今回は、子どもに計算力を身につけてもらいたいと願う小学2年生の男の子のママから。楽しく遊びながら計算力を養う方法について教えてもらいました。
このお悩みにアドバイスをくれたのは…
本山 勝寛さん
独学だけで東京大学やハーバード大学院に合格した教育イノベーター。現在は12歳、10歳、8歳、5歳、3歳の子どもを育てる5児の父。
Q:計算力が身につく方法を知りたい
小学2年生の男の子の母親です。計算力を楽しくつけられる方法を知りたいです。
現在子どもは、野球,空手,プールと運動系の習い事に通いながら毎日楽しく過ごしています。小学2年生になり、周囲がそろばんや公文に行き始めました。また、先輩ママから計算はとても大事だよと言われたこともあり、計算力をつけさせたいと100マス計算のドリルを始めました。ドリルは時間がどんどん短縮できることが楽しい様子です。他にも計算力をつけるために家庭で楽しく取り組めることがあればぜひアドバイスを頂きたいです。
例えば、トランプを使ったゲームの中で数の概念を多角的に身につけるなど。
具体的な方法やそのゲームに取り組む時のポイントなどもぜひお願いします。
できたら、ドライブ中に前の車などのナンバープレートの数を四則演算で10にする遊びのような、計算そのものすぎて子どもが途中で嫌になってしまいそうなものではなく、楽しくて夢中で遊んでいるうちに計算の練習になっていたというものがあったらうれしいです。
(小学2年生男の子のママ)
A:「楽しく親しむ」が最優先!
計算力をつけるには、100マス計算やドリルなどもとても有効ですが、まずは数に「楽しく親しむ」ということを優先した方がいいと思います。数に関して興味関心を持ったり、自分が得意だなと感じられるようなことをたくさん経験することが大切です。
具体的に、僕がいいと思っているのはトランプです。僕自身も小さな頃、かなりトランプで遊んでいた記憶があります。トランプ自体が数字にまつわるものなので、あまり考え過ぎずにいろんなゲームを楽しむのがいいと思いますが、私がとくに好きだったのは大富豪です。勝つために戦略などを考える必要があるので、数字を使ってかなり頭を使うことができますよ。自分がこのカードを出すことで次に相手がどんなカードを出す可能性があるかなど、確率や場合分けの考え方が実践で学べるほか論理的思考も身につきます。あとは計算ではないですが、神経衰弱も数字を通して暗記力や集中力に繋がりますよ。
トランプのほかには、ボードゲームもおすすめです。ボードゲームもたくさんありますが、代表的なものでいうと「すごろく」や「オセロ」、「人生ゲーム」など。すごろくはマスの足し算や引き算ができますし、オセロはどこに置けばたくさんとれるのか計算しながら遊べますね。人生ゲームではお金のやり取りを通して、計算。慣れてきてもう少し高度になると、「モノポリー」もおすすめです。土地を購入してそこにホテルを建てるなど、かけ算的な要素も出てくるのでさらに計算力が磨かれます。遊びながら投資の概念や金融リテラシーにも触れられるのが魅力だと思います。最近だと「カタン」というゲームもいいですね。私の子どもの頃はありませんでしたが、今子どもたちと楽しんでいます。勝つために必要な資源を獲得できる確率や、どこに陣地を広げていくかなどさまざまな戦略を考える必要があるのでとても地頭が鍛えられるゲームだと思います。
あとは、この男の子は野球や空手など運動が好きなようなので、好きなものと数字を絡めるのもいいと思います。たとえば、野球が好きなら選手のデータが載っている「プロ野球名鑑」を買ってきて、眺めているだけでも数字に親しめると思います。私も子どもの頃に野球が好きで、自分もやっていたので野球系のデータに関心があり、打率を計算したりしていました。割り算などを習ったら、打率や防御率などを自分で計算してみるといいでしょう。「数字ってこんな風に生きているんだ」「授業で習ったかけ算や割り算は、実際にこんな風に使われているんだ」ということが実感できるので、より数字を身近に感じられるようになると思います。
友だちや家族と一緒に楽しめるゲームや、自分が好きなものに関するデータの計算など、子どもが自発的に計算したり考えたりできるものというのがポイントですね。普段の生活や遊びの中で、数字を身近に感じられる機会をできるだけ多く作ってあげられるといいということですね。
教育イノベーター。独学だけで東京大学やハーバード大学院に合格。アジア最大級の国際NGOである日本財団で、教育や福祉、NPO支援に携わり世界中を駆け回っている。「学びの革命」をテーマに言論活動を行い、「16倍速勉強法」や「最強の独学術」「好奇心を伸ばす子育て」など著書多数。自身が5人きょうだいで育ち、現在は12歳、10歳、8歳、5歳、3歳の子どもを育てる5児の父。これまで育児休業を4回取得し、独自の子育て論も展開している。
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