すぐに子どもと遊べる「手あそび」【あそびのたね連載】

「子どもと毎日楽しくあそびたい!」「テレビやゲームばかりではなく、子どもの好奇心を満たすあそびが知りたい!」。そんなパパママのために、金沢学院短期大学助教(特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所 学術フェロー)の村山大樹さんに「子どもとのあそび」についてお伺いしました!

子どもはあそびの天才!自由に、豊かに発想を広げよう

約400もの「あそび」を紹介する書籍『あそびのたねずかん』(特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所・著/東京書籍・発行)を手がけられた村山さん。2016年9月まで、特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所に所属され、毎日「あそび」について研究されていました。

村山さんは、「子どもはあそびの天才」だと言います。

「子どものあそびは、自由で創造的です。ひとつのあそびから、『こんなのはどう?』『こういうルールにしよう!』など次々に発想を生み出し、まったく別のあそびに変えてしまうことも大得意。ところがいま、情報化や少子化が進んで子どもを取りまく環境が変化したことによって、子どものあそびに自由な発想を生む余地が消えはじめているのです。」

「『あそび』は育てるものです。完成された形はありません。ですから、わたしが紹介するのは、すべて『あそびのたね』なんです。それをきっかけに、もっと自由に、豊かに、ワクワクドキドキが増える方向に広げていってもらえたらと思っています。」

たしかに、今はインターネットですぐに「正解」が見つかる時代ですし、少子化で子ども同士が集まって遊ぶことも減ってしまいました。しかし、子どもたちが自分であそびを発展させる、その創意工夫こそが、発想力や豊かな感情を育むのだと村山さんは教えてくれました。

スキンシップで愛情を伝える「手あそび」

今回紹介するあそびは、「手あそび」です。

「子どもと目と目をあわせ、肌と肌がふれあう『手あそび』は、とてもスキンシップがとりやすいあそびです。また、歌がついているものも多いので、メロディと指の動きが一体化し、リズム感や反射神経をやしなうことにもつながります。」

スキンシップで愛情をいっぱい感じながら、子どもの精神的、身体的発達にもつながる「手あそび」をさっそくご紹介しましょう!

◆指きりずもう

<あそび方>
左右の指を組み合わせ、人差し指をぴったりと合わせて伸ばし、そのほかの指はどちらかの手でやさしく包むようにしましょう。子どもと向き合ったら、交互に相手の指を上からたたきます。指がほどけてしまったら、中指、くすり指と指を変えていき、小指までほどけてしまった方が負け。たたく側の指がほどけても同じです。

<ポイント>
たたく側は、真上から指を落とすようにしましょう。少し角度をつけて指を当てると、自分の指がほどけやすくなってしまいます。また、フェイントをかけてタイミングをズラせると、相手の指の力がゆるんだ瞬間をねらえます。

<村山さんから一言!>
「横からたたいたり下からたたいたり、子どもと一緒にいろいろとルールを考えてみてください。大人は薬指からはじめたり、子どもは2本指でたたくことができるなど、ハンデをつけてあげても盛り上がりますよ。」

◆指ダンス

<あそび方>
両手の人差し指と小指を足に見立て、片方の手の小指と、もう片方の手の人差し指を交互に前にだします。歌に合わせてリズムカルに動かすと、より楽しめます。

<ポイント>
人差し指同士をクロスさせ、後ろの指が前に出るようにするときれいに動かせます。前後左右に動かしたり、とんだりはねたりさせて、いろいろとアレンジしてください。

<村山さんから一言!>
「わたしのおすすめの一曲は、『炭坑節』です。『月がぁ〜でたでたぁ〜』とリズムにあわせて指を動かし、最後の『ヨイヨイ』で指をチョンチョンと上に伸ばせば、コミカルな動きになりますよ。」

◆くっつく指

<あそび方>
両手の指をしっかりと組み、人差し指を立てて子どもと向かい合います。子どもに向かって、「くっつけ、くっつけ〜」と唱えると、あら不思議! 本当に人差し指同士がくっついてしまいます! これはどんな魔法なんでしょうか!?

<ポイント>
もちろん魔法ではなく、人間の体の仕組みです。それをいかにも魔法のように演出しましょう。「あー、くっついちゃう!」「がまんして!」「離して、離して!」などの言葉を効果的にいれて、魔法気分を盛り上げてください。

<村山さんから一言!>
「子どもにもぜひ、『くっつけ!』ととなえる側をやらせてあげてください。『自分にも魔法がつかえた!』とびっくりするでしょう。そして、友だちにもためしてみたくなるはずです。こうして子どもの世界が広がっていくのです。」

◆エンドレスクライムアップ

<あそび方>
右手の親指と左手の人差し指、右手の人差し指と左手の親指をくっつけて、「カメラのポーズ」をつくります。下側の指を離して、グルッと上に回りこませて、また指をくっつけます。この動作を繰り返すと、どこまでも指が上がっていきます。上の指を下に回りこませると、今度は指が下がってきます。

<ポイント>
四角をくずさないように意識してください。なれてきたら、違う指でもできるかためしてみましょう。10本の指の組み合わせで、いろいろなバリエーションが楽しめます。

<村山さんから一言!>
「上下だけでなく、左右への動きも取りいれて。自分の動きに、子どもをついてこさせてもいいですね。上にいくと見せかけて下へ、左にいくと見せかけて右へ動かせば、『ずるい!』と言いながら大喜びするはずです。」

◆指くるくる

<あそび方>
両手の指の腹をぴったりと合わせて、ほかの指が離れないようにしながら、1本ずつ順番にクルクルと回していきます。左回転も右回転も、すべての指でスムーズに回せるように。一番の難関は薬指です。

<ポイント>
とにかく練習あるのみ!  最初はぎこちなくても、子どもとあそんでいるうちにすばやく回せるようになります。「回すというよりは、前後に指を動かすイメージで」など、自分のやりやすい方法を見つけましょう。

<村山さんから一言!>
「事前に練習して、薬指をスムーズに動かせるようにしておいてもいいですね。子どもは、『すごーい!』と尊敬の目で見てくれるでしょう。こうすれば、簡単にヒーローになれてしまいます(笑)。仕事の合間に練習すれば、リフレッシュにもなるし、一石二鳥です。」

子どもの自分で考える力を育もう

使うのは自分の手と指だけ。道具も場所も必要ありません。とてもシンプルなあそびなのに、ついつい熱中してしまう手あそび。けれど村山さんは、子どもに「コツ」を教えすぎないほうがいいと言います。

「あそびには、正解も不正解もありません。『こうしたらできるよ』と教えるのではなく、子どもが自分で考えるまで待ってあげてください。ひょっとしたら、まったく違うやり方を見つけるかもしれません。そのときは、『そういうやり方もあるんだね!』と認めたうえで、『パパ(ママ)は、こんなやり方も知ってるよ』と伝え合う、それがコミュニケーションです。」

一緒に楽しくあそべて、親子の絆も深める手あそび。ぜひ子どもと一緒に試してください!

※次回は、「体をうごかすあそび」のたねを紹介します!

イラスト:後藤知江『あそびのたねずかん』より

◆出典

『あそびのたねずかん』(特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所・著/東京書籍・発行)

『あそびのたねずかん』東京書籍公式サイトへ

お話を聞いたのは…
村山 大樹さん
文教大学大学院教育学研究科修了。幼稚園の非常勤講師を勤めた後、特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所の研究員に。株式会社バンダイ、東京学芸大学、特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所の共同研究による「それいけ!アンパンマン コドなび!」や「Disney | KIDEA」などのプロジェクトにかかわる。2016年10月からは金沢学院短期大学助教として、遊びや学びに関する研究を続けながら、次の世代の教員・保育者養成に力を注いでいる。特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所 学術フェロー。
特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所

ライター紹介
菊地 貴広
編集プロダクション・しろくま事務所(http://whitebear74.jimdo.com)代表。2014年に出版社から独立し、ファッション、グルメ、ビール、猫、タレント本など幅広く活動。2015年11月に男子が誕生し、息子に夢中。その成長を見るたびにフルフルと感涙する日々。

※2018年10月にいこーよで公開された記事の再掲です。

この記事を読んでいる人は「創造力」に関するこんな記事も読んでいます
・子どもの世界を広げる「ことばあそび」【あそびのたね連載】
・子どもの創造力と好奇心を育む! 100均で作る簡単「手作りおもちゃ」13選
・きっかけは「水遊び!」 5歳息子の興味を広げて新しい成長を発見!
・【未来へいこーよ】が育むココロのスキル(非認知能力)について

SHARE ON
Facebook
Twitter
みらいこ編集部が子育てに関する記事を紹介します。

RELATED ARTICLEあなたにおすすめの記事

  1. Girl in a lemon-print dress laughs as water sprays around her at an outdoor splash park.

    公園でワクワクする体験を!年齢別公園遊びの楽しみ方【小学校高学年(10歳・11歳・12歳)編】

  2. 利用料金で10万超も!?子どものオンラインゲームトラブル

  3. 子どもが「お手伝い」するのに「お片付け」しない理由 対策も紹介

  4. 再生野菜「リボベジ」で驚きの発見 成長記録&上手に育てる方法

  5. 公園でワクワクする体験を!年齢別公園遊びの楽しみ方【小学校低学年(6歳・7歳・8歳)編】

    公園でワクワクする体験を!年齢別公園遊びの楽しみ方【小学校低学年(6歳・7歳・8歳)編】

  6. 一人っ子ならではの長所をうまく伸ばす方法とは?おすすめ習い事も

  1. Three adults standing against a dark backdrop; the center man holds a crowned plush mascot wearing a yellow cape and yellow shoes.

    ご飯は1日3回、トイレはその倍以上。ネピア「うんち教室」の3人に聞…

    2026.11.02

  2. Collage promoting Kochi’s child-inclusive travel campaign, with hands-on activities like woodwork, crafts, boat rides, and forging.

    職人に「弟子入り」する高知の旅 刃物・和紙・カツオのわら焼きな…

    2026.10.30

  3. Illustrated orange tabby cat holding a donut with sprinkles on a turquoise poster background.

    猫好きにも電車好きにも!長〜いしっぽの猫が大活躍の絵本 『ふみき…

    2026.10.22

  4. An elderly person hands a small card to someone across a table, with a decorative red circle design on the card's surface.

    お年玉、子どもに全部渡す?親が預かる? お金のプロに聞く正解のな…

    2026.10.22

  5. Woman helps a boy use a laptop while holding cash at a table in a bright room.

    親子で楽しく「お金」を学ぼう!年齢別マネー教育の始め方【小学校…

    2026.10.22

  1. Bright blue electric passenger train on tracks under a clear blue sky, overhead power lines above.

    貸切ロマンスカーが1日限定の教室に 9月22日「走るAOiスクール」開…

  2. やらない子育て

    通知表の成績が気になったら?結果より「プロセス」に注目してみよ…

  3. やりぬく力を育む絵本

    【年齢別】図書館司書に聞いた、子どもの「やりぬく力」を育てるお…

  4. 子どもの運動神経を伸ばすベストな方法は? 遺伝や工夫も紹介!

  5. やらない子育て

    「やっぱり辞めたい」と言われたら…習い事は1か月で辞めてもいい?…

みらいこSNSをフォロー