目に見えない時間の概念を子どもに教えるのは難しいものですが、時計が読めるようになると、子どもの自立につながるのだとか。そこで、子どもに時計の読み方を何歳頃からどのように身につけさせたらいいのか、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者・立石美津子さんにお話を聞きました。
時計が読めることは、子どもの自立につながる
小さいうちは先生や親に言われたとおりに行動している子どもも、小学生になると時間割で生活するので「時間の感覚」を身に付けることが重要になってきます。
時計が読めることは子どもの自立につながる、と立石さん。
「時計が読めると自分で計画が立てられる子になりますね。小学校ではチャイムで授業の終わりや始まりをお知らせしてくれますが、時計の読める子は、チャイムに頼らずに時計を見て『2時間目まであと5分だから、今のうちにお手洗いに行こう』と行動に移せます。でも、時計の読めない子はそれができなので、チャイムが鳴ってから急いでトイレに走るんです。」
5歳頃までに時計が読めるのがベスト
そもそも、時間の感覚や時計の読み方を教えるのに適した年齢はあるのでしょうか?
「2歳、3歳では時間の概念は理解できませんが、このぐらいの時期から時間を意識させていくことが大切です。幼稚園の年長さんぐらいで時計が読めるようになっていれば理想的だと思います。早い子だと4歳ぐらいで読める子もいますが、焦る必要は全然ありませんよ。」
日常の会話に「時間」を盛り込もう
「時計を読むのは5歳頃まで」という目標ができましたが、子どもに目に見えない抽象的な「時間の概念」を教えるのはとても難しそう…。どのように教えていけばいいでしょうか?
「まずは、会話に時間を取り入れることから始めてはいかがでしょうか? 例えば、『3時だからおやつを食べましょうね』とか『7時30分だからお風呂に入ろう』と、ざっくりした感じの表現で構いません。必ず時計を見せながら語りかけてみてください。」
時計の読めない子にしないために
時間を意識させずに子どもを急かすのは、時計が読めないばかりか、子どもの自立の妨げにもなるそうです。
「『間に合わないから早くしなさい!』『もうすぐ夕ご飯だから、早くおもちゃを片付けなさい!』という語りかけはNG。早くすべき理由が理解できないままでは、人に指示されないと行動に移せない子になってしまいます。」
立石先生によれば、「7時30分に家を出るから、あと10分で歯磨きして靴下を履こうね」とか「5時にアニメが始まるから、それまでにおもちゃを片付けようね」と自然と時間を意識させる会話が大切だそう。こうした会話を小さいうちから繰り返すことで、時間の感覚が身に付き、気づけば時計が読める子になっているそうです。
時間がわかる子に育てるには、アナログ時計が必須!
子どもに時間の概念を理解させるには、時計を見ながら時間を意識した語りかけをするのがポイントとのことですが、使う時計の種類も重要でしょうか?
「とても重要です! 必ずアナログの時計を使ってください。時間は抽象的で目に見えないものですが、アナログの針の動きで時間の“量”を把握することができます。デジタル時計は、これができません。デジタルの時計を見ながら『今、何時?』と聞いて『ごじ よんじゅうごふん』と数字として時計が読めても、6時までにあと15分あるというイメージはできないのです。」
針の動きが重要なんですね! では、よりスムーズに子どもに時間を理解させるためのコツはありますか?
「文字盤が読みやすく、できれば時刻が1から12まで書いてあるアナログの時計を用意することです。さらに、可能ならば、文字盤に1から60まで“分”をマジックで書き込めば完璧です! 時計を見ながら1分という時間の量がどのぐらいの長さなのか、一緒に体感することから始めてみてください。」
時間を意識した語りかけが、子どもの「時間の感覚」を養う第一歩。今日から早速、アナログ時計を準備してチャレンジしてみましょう!
お話を聞いたのは…
立石 美津子さん
学習塾「エンピツらんど」の創業者。講演家。自閉症児を育てる母親。著書は『小学校に入る前に親がやってはいけない115のこと』、『読み書き算数ができる子にするために親がやってはいけない104のこと』、『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』、『はずれ先生にあたったとき読む本』、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』等。愛に溢れた毒舌ブログが話題でファンも多い。
立石美津子オフィシャルサイト
ライター紹介
石上 直美
1975年生まれ。雑誌編集者を経て、フリーランスに。編集・ライターとして、現在活動中。得意なジャンルは、美容、健康、ヨガ、ロハス、ファッション、音楽(ダンス系)。仕事にひた走ること10数年ののち子宝に恵まれ、ただいま0歳児の子育て奮闘中。最近うれしかったことは、得意ジャンルに「育児系」がプラスされたこと♪
※2016年4月にいこーよで公開された記事の再掲です。
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