見えない世界を想像すると、思わずクスッ
信号の色はどうやって変わっているのだろう、回転ずしがどうして回っているのか、公園の噴水は誰が水を吹き上げているのか? 普段はそんなことを疑問に思うことはほとんどありませんよね。
この絵本には、作者のとくながけいさんが想像した“見えないおしごと”がユーモアたっぷりに描かれています。
たとえば、歩行者信号機の青と赤の後ろには、それぞれ人がいて交代で働いている…というような、ちょっと笑えて愛らしい発想。青が点いているあいだは赤信号の人が休んでいたり、上下の部屋がはしごでつながっていたり。もしかして、電柱につながるルートは勤務後の家への帰り道かも…? 絵を眺めていると、そんな想像が膨らんでいきます。
ページをめくるたびに「そんなふうになってたの!?」「それはちょっと大変そう!(笑)」と、身近な日常を裏側からのぞいたような、クスッと笑える想像の世界が広がっています。
現役美大生が描く、ダイナミックな想像の世界
「みえないおしごと」は、2025年の「書店員が選ぶ絵本新人賞」で大賞と絵本専門士賞のダブル受賞を果たしました。
作者のとくながけいさんは、東京都在住の22歳で、現役の美大生です。
水彩や色鉛筆を組み合わせたノスタルジックなタッチと巧みな構図。見開きいっぱいに描かれた想像の世界は、とてもダイナミックで生き生きとしています。
回転ずしのページでは、ベルトコンベヤーの下で、小さな職人さんたちがせっせとお皿を回しています。よく見ると、きちんと職人の服を着て下駄をはいているというこだわりぶり。思わず突っ込みたくなるような、遊び心あふれた描き込みに、つい目をこらしてしまいます。
本の後半には、「しごとにんたちのにちじょう」を描いた4コマ漫画も登場し、思わず笑えるエピソードが満載です。
どのページにも、作者とくながさんならではの発想のユーモアがあふれています。
「未来へいこーよ」スタッフの注目ポイント
読み終わったあとは、お子さんと一緒に 「ゲーム機の中はどうなってる?」「自動ドアにも誰かいる?」など、 想像ゲームをしてみるのもおすすめです。日常を見る目が楽しくなり、「どうなってるんだろう?」と考えるきっかけにもなります。
そうして「誰かが働いてくれているのかも」と想像するうちに、 身のまわりのものへの愛着や、感謝の気持ちも芽生えていく気がしました。
「発想は自由でいい」と思わせてくれる、楽しさあふれる一冊。大人が読んでも「こういう発想、忘れてたな」とハッとさせられます。 子どものころの気持ちを思い出したり、 お子さんと一緒に“子ども心”に戻ったり。ぜひお子さんと一緒に手に取ってみてくださいね。(osa)
「みえないおしごと」

価格1,870円(税込)
とくながけい 作・絵
発行:中央公論新社
購入ページ(Amazon)
この記事を読んでいる人は「想像力」「発想力」に関するこんな記事も読んでいます
・主人公と我が子の発想の豊かさに気づく絵本「ふりすぎちゅうい」
・子どもの想像力がぐんぐん伸びる! 英国絶賛の絵本が登場「てんさいを そだてる 20の しつもん」
・その言い方、そういう意味!? 子どもと笑って学べる『ことばの裏側図鑑』
・自分で何度も質問に答えることで人生の教科書になる!『君を一生ささえる「自信」をつくる本』
・幼児から大人まで楽しめる回文作りのコツ! 言葉遊びで想像力を広げよう
・【未来へいこーよ】が育むココロのスキル(非認知能力)について









