子どもたちにココロのスキルが見えた瞬間
取材をした中で「好奇心」や「想像力」、「がんばり力」など「ココロのスキル」が子どもや参加者に見えた瞬間をまとめて紹介します。
【がんばり力】途中であきらめずに自分の力で木を切る
子どもが木を切っているとき、終始無言で集中力を発揮して取り組んでいる姿が印象的でした。ノコギリが引っかかったり、角度が変わってしまったときなどは大人の意見を聞きつつ、疲れてきたところで大人が「代わろうか?」と声をかけても「大丈夫!」と答えて最後まで切っています。
とくにコースター作りの段階になると動作にも慣れてきて、キレイな断面で切れていました。のちのWEBアンケートでも子どもの意見として「自分の力で最後まで切れると達成感がある」と書いてあり、大きな手ごたえを感じたようです。
【試行錯誤を楽しむ】木の切り方や丸太の倒し方でいろいろな方法を試す
斜面で木を切るときは平地よりも足のふんばりが効きません。木の上側から切るか、下側から切るか、足の位置はどうするか、どの角度で切るかなど、その都度自分で考えて行動する姿が見られました。
【想像力】昔の人は「どうやっていたか?」を考える
木を切って分割したあとヤマテ木材部の人に「さて、これをどうやって運ぶかな?」と言われたとき、取材で訪れた自分も「あれ? どうするんだろう?」と思いました。
今回の間伐材は2mと短いので「麓の方面に倒して運ぶ」方法でしたが、もっと大きな木を運ぶときは専用のソリを用意したり、小さな木でレールを作って転がしたり、流しそうめんの竹のようなレールを用意して滑らせたりしていたそうです。実際に木を切った山の斜面に立って、上のほうを見上げるとその様子が容易に想像できました。
もしも今回の体験が「丸太を切ってコースターを作る」だけだったとしたら、ここまで想像を働かせるのは難しかったといえます。
【創造力】その場にあるもので違う遊びを発見する
いくつもコースターを作っていたある親子は、帰り際に近くの坂道の上からコースターを転がしたり、逆に下から転がして目標物に当てるゲームを即興で作って遊んでいました。手にしたものでいろいろな使い方・楽しみ方を見つけていく、工夫してやってみたことから更に新しいことを学ぶという、学びのサイクルをここでも見ることができました!
大人も子どもも「一緒に考える」機会にも
今回伐採したエリアはもともと、70年前の東京大空襲で東京のたくさんの家が焼けたときに、家を建て直すために使われたところでした。しかし、この日に子どもに「家でどこに木が使われている?」と言われたとき、なかなか答えが出ませんでした。
そこで見せてくれたのが「有限会社ヤマテ木材部」の鴨下さんのご自宅。昔は木造の家がほとんどでしたが、今の子どもたちにとって珍しいものだったようです。
家に木が使われなくなったことで、木材の需要が減って価格が下がっています。子どもたちが協力して伐採した2mの木は「材木市場」で売るとおよそ50円ほどにしかならないそうです。そのため、売るまでの手間を考えると伐採した林にそのまま残していく「切り捨て伐採」が行われているところが多いとか。
「いこーよ四季冒険部」ではWEBアンケートに答える形で、お家で家族と一緒にイベントを振り返ってもらうようにしています。その中で「どうしたら生活の中で木がもっと使われるか?」や「未来に林業を残すにはどんな事業をしたらいいのか?」などを話す機会が生まれていたら、ひょっとすると未来の林業を変えるアイデアが生まれてくるかもしれません。この記事を読んだあなたも、ぜひ一度考えてみてはいかがでしょうか?
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