十人十色、多様な表現ができる色鉛筆
ふじいなおみさん(以下、ふじい):今回は三菱鉛筆株式会社から2024年11月に新しく発売された色鉛筆『toirono(トイロノ)』を紹介します。
未来:どのような特徴がある色鉛筆なのでしょうか?
ふじい:『toirono』は、軽い力で発色が良く描けるというのが最大の特徴です。十人十色、多彩な表現を楽しめる色鉛筆です。
ふじい:発売元の三菱鉛筆株式会社は、創業150年にあたる2036年に向けて、「世界一の表現革新カンパニー」になることをパーパス(目的・目標)として掲げられています。その中で生まれた『toirono(トイロノ)』は「十人十色、多様な表現に寄り添える存在になりたい、暮らしやコミュニケーションが豊かになる色の楽しさを伝えていきたい」という想いが込められた商品です。
小さい子どもにとって「軽い力で描ける」ことは大切な要素
未来:ふじいさんがこの『toirono』を使ってみたいと思ったのはなぜでしょうか?
ふじい:軽い力で描けることですね。なぜなら、子どもにとって「軽い力で描ける」ということはとても大切な要素だと思っているからです。
以前、2~3歳のお子さんを持つお父さまから、「子どもとお絵描きをしていても、『パパが描いて』と言ってばかりで子どもが自分で描こうとしない」という相談を受けたことがあります。
私は、そのお子さんが筆圧が弱くてクレヨンなどでは思い通りの線が描けないからなのではないかと思い「マーカーペンを渡してみてください」と提案したところ、お子さんが進んでお絵描きをするようになったそうです。
軽い力で描けると、力の弱い小さなお子さんでも思い通りに表現がすることができ、お絵描きが楽しくなります。マーカーペンもクレヨンに比べて軽い力でしっかり発色します。弱い力できれいに発色することが、その子にとって求めていた画材の条件だったのですね。
従来の色鉛筆との違いを検証! 黒い紙でもはっきり見える
ふじい:『toirono』に話を戻しますが、一般的な学用品色鉛筆に比べて軽い力で鮮やかに描けるのが特徴です。
ふじい:三菱鉛筆の既存の色鉛筆と、『toirono』を塗り比べてみました。軽く塗った部分と強く塗りつぶした部分があります。特に、軽く塗った赤や黄色、うすだいだい、茶色など、発色の違いが顕著に現れています。
ふじい:また、軽い力で発色よく描ける色鉛筆だからこそ、多彩な色表現が楽しめます。濃淡やグラデーション、点描やクロスハッチ(網掛け)といった技法が鮮やかに表現できます。色の三原色(赤、青、黄)を重ねてみると、きれいにオレンジや紫色に混ざっていましたよ。
未来:一見、クレヨンで塗られているように見えるくらい、色が鮮やかですね。
ふじい:そう、描いているときもクレヨンに近い感覚がありましたね。普通の色鉛筆では塗るときに「カサカサ」という音がしますが、『toirono』はそれがなく、しっとりとした感触で紙にくっつくような感覚があります。強く描くと、スケッチブックの凸凹が見えなくなるくらいまで塗れるんです。さらに、濃い色の紙でも発色が良いのも特徴的です。
ふじい:小3の娘にも『toirono(トイロノ)』を試してもらいましたが、これまでの色鉛筆とは違った描きやすさと発色の良さに驚いていました。「特に黄色の発色がすごい」とびっくりしていましたね。
ふじい:クレヨンで塗られたような濃い発色ですが、色鉛筆なのでクレヨンほど手が汚れないのもうれしいところです。
『toirono』はちょっと変わった油性色鉛筆
未来:他の商品と描き心地が違うのはなぜでしょうか?
ふじい:まず、色鉛筆の特徴を説明すると、色鉛筆は油性色鉛筆、水彩色鉛筆、全芯色鉛筆の3種類に分類されます。『toirono』は油性色鉛筆にあたります。
油性色鉛筆:小学校などで使用する一般的な色鉛筆。顔料をロウやタルクなどの油成分で固めた芯を持つ。
水彩色鉛筆:描いた後に筆で水を加えると、水彩画のような仕上がりになる。
全芯色鉛筆:全体が芯になっている色鉛筆。顔料に合成樹脂を入れている。プラスチックなので手が汚れにくく、描き味が固い。色つきは薄めの仕上がり。
ふじい:一般的な色鉛筆の芯は、ロウやタルクなどの油成分(ワックス)が約75%含まれています。そして「顔料」と呼ばれる色の素が約20%、「糊」が約5%でできています。 鉛筆は材料を混ぜて1000~1200℃の炉で焼き固めますが、色鉛筆の芯は炉で焼かず、細かくすりつぶし、練り合わせて乾燥させます。焼かないので、鉛筆に比べて芯がやわらかいという特徴があります。 『toirono』は、さらに、特別なワックスを配合したやわらかい芯を搭載しているので、他の色鉛筆とは違った、濃厚でしっとりとした塗り心地を実現しているそうです。
ふじい:また、一般的な色鉛筆の芯と比較して、芯が直径4.0mmと太めなので、広い面をムラなく塗ることにも適しています。
ジャケ買いしたくなる! こだわりのパッケージ
未来:パッケージがとてもかわいらしいと思いました。
ふじい:パッケージは、環境への配慮と使いやすさを追求した設計になっています。外箱は、紙製のスリーブです。スリーブの内側には広島・長崎・沖縄に贈られた「折り鶴」をリサイクルした紙が使用されており、環境に優しい取り組みがされています。
未来:広島市平和記念公園には、毎年一千万羽もの折り鶴が贈られていると聞きます。その平和への思いを再生するというのは、素敵な取り組みですね。
ふじい:スリーブ箱から取り出してみると、色鉛筆本体はプラスチック製のトレーに並べて収納されています。色についての基本的な知識が学べるシートも入っています。 
ふじい:24色セットは、トレーのように重ねて収納することができ、省スペースで保管することが可能です。 学校などの学習現場では、教科書やノート、タブレットなどで、机のスペースが狭く筆箱も置きづらいという現状が考慮された設計だと思います。また、ゴムバンド付きのため、持ち運びもしやすいです。 
プレゼントにもおすすめ
ふじい:『toirono』は、単色、12色セット、24色セットの3つの商品展開で販売されています。12色セットにはよく使われるカラーを、24色セットには、「春夏の元気なイメージを表現できる鮮やかで明るい色」「秋冬の静かな様子を表現できる落ち着いたアースカラー」が加わり、さまざまな色彩を楽しむことができます。
ふじい:少しお値段は高めですが、お子さんが「これがいい!」「これで描きたい!」と選んでくれる色鉛筆だと思いますよ。
未来:プレゼントにも良いですね。
ふじい:その鮮やかな発色と滑らかな描き心地は、お子さんはもちろん、大人の方にも楽しんでいただけると思います。ぜひ、今までできなかったような多彩な表現を、お子さんと一緒に楽しんでみてくださいね。 
お話を伺って
いつも何気なく使っていた色鉛筆ですが、それぞれの色鉛筆に、さまざまな特徴やこだわりがあることを知った今回のお話。「十人十色、多彩な表現を楽しんでもらいたい」という想いが込められた『toirono』は、子どもたちの個性や未知なる創造性、表現する力を育んでくれる色鉛筆だと思います。お話を聞いていたら、子どもと一緒に、すごくお絵描きがしたくなりました。 世の中には、色鉛筆にかぎらず、さまざまな画材があります。子どもたちが気に入るもの、使っていて心地いいもの、「これで描きたい!」と思うような画材を選ぶことも、またとても大切なことだと改めて感じた取材でした。(osa)
『toirono(トイロノ)』
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お話を伺ったのは…ふじいなおみさん
〈監修者プロフィール〉
文房具のさまざまな特長・長所をより多くの方々に広める(プレゼンをする)「文房具プレゼンター」として活躍。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」をはじめ、ステイショナー「文具のとびら」、 小学館「HugKum」などのweb連載、動画「イロブンの引き出し開けていこう」など、さまざまなメディアで発信を行っている。万年筆のインクにも造詣が深い。
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