ジェンダーレス水着についてどう思う?プール授業について聞いたアンケートを紹介!

3年ぶりに多くの学校や保育園・幼稚園でプールの授業が再開される中、男女の区別がないジェンダーレス水着が販売され話題になっています。そこで、学校や保育園・幼稚園のプール授業では、水着や日焼け止めなどについてどのような規定があるのか、それに対し保護者はどのような要望があるのか、また、話題のジェンダーレス水着について保護者がどのように思っているのかなどについて「いこーよ 子どもの未来と生きる力研究所」が実施したアンケート結果を紹介します!

多くの小学校で紺や黒、ベーシックな形などのいわゆるスクール水着の規定が存在!

今年、学校や保育園・幼稚園でプールの授業があるという保護者に、学校や園でどんな規定が定められているか聞いたところ、保育園・幼稚園では「特にない」が77%と非常に多い一方、小学校では「黒や紺などの色や無地以外の水着の禁止」や「指定(の色)以外の水泳帽禁止」、「ベーシックな形以外の水着(セパレート水着、ロング丈の短パンなど)の禁止」など、多くの学校で水着や水泳帽の色や形に規定があることがわかりました。

日焼け防止に関する規定としては、ラッシュガードよりも日焼け止めの使用を禁止している割合の方が高いという結果でした。学校の水着の規定

日焼け対策への要望が多いほか、男女別のプールの授業を要望する声も

一方、同じく今年、学校や保育園・幼稚園でプールの授業があるという保護者に、プールの授業で学校や保育園・幼稚園で許容してほしいことを聞いたところ、「特にない」が多かったものの、「ラッシュガードの着用」「日焼け止めを塗ること」など日焼け対策に関する要望が比較的多く見られました。
また、小学生がいる保護者からは「男女別のプールの授業」を希望する意見が2割弱あることも注目されます。!
学校のプール規定への要望

ジェンダーレス水着は、肌の露出が少ないことや男女の区別がないことが高評価

男女のデザインが同じ「ジェンダーレス水着」についてどのように考えているかを聞いてみました。
最も多かったのは「日焼けの観点で肌の露出が少なくていい」の58%で、ジェンダーレスという観点ではなく、体型を目立たなくするための長袖やハーフパンツなど肌の露出を抑えたデザインが、日焼け対策としてもいいという意見が多く見られます。
次いで、「男女の区別がなくていい」(53%)、「体型がわかりにくくていい」(39%)、「肌を見られるという観点で肌の露出が少なくていい」(33%)など、ジェンダーレスの観点からみて評価する意見が続いています。

「泳ぎにくそう」「デザインがかっこわるい」などの意見は少なく、「全員がジェンダーレス水着指定になるのはいやだ」や「ジェンダーレス水着の必要性がわからない」など、ジェンダーレス水着に対する否定的な意見も少数でした。
ジェンダーレス水着への考え

水着だけでなく、生理欠席による見学などへの配慮を望む声が多数

学校・園のプールの授業について思うことについて自由記述で聞いてみました。水着のデザインだけでなく、生理などでプール授業を欠席すること自体が子どもにとっては心理的負担であり、高学年になったらプールの授業は男女別にしてほしいという意見や同じ教室でではなく、男女一で別の教室などで着替えられるように変えてほしいという意見が見られます。

また、水難事故対応として、プールの授業自体をもっとしっかりやってほしい、天候に左右される学校の屋外プールではなく、近隣のスイミングスクールなどに委託して安定的に水泳の授業をしてほしいなどの意見も見られました。

プールの授業数が少ない割に学校で色や形などの水着の規定があるため、あまり授業で着ないうちに水着が小さくなってしまうのがもったいないという意見も見られました。

【自由回答(一部抜粋、編集)】

〈第二次性徴期に対する配慮をしてほしい〉

  • 5年生ですが、クラスの半分以上の女子の身体つきに変化があるので、男女別の授業にして欲しい。子供も同じ意見です。
  • コロナ禍以前は低学年であった女児が、高学年になってから水泳再開されることにより、二次成長の体型の変化に関する特別授業を取り入れて欲しい。
  • 高学年では男女別にしてほしい
  • 第二次性徴期以降は、生理の観点で男女別のプールの授業だと嬉しいです。
  • 生理中の欠席の子供の心理状態をもう少し配慮して欲しい。
  • 女子の水着は私が子供の頃からデザインが変わっていないので、あのスクール水着は嫌ですね。女子は生理があるので、選択できる時間があったり、男女別になってほしいなと個人的に思いました。
  • 着替える場所。低学年は一応別れてはいるが男女同じ教室で着替えているから。

〈もっとしっかり水泳の授業をしてほしい〉

  • プールを授業として取り入れるのであれば、全員泳げるまで指導すべき。夏休みに補習とかも入れて。
  • 泳ぎを覚える事で水難事故対応にもなると思うので、水泳授業はあると良い。
  • 着衣水泳をして欲しいです。実際に溺れたときや緊急時に本当に役に立つと思います。
  • 苦手な子、得意な子を分けて教えて欲しい
  • 水泳は必要と感じる生徒が受けられるよう、場所は提供し、外部から専門の先生に来てもらい夏休み期間やゴールデンウィークなど指導してもらえるのもいいかなと思う。
  • 近くにスイミングスクールがあればそちらに業務委託するのがいいと思う
  • 水温や天候で入れなくなることも多く、授業時間がたりないのでは?
  • 屋外プールのため、天候に左右されるのが難点です。

〈水着の指定は不要では〉

  • ほとんど使わないのに指定の水着は必要ない
  • 雨だと中止、雨じゃなく曇りで水温低くても中止、暑すぎても中止、入れる時間が短いのにすぐ成長して着られなくなる水着が高い

男女別のプール授業もジェンダーレス観点からは課題あり

まとめると、保育園・幼稚園ではプール授業の水着指定などの規定はほとんど見られませんでしたが、小学校になると、いわゆるスクール水着といわれるような紺や黒の色指定や、ベーシックなデザイン以外の水着は禁止などの様々な規定が設けられていました。

話題のジェンダーレス水着については、日焼け対策や肌露出の観点から概ね評価が高く、反対に「全員がジェンダーレス水着になるのはいやだ」というような否定的な意見は少数に留まりました。
プールの授業について、学校や保育園・幼稚園で許容してほしいと思っていることとしては、ラッシュガードや日焼け止めの使用など日焼け対策に関するものが多かった一方、小学生以上の子どもがいる保護者からは男女別のプール授業を望む声も少なくなく、子どもの体の変化に伴う配慮をもっとしてほしいという要望が多く見られました。

しかし、男女別プール授業はジェンダーレスという観点からは、男女で分けることが性的配慮に欠けることにもなり、難しい課題を含んでいます。ジェンダーレス水着は、解決策の一つとして有効と感じる一方、水着の問題だけにとどまらず、プール授業のあり方自体も含めて、より最適な方法は何かという議論と試行錯誤を今後も続けていく必要があると思います。

アンケート調査概要

調査の方法:Web上のアンケートフォーム
調査の対象:いこーよユーザー
有効回答数:306サンプル
調査の期間:202274日~2022710
調査分析 :いこーよ 子どもの未来と生きる力研究所

回答者全体の306サンプルの内訳:

20代以下 30代 40代以上
女性 7% 29% 35%
男性 1% 8% 20%
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中学受験を経験した辞典体質の高2息子とダンスに夢中な和み系の小6娘の子育て中。仕事モードと同じく、効率とマルチタスクを家族にもつい求めてしまうことを時々反省している。稀に見るほどの方向音痴。日記を毎日書かないと落ち着かないため、いつでも持ち歩いている。

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