【子育て人生相談】怒るとすぐ叩いてくる子ども、どうしたらいい?

子育て人生相談
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今回は、子どもが怒られると叩いてくることに困っているという小学2年生の女の子を持つママからの相談です。学校に行きたくないと言うこともあり、どうしたらいいでしょうか…というママのお悩みについて、教育の専門家にアドバイスしてもらいました。

このお悩みにアドバイスをくれたのは…

今井重孝先生
今井重孝〈監修者プロフィール〉
東京工芸大学講師、助教授、教授、広島大学教授、青山学院大学教授、川口短期大学こども学科教授をへて、現在は青山学院大学名誉教授。専門は、教育学、ホリスティック教育、シュタイナー教育思想。

Q:怒られると叩いてくる子ども、どうしたらいい?

小学2年生の女の子のママです。子どもが怒られたり注意したときに、手がでるので困っています。「痛いよ、お母さんなにもしてないのになんで叩かれないといけないの?やめてくれる?」と言うと、いけないとわかってはいるものの止められないようです。

また、学校に行きたがらないこともあります。家では元気だから全く気が付かなかったのですが、1年生の時に突然学校に行きたがらなくなったことがありました。事情を聞くと、授業中に手を挙げて発言したときに、後ろから友だちに「気持ち悪い」と言われたり、友だちの輪にうまく入れなかったり、嫌な気持ちになることがあったようです。私は「友だちが遊んでくれなくてもいいじゃないの」と子どもに伝えましたが、それが正解なのかわかりません。手が出ること、学校に行きたがらないことについて、アドバイスをいただけるとありがたいです。
(小学2年生の女の子のママ)

 

A:親の怒りを模倣しているので、まずは怒らないようにすること

お子様の手が出てしまうということですね。小学2年生だとだいたい8歳なので、大人が言葉で怒ったり注意したりしてもまだ理解できず、どうしていいのかわからないのだと思います。この年齢の子どもは体でしか表現できないから叩くのです。

シュタイナー教育の発達段階でいうと、9歳頃まではまだ模倣によってしか学べない年齢です。お母様が注意したり怒ったりするとお子さんが手を出すのは、その年齢の特徴である「強い動きへの欲求」のせいで、攻撃的になりやすいからです。子どもは怒られたり注意されても言葉で言われたことの意味がわからず、怒られたこと自体に腹を立てます。だから反発したくなって、手が出たりするのです。まずは、大人が怒らないようにすることです。

また、「どうして叩くの?」と子どもに言うのは、避けたほうがいいと思います。子どもは言われても意味がわからない上に、自分は悪い子だと感じて傷ついたり自信がなくなったりする可能性があります。子どもは怒られて抑え込まれたことに対して不満を持つだけでなく、自分のことを否定されて二重に傷つくことになってしまいます。叩かれたときは言葉ではなく、ご自分の体を使って攻撃を防ぐようにしたほうがベターです。

子どもの攻撃的な欲求は、家事の手伝いや手仕事、庭仕事、体操などを一緒にやってみるなどして解消すると良いですよ。そうすると気持ちが落ち着いてきて、手を出すなどの行動がなくなる可能性が高くなります。子どもは親が大好きで、親の役に立つことをしたいのです。仕事をしてもらう、助けてもらうというのは、子どもの教育にとってとても良いことです。ただし、子どもが手伝いをしてくれた時に褒めるのはあまりよくないです。褒められなかった時に不満に思うなどマイナスな側面があるからです。褒めるのではなく、「ありがとう」と言うのがいいでしょう。そうやって自分が言われると友達などにも「ありがとう」と言えるようになります。

学校に行きたくないとお子様が言っていることについてですが、7~8歳の子どもたちというのは、体で表したくなる年齢です。さきほどご説明したとおり「動きへの欲求」があり、いじめや衝突が起こりやすくなります。学校に行きたくないと言っているのでしたら、その理由をよく聞いてあげてください。授業や先生について、給食の時間、体操の時間、席の位置について、また、休み時間に何をしてるか、気が合う子や尊敬できる子がいるのか、学校での気分についてなど、さまざまな話を詳しく聞いてみましょう。今の時代は、小学校1年、2年、3年がいじめのピークと言われているので、クラスメイトとの関係なども聞いてみるといいでしょう。このようにお母様がさまざまな角度から聞いてあげると、お子様はきっと話してくれると思います。こうして、どこから学校に行きたくないという気持ちがきているのかを理解することが大切です。

一番大事なことは、子どもが行きたがらないという気持ちを大事にして、お子様の気持ちに寄り添ってあげることです。その子が落ち着くように支えてあげるのです。どんなことでも、子どもが何か欲求を出したらそれを大事にしてください。まずは、子どもの気持ちの状態を知り、どうしたらその子の気持ちを活かした方法でよりよくできるかを考えてあげてください。

学校に行きたがらない場合、子どもにとって最適な対処法は子どもによって異なります。行かない方がいいという子もいれば、無理に行かせるとかえっておかしくなる子もいます。その子にとって何がいいかは、それぞれの子どもによって違うのです。子どもをコントロールしようとしてはいけません。学校は行くものだとか、ああしろこうしろというようなことは言わないようにしてください。学校に行くかどうかよりも、お子様にとってより良い環境を作る方法を一緒に考えてあげてください。

子どもが叩いてしまうのは、大人が怒っていることを模倣して、叩くことで不満を表現していたからなのですね。大人は自分たちが子どもを見ているように思っていますが、実は大人も子どもからよく見られていて真似されているかもしれないことを忘れそうになります。まずは怒らないようにしなくてはいけないということを理解しました。また、子どもがなにか欲求を出したら、その子の気持ちの状態を知り、子どもの気持ちに寄り添うことが一番重要ということを教えていただきありがとうございました。

お話を伺ったのは…今井重孝先生
1948年愛知県生まれ。東大教育学部卒業後、同大学院に学び、西ドイツ政府留学生としてボン大学に留学。教育学博士(東京大学)。東京工芸大学講師、助教授、教授、広島大学教授、青山学院大学教授、川口短期大学こども学科教授をへて、現在は青山学院大学名誉教授。専門は、教育学、ホリスティック教育、シュタイナー教育思想。著書に、単著『“シュタイナー”「自由の哲学」入門』(イザラ書房)など多数。現在、日本シュタイナー学校協会専門会員。社会の未来を考えるホリスティック教育研究所を主宰。

 

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2013年に長女、2015年に長男を出産し、育児に奮闘する日々。家の中にいるのは苦手で、新しい場所やモノが大好きな「THEミーハー」体質。子どもたちにもさまざまな経験をさせるべく、家族のおでかけや遊びの計画をたてるのが日課。趣味は読書、ドライブ、DIY、ヨガ、お酒、シートマスク検証、写真撮影。

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