AIが社会のあらゆる場面に広がる現代。子どもたちは、自ら考え、判断し、他者と協力して課題を解決する「生きる力」が求められています。こうした中、東急グループが運営する民間学童保育「キッズベースキャンプ(以下、KBC)」で、新たな教育プログラム「KBCしょうぎキャンパス」がスタートしました。日本の伝統的文化である「将棋」を通じて、子どもたちの“考える力”や“コミュニケーション力”といった“心を育む”新しい取り組みが始まります。
将棋×教育のプログラム「KBCしょうぎキャンパス」とは?
2025年9月、民間学童保育「キッズベースキャンプ(KBC)」で、新たな教育プログラム「KBCしょうぎキャンパス」がスタート。この取り組みは、公益社団法人日本将棋連盟(以下、日本将棋連盟)、東急株式会社(東急)、そして株式会社東急キッズベースキャンプの三者が連携し、将棋を通じて子どもたちの成長や教育を支えることを目指しています。
KBCは、東急グループが運営する民間学童保育で、東京都と神奈川県を中心に施設を展開しています。設立から20年、放課後の安心できる居場所として、子どもたちの「社会につながる人間力=非認知能力」を育むことを目的に、さまざまな体験を提供してきました。
今回始まった「KBCしょうぎキャンパス」は、従来の将棋教室とは異なる、全く新しい将棋講座カリキュラム。日本将棋連盟が初めて策定した「将棋学習指導要領」に基づいて作られました。将棋を「勝敗」や「趣味」にとどめず、考える力と生きる心を育てる“教育”として取り入れています。
開発には「どうぶつしょうぎ」を考案した北尾まどか女流二段が代表を務める「株式会社ねこまど」が参画しています。「どうぶつしょうぎ」は、ライオンやキリンなどの動物が描かれた駒を使い、3×4マスの小さな盤で遊べる将棋。シンプルでわかりやすく、子どもや初心者でも気軽に楽しめることから人気を集めています。「KBCしょうぎキャンパス」は、こうした知見や経験が生かされ、教育的にも安心して取り組めるプログラムとなっています。
将棋を通じて育まれる4つの力とは?
では、子どもたちは将棋を通じて、具体的にどのような力を育んでいくのでしょうか? 日本将棋連盟が策定した「将棋学習指導要領」では、子どもの成長として大切な”4つの力”が柱として掲げられています。
1. 礼儀・マナー
あいさつや駒の扱いなど、対局に欠かせない基本的な礼節が身につきます。相手を尊重し、物を大切にする心につながります。
2. 洞察力・判断力
盤面の情報をもとに状況を読み取り、複数の選択肢を比較して最善を考えることで、思考力が育まれます。
3. コミュニケーション力
対局後の感想戦や意見交換を通じて、自分の考えを伝える力、相手の意見を受けとめる力が養われます。
4. 思いやりの心
勝敗の結果を振り返り、自分の判断を受け止める姿勢を養います。またときに悔しい思いをした相手を気遣う経験を通して、思いやりの気持ちが芽生えます。
こうした力を、プログラムの中で自然に身につけられるよう工夫されているのが、日本将棋連盟から第一号カリキュラムとして認定された「KBCしょうぎキャンパス」の大きな特徴。その特徴を詳しく見ていきましょう。
従来の将棋教室とどう違う?KBCしょうぎキャンパスの特徴
これまでの将棋教室と大きく異なるのは、「将棋が強くなること」がゴールではない点です。KBCしょうぎキャンパスは、将棋を通じて子どもたちの“非認知能力”を伸ばすことを目的に設計されています。
“結果”より「考えるプロセス」+「発表」で深める
勝ち負けだけに注目せず、一手一手をどう考えたかを振り返ります。さらに、自分の考えや攻略を仲間の前で発表する時間を設け、思考を言葉にする練習を重ねます。これにより、論理的に考える力や粘り強さに加えて、説明力・表現力も育まれます。
チームで学ぶスタイル
1対1で指導を受ける形式ではなく、グループで一緒に学ぶスタイルに。大きな駒を使った「リレー将棋」などでは、仲間と相談しながら戦略を立てるため、協調性やコミュニケーション力が養われます。
主体性を引き出すコーチング型指導
KBCがこれまでの学童保育で培ってきた「コーチング」の手法を活用。講師が答えを教えるのではなく、問いかけや承認の声かけを通じて、子どもの気づきを促します。子ども自身が考え、主体的に学ぶ姿勢を大切にしています。
安心して学べる仕組みと目標
目標は、将棋15級程度(9枚落ちで勝てるレベル)の棋力習得と、一人ひとりの非認知能力の成長です。プログラムではオリジナルの補助教材を整備し、タブレット教材も積極的に活用。初めてでも安心して学べる環境が用意されています。
こうしたカリキュラムの工夫によって、子どもたちは将棋を楽しみながら、日常生活や将来にも役立つ力を育んでいきます。そして、多くの子どもたちが将棋に親しむきっかけとなることで、将棋文化の普及も目指しています。
詳しくは「KBCしょうぎキャンパス」公式サイトをご覧ください。
地域や未来へ広がる「将棋×教育」の可能性
KBCしょうぎキャンパスは、まずはKBC直営の一部教室からスタートし、今後順次広がっていく予定です。将来的には、他の学童保育や学校教育、地域活動など多様な場にも取り入れられ、子どもたちがより多くの機会で「将棋を学び、成長する」体験ができることを目指しています。
また、東急グループは「東急百貨店将棋まつり」などを通じて長年将棋文化の普及に貢献してきました。今回の取り組みは、その歴史を引き継ぎつつ、「東急スクラムプロジェクト」の一環として地域全体で子どもたちの成長を支えるプロジェクトでもあります。
子育て・学生応援「東急スクラムプロジェクト」
将棋が広げる、子どもの学びと未来
これまでの「強くなること」が主役だった将棋の場とは違って、KBCしょうぎキャンパスは、考えることや人と関わることを大切にする、あたたかな空気に包まれた学びの場です。
将棋が初めてでも大丈夫。子どもはもちろん、大人もこの機会に一緒に始めてみたら、家族の会話や時間がぐっと増えるかもしれません。
気になった方は、ぜひ公式サイトをのぞいてみてくださいね。
「KBCしょうぎキャンパス」公式サイト
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