今回は、小学3年生の息子さんを持つパパからのご相談です。息子さんはマイペースで苦手なことが多く、将来が心配とのこと。そこで、専門家に適切なサポート方法を伺いました。
このお悩みにアドバイスをくれたのは…
青木康太朗(あおきこうたろう)先生
〈監修者プロフィール〉
國學院大學人間開発学部子ども支援学科教授
大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科修了。国立青少年教育振興機構研究員,北翔大学生涯スポーツ学部准教授を経て現職。専門は青少年教育、野外教育で、自然体験活動の教育効果や安全管理の研究、指導者の養成、体験活動の普及啓発に取り組んでいる。文部科学省生涯学習調査官、こども家庭庁「子ども家庭審議会基本政策部会」臨時委員、国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター客員研究員等を務める。
<相談内容>
小学3年生の長男が苦手なことが多くマイペースで今後が心配です。将来のことを考えると不安になります。どのようにサポートすればいいでしょうか?
マイペースの見方を変える
マイペースなお子さんは、周囲に合わせることが苦手だったり、みんなと違う行動をとったりすることがあります。それを見た保護者の方は、「周りの子は先生の指示にすぐ動けるのに、うちの子だけ話を聞いていない」と感じてしまうことがあるかもしれません。
でも、「マイペース」は見方を変えれば、人に左右されない真の強さがあると言えます。みんなに合わせなくても不安にならず、自分の世界の中でしっかりやっていける子です。
小学3年生は、発達段階から考えると、まだ周りを見ながら動ける年齢ではありません。自分の楽しいことや自分の世界を中心に行動するので、「自分はこうしたい」という思いを優先してしまうのは自然なことです。もう少し年齢が上がってくると、周りを見てどう動けばいいのかがだんだん分かるようになってきます。
だから、今の時点で本人が気にしていないのなら、心配しすぎなくていいと思います。サポートが必要と感じているのは、じつは親の不安であって、子どもの不安ではないかもしれないからです。
周りと合わないと悩む子どもに親ができることは
もし、子どもが「周りとうまくやっていけない」と悩んでいるときは、周りにはない「自分の良さ」に気づかせてあげることが大切です。
そのためには、学校以外でも新しい人と関わる機会を増やすことです。さまざまな人と関わる中で、子どもはそのグループの中で「自分の役割」を見つけていきます。そうした経験を積み重ねていくことが大事です。
不登校の子どもは、どうしても「学校」という狭い世界で自分は生きていると感じがちです。学校の人間関係や評価に馴染めないと行きたくなくなってしまう。でも、そうした子どもたちの中にも、習い事やボーイスカウトなど、別の場所で自分の居場所を見つけている子はたくさんいます。

親ができるサポートとしては、そういった「人とのつながりを持てる場所」を子どもと一緒に探して「ここに行ってみる?」と声をかけてあげることです。まずは親子で一緒に行ってみて、子どもが楽しめたら、次は子どもだけで参加するなど、段階的に進めていくといいと思います。
自分をその場所でどう生かすか
学校に行きたくないと悩む子どもに、そのタイミングで無理に行くことを求める必要はありません。でも「行かなくていい」というわけでもないのです。
集団の中で生活するということは、とても重要な経験です。これを避けてしまうと、社会に出て少しでも環境が合わないとき、すぐに逃げ出してしまうかもしれません。
今の子どもは「自分に合った仕事」や「自分に合った職場」を探そうとしますが、完全に合った環境というのはまずありません。大切なのは、その場所で自分がどうがんばれるか、どう合わせていけるかです。
ただし、それを「行きたくない」と思っている学校でいきなり求めるのは難しいことです。だから、まずは自分が受け入れやすい場所、がんばれる場所を見つけることから始めてみる。そこで自分の存在意義やがんばれる力を確認できたら、「じゃあ他のところでもがんばってみようか」と、一歩ずつ広げていきます。そうやって、場に合わせる力が育っていくのです。
一人ひとりの成長に合わせて
うちの次男もマイペースで、中学生まではよく忘れ物をしたりしていました。そのたびに友だちが「忘れ物してるよ」と持ってきてくれたり、教科書を見せてくれたり、周りの友だちに支えられて生活していました。でもそこで周りとうまくやっていく方法を学んだのか、高校生になると私たちの予想以上にリーダーシップを発揮するようになって、大きく変わりました。
だから今、小学3年生のお父さんお母さんは不安かもしれませんが、マイペースな子には芯の強さがあります。その良さを見つけられる環境、本人が自分の良さに気づける環境にあるか確認していくことが、保護者として大切なことだと思います。
お話を伺って
さまざまな人との関わりの中で、子どもはグループの中で「自分の役割」を見つけていくというお話がとても印象的でした。自分の人生を振り返ってみても、ときに周囲とうまくいかないと感じたときもあります。でも、視野を広げ、また違う人との出会いの中で「やっぱり自分は大丈夫だ」と思い直せたことが何度もありました。子どもたちにも、多様な出会いの中で、自分らしさや自分の強みを見つけてもらいたい。そのために、その輪を広げていくサポートが少しでもできたらと感じます。
國學院大學人間開発学部子ども支援学科教授
大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科修了。国立青少年教育振興機構研究員,北翔大学生涯スポーツ学部准教授を経て現職。専門は青少年教育、野外教育で、自然体験活動の教育効果や安全管理の研究、指導者の養成、体験活動の普及啓発に取り組んでいる。文部科学省生涯学習調査官、こども家庭庁「子ども家庭審議会基本政策部会」臨時委員、国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター客員研究員等を務める。
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