【子育て人生相談】夢中になっているものが「ゲーム」…それでもOK?

子育て人生相談
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今回は、小学4年生の子どもを持つパパからの相談です。子どもに何をさせるべきかわからない、本人が夢中になっているゲームをやらせていていいのかどうか…というお悩みについて、専門家にアドバイスしてもらいました。

このお悩みにアドバイスをくれたのは…

瀧 靖之先生
瀧 靖之先生東北大学加齢医学研究所教授、医師、医学博士。脳の発達や加齢のメカニズムを明らかに。脳科学の知見と自身の子育て経験を活かして、メディア出演など幅広く活動中。

Q:夢中になっているものが「ゲーム」でもいいの?

小学4年の男子のパパです。子どもに何をやらせたらいいのかがわかりません。
友だちが入っているので本人がやりたいと言い出した地域の野球チームに入れているのですが、週末の試合や練習だと嫌そうで、やる気が今ひとつなのが気になっています。とはいえ、友だちがうまくなって悔しい気持ちはあるようで、試合で空振りをした時は悔し涙を浮かべていました。自分も昔野球をやっていたので、息子と話し合って一緒に練習をしたりしていたら少しやる気が盛り返してきたのですが、でも基本は野球がそんなに好きではないのかなとも思い始めました。

他に子どもが夢中になってやっていることは、実はゲームです。マイクラ(マインクラフト=仮想空間にブロックで街や建物を自分で作り、その中に冒険に行くオンラインゲーム)などを1日に3時間でも4時間でもずっとやっています。マイクラはゲームなので、親としてはやらせるのに抵抗があります。特に妻は非常に抵抗があるようです。自分は、妻ほどダメだと思っていませんが、それでも確かに1日に4時間もやらなくていいのではないか、とは思います。
運動をやってほしい気持ちがあるのですが、あまりやる気を見せない野球ではなく、子どもが夢中になっているマイクラをやらせるということでもいいのでしょうか?先日、マイクラの開発ができるプログラミングスクールを見つけました。そこまでマイクラが好きなら、そのプログラミングスクールに通わせてみようかと思っていますが、やらせるのが「ゲーム」という迷いもあります。
(小学4年男の子のパパ)

A:夢中になれるものがあるのは素晴らしい!

本人がやりたいと言い出して始めた「野球」は今ひとつやる気が感じられず、それほど好きではないかもしれないということですが、これに関しては「やってみた」ということがまず素晴らしいことです。やりたいと思って始めたことが、実際にやってみたら「こんなもんか」と思ったり、別のことに興味が移るのはよくあることです。それもすべてやってみて初めてわかることであり、やったことはすべて経験となり将来役に立ちます。中学に入ってから、大人になってからなど、急に野球をやりたいと思い始めたりしたときにすぐやりはじめられるという利点もあります。とにかく「やってみた」というだけで十分素晴らしいことだと思います

運動をするのかゲームをするのか、どちらがいい悪いというつもりはありませんが、脳科学の観点から言えば身体を動かすことはたしかに脳の発達に有効です。それだけではなく、身体を動かすことで学力がアップしたり、不安を取り除いてストレスが解消されたりするなど、さまざまな良い効果が証明されています。ですから、今やっている野球などの運動は何かしらの形でやった方が良いかなと思います。

本人がやりたいと望んでいることは出来るだけやめさせない方がいいです。ゲームに関しては時間を決めてその時間内は好きに遊んでOKとするのがよいでしょう。プログラミングスクールに関しても私は賛成です! 子どもの好奇心を育むうえで「熱中体験」というのは非常に大切です。本人が夢中になってできることがあるのは素晴らしいことなので、その好奇心を伸ばすようなサポートができると理想的だと思います。ただしゲームには中毒性があり、やり過ぎると本来そこで親子でコミュニケーションをとったり、運動したりしていたはずの時間が奪われかねないという側面もあります。ですから、プレイする時間を予め決めておくのがいいと思います。そしてゲームをするのであればなおさら、親子で一緒にジョギングや縄跳びをするなど、適度に運動を取り入れられるといいですね

ゲームをやらせたくないという親も多いですが、子どもが夢中で取り組める「熱中体験」という意味ではゲームも悪くなさそうですね。1日に遊ぶ時間を決めるなどして、それだけにならないように気をつけながら、子どもが「好き」を伸ばすのをサポートできるといいですね。

お話を伺ったのは…瀧 靖之 教授
東北大学加齢医学研究所教授、医師、医学博士。脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。読影や解析をした脳MRIは、これまでにのべ約16万人に上る。10万部を突破するベストセラーとなった「賢い子に育てる究極のコツ」の他、多数の著書を執筆。脳科学の知見と自身の子育て経験を活かして「こんなカンタンなことで 子どもの可能性はグングン伸びる!」「16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える こどもの頭がよくなるルールブック」を出版するなど、メディア出演など幅広く活動中。

 

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2013年に長女、2015年に長男を出産し、育児に奮闘する日々。家の中にいるのは苦手で、新しい場所やモノが大好きな「THEミーハー」体質。子どもたちにもさまざまな経験をさせるべく、家族のおでかけや遊びの計画をたてるのが日課。趣味は読書、ドライブ、DIY、ヨガ、お酒、シートマスク検証、写真撮影。

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