子どもの夢応援企画 第19回:女優 星野真里さん

子どもたちの憧れの職業について、その道のプロからお話を伺い、夢の育みをサポートする『子どもの夢応援企画』。今回は、映画・ドラマ・舞台などでさまざまな役を演じる「女優」です。10代の頃から多くのテレビドラマに出演し、映画や舞台でも活躍する演技派女優の星野真里さん(35 ※2017年インタビュー当時)にお話を伺いました。

引っ込み思案だった子ども時代 弟の後を追って劇団へ

星野さんの女優人生のスタートは7歳のとき。子役時代を含めるとそのキャリアはすでに28年になるというから驚きです。そもそも子役として活動するようになったきっかけは、先に児童劇団に入っていた弟さんの影響でした。

「もともと母がこういう世界に興味があって、先に弟が劇団に入っていました。そこで運よくテレビに出る機会をいただきまして。私はすごくテレビが好きな子どもだったので、そこに映っている弟を見て『同じことをやりたい!』と両親にお願いして入れてもらいました。」

「当時の私はすごく引っ込み思案で、人前に出ると何も話せなくなる子だったので、そんな子が…と両親はすごくびっくりしたみたいです。そんな性格が少しでも直ればいいな、と期待を込めながら応援してくれていました。」

その後、先に始めた弟さんは劇団をやめてしまったそうですが、星野さん自身は学校とは全く違う撮影現場の雰囲気が楽しいと、さまざまなオーディションに挑戦していきます。

劇団から芸能事務所へ! 女優としての仕事を自覚

「子どもの頃は、あまりお仕事という意識はなくて。周りの友達が、『パイロットになりたい』とか『パティシエになりたい』と言うのと同じレベルで、『将来は女優になる』って言っていました。ちゃんと女優という仕事をしていることを認識するようになったのは14歳になった頃でした。」

当時、レギュラー出演していたのが、広く知られるきっかけにもなったテレビドラマ「3年B組金八先生」(TBS)。この作品への出演と同時に芸能事務所に所属した星野さんは、マネージャーさんにプロとしての心構えをしっかり叩き込まれたそうです。

「『これは仕事なんだぞ!』と本当にビシビシと厳しく教えてもらいました(笑)。それまでの根拠のない自信みたいなものが全てなくなってしまって。そこからは『この仕事をやっていきたいけれど、自分にやっていけるのだろうか…』という気持ちとずっと戦いながら、一つひとつの仕事を積み重ねてここまできた感じです。」

暗黒時代を乗り越えて掴んだ「女優としての覚悟」

「この世界は競争も激しく、常に挑戦し続けなければ居場所がなくなってしまう。ずっと安心することなく前に進み続けることが大事」と女優のお仕事の大変さについて話してくれた星野さん。実は10代後半から20代前半には、全く自分に自信が持てずに悩んだ暗黒の時代があったそうです。

「やめたいと思ったことはないんですが、『やっていけるかな、他の道を探した方がいいかな』と思ったことはありました。そんなときに出合ったのが、映画『さよならみどりちゃん』という作品です。この作品で海外の映画祭で主演女優賞を授賞したのですが、『この賞をいただいたからには、女優として覚悟を決めなければ』と思わせてもらいました。栄えある賞に自分が選ばれたからには、それを受け止めてちゃんと歩んでいこうと決意しました。」

後々まで見てもらえる作品に参加できる幸せ

大きなプレッシャーがかかる大変な仕事ですが、たくさんの作品に関わることで幸せを感じることも多いとのこと。

「お芝居はウソの世界、セリフも作られたものですが、そのキャッチボールがすごくリアルに感じられる瞬間があるんです。私自身はもともと人と話すのは得意じゃないですけど、役を通して『軽快に人とコミュニケーションが取れる人』を疑似体験できるのが、個人的にはすごくおもしろいなと思います。」

「それに、女優として関わった作品はずっと後々まで残って、たくさんの人に見ていただけるものです。その作品を見た誰かの心を動かせたり、よかったなと思ってもらえたりするのは、すごく幸せなこと。そういうものに関わることができるというのは、やっぱりすばらしい仕事だなと思います。」

母になって生まれた新たな決意

そんな星野さんも2011年に結婚、2015年には女児を出産し、現在は一児の母。仕事に復帰した今は、周囲の人に支えられながら、女優と母親の両立に悪戦苦闘しているようです。

「私の場合は協力してくれる人が周りにいるというのが一番の強み。それは主人であり、実家の母だったりするんですけど。それがなかったらとてもじゃないけど、働けなかったと思います。なので周りの人には本当に感謝していますね。こうやって協力しあっていくのが家族なんだって今はすごく実感しています。」

「だからこそ、同じように仕事と子育てを頑張っているお母さんたちには『一人で頑張らないで!』と言いたいです。素直に周りに甘えて、大変なことも楽しいことも共有していきましょう。私もぜひそうしていきたいと思います!」

子どもが生まれたことで、仕事に変化はあったのでしょうか?

「映画で賞をもらった時に女優としての覚悟をしたのと同じように、子どもを産んでもうひとつの覚悟ができた気がします。『この仕事を生涯続けていこう』と。それは、子どもが大きくなった時に、女優として働く自分を見て『すごいね』って言ってもらいたいから。今は子どもにそう思ってもらえる女優でいたいと思っています。」

子どもたちの素朴な疑問に星野さんが回答!

ここで星野さんに、子どもたちから寄せられた3つの質問にも答えてもらいました。

Q.お休みはありますか?

「ちゃんとありますよ(笑)! ただ舞台の場合は、お稽古が始まって公演が終わるまで1カ月くらいは休めないこともあります。ドラマや映画など、その時にやっているお仕事によってお休みはバラバラですね。もともと家と家事が好きなので、休日は念入りに掃除と洗濯をすることが多いですね。私の場合、家の中を整えることで、自分の状態も整えられる気がします。」

Q.泣く演技の時は何を考えていますか?

「実は泣く演技はちょっと苦手なんです。よくペットが死んじゃった時など、過去の悲しかった出来事を思い出すという人もいますが、私の場合は基本的にそのお話以外のことは考えないですね。『この人はどういう気持ちなんだろう』と、自分に想像できる限りするようにしています。あとは、『泣こう、泣こう』と思い過ぎると逆に泣けないので、最終的には開き直りも必要ですね(笑)。」

Q.セリフはどうやって覚えますか?

「私はひたすら一人でブツブツ言いながら覚えます。書いたり、録音したり、人と読んだりということはほとんどないですね。テスト前に教科書を覚えるみたいに、一行一行、手で隠しながらやります。単に言葉だけを見て覚えるのは難しいですが、シーンの流れとか気持ちの動き方などを考えながら覚えると、セリフがスッと頭に入ってきやすいです。」

興味を持ったら即行動! 周りの人への感謝も忘れずに

最後に、星野さんから女優を目指す子どもたちにメッセージをいただきました!

「子どもの頃から本が好きでよく読んでいましたが、その経験は今の仕事にすごく生きていると思います。このお仕事は、台本を読んでストーリー上での役割や、登場人物たちの心の動きを読み取る読解力がとても大事。読書をすることで自然と文字から場面を想像する力が養われたと思います。ぜひ皆さんもたくさん本を読んでください。」

「そして、大人になるまでにはたくさん時間がありますから、とにかく『これがやりたい』と心が動くものがあったら、どんどん行動に移してみるといいと思います。お父さんやお母さんなど、それを応援してくれる人が周りにいてくれるというのが、とてもありがたいことだということも忘れずに。そうやって支えてくれる周りの人には、普段からぜひ『ありがとう』と感謝の気持ちを伝えるようにしてみてくださいね。」

星野さん、貴重なお話をありがとうございました。『子どもの夢応援企画』第20回は「プロバスケ選手」です。お楽しみに!

星野さんが出演する舞台にも注目!激しい殺陣にも挑戦

星野真里さんも出演する舞台、もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ第3弾「剣豪将軍義輝 〜星を継ぎし者たちへ〜」が2017年6月8日(木)〜18日(日)にEXシアター六本木で上演されます。わずか11歳で室町幕府第13代将軍に即位し、戦乱の世を将軍でありながら無双の剣士として生きた足利義輝の生涯を描いた作品です。星野さんが演じるのは、足利義輝こそが王となるべき人と思い決め、彼を見守り続ける倭寇の娘、梅花。

「この作品の前編で初めて殺陣に挑戦させていただきました。“星野真里=殺陣”というイメージはあまりないと思うんですが、自分で言うのもなんですがなかなか好評だったんですよ(笑)。今回も『動けるんだ!』というところをぜひ見ていただければと。よりカッコよく立ち回って、男性の活躍が多い舞台にまた違った風を吹き込めればいいなと思います。」

もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ

お話を聞いたのは…
星野 真里さん
埼玉県出身。7歳の頃に劇団俳東に入団し、子役として活動。1995年にテレビドラマデビュー。同年放送開始の「3年B組金八先生」 では、長年シリーズを通して坂本金八の娘、坂本乙女役を演じる。2005年に初主演した映画『さよならみどりちゃん』で第27回ナント三大陸映画祭主演女優賞を受賞。2011年に結婚し、2015年に女児を出産。現在、一児の母として子育てと女優業を両立している。
オフィシャルブログ「ことばあそび」

ライター紹介
石橋 夏江
編集プロダクションverb所属。編集者・ライター。趣味は、旅行と写真とスキューバダイビング。プライベート旅でも、取材旅以上の分刻みスケジュールを組むため、友達がなかなか一緒に旅行に行ってくれないのが最近の悩み…。

※2017年4月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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