもの暴言や強い言葉の裏には、うまく表現できない感情や不安があることを忘れたらいけないということを、とても考えさせられたお話でした。親として、子どものうまく表現できない気持ちに目を向け思いを寄せると、「子どもの心」と向き合えるような気がしました。「叱る」ということではなく、子どもの気持ちを「一緒に考える」ということを、忘れないでいたいですね。
國學院大學人間開発学部子ども支援学科教授
大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科修了。国立青少年教育振興機構研究員,北翔大学生涯スポーツ学部准教授を経て現職。専門は青少年教育、野外教育で、自然体験活動の教育効果や安全管理の研究、指導者の養成、体験活動の普及啓発に取り組んでいる。文部科学省生涯学習調査官、こども家庭庁「子ども家庭審議会基本政策部会」臨時委員、国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター客員研究員等を務める。
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