小学生になると、クラスに乱暴な友だちがいたり、仲良しグループの人以外と話しちゃダメなど、子どもの悩みに「友だちとの人間関係」が増えてきます。そんな悩みの解決法をマンガで読みやすく紹介した本「小学生実用BOOKS 5分でわかる友だち術(監修:上條正義、菅原徹、出版社:株式会社学研プラス)」を紹介します。(株式会社学研プラスから献本いただきました)
友だち関係の悩み解決策をマンガで紹介!
この本では「ジコチューな友だちがいます」や「内緒の話をしゃべっちゃった」「ウソをついていたら、困ったことに…」など、実際にアンケートで寄せられた具体的な15のお悩み事例がマンガで描かれていて、その解決策を文章とわかりやすいイラストで書かれています。どんな悩みも解決法は1つではなく、悩みごとに複数の解決法が提示されていて、自分に合った方法が選べます。
また、友だちとのトラブルは自分だけでなく「相手がどう思っていたか?」を考えてみるのも大事なこと。「5分でわかる友だち術」では、 両方から見た考え方や解決法も載っているため、相手側の考え方や本当の気持ちも知るきっかけになり、子どもが多様性を認めることにもつながります。本のカバーはリバーシブル仕様で、裏返すとタイトルなどがわからなくなるようになっているところも、子どもへの配慮がされたポイントです。
専門家が監修するほか客観的なデータも
友だち関係のアドバイスは主観的になりやすく、人によっても千差万別です。この本では客観性を持たせるために信州大学教授の上條正義(ジョー)先生とスマイルサイエンス学会代表理事の菅原徹(トール)先生が監修を務めています。ワクワクとニコニコの研究をしている二人の先生が、マンガでもジョーとトールとして登場し、適切なアドバイスをしてくれます。
さらに内容の指導者として、幼稚園や小学校教諭として勤務した経験を持つ、國學院大學人間開発学部子ども支援学科准教授・吉永安里先生と、自身も小学生のお子さんを持つ心理カウンセラーの神田裕子先生も加わっています。また、 内閣府が小学生と中学生を対象にとったアンケートデータをグラフでわかりやすく紹介し、ほかの子が小学校や中学校の生活をどのように感じているかもわかります。

ジョー先生とトール先生が解決法をアドバイス!(画像左) 友だち関係のアンケートデータも掲載(画像右)
「未来へいこーよ」スタッフの注目ポイント
小学生になると、一気にいろんな友だちが増えて楽しいことがたくさんある反面、これまで出会ったことがないトラブルも増えて悩みも増えていきますよね。僕も小学校時代を振り返ると乱暴な友だちがいたり、友だちの大切なものを壊してしまって「どうしよう~?」と困った経験があります。この本ではそれぞれの悩みに対して、最初に結論を持ってきているので、小学生でも「どうしたらいいか?」がすぐにわかります。
さらに解決策の提示が丁寧なのも好印象。例えば「全力であやまる」のときは、相手が「わかってくれた場合」と「ゆるしてくれなかった場合」の両方のパターンが入っていて、その後の行動がイメージしやすいです。また、同じ悩みを相手側の視点に立って「相手はどう思っていたか」がわかるのもいいところですね。
じつはこの本では最初に「友だち関係の悩みを笑顔に変える『笑顔の法則』」として「一番の親友は自分(自分の心を裏切らない)」「十人十色(多様性を認めよう)」と書かれていて、この2つが解決策の軸になっています。「無理に友だち合わせすぎなくてもよく、1人の時間や1人の世界を持つのもいいよ」というようなことも書いてあって、こういう言葉に救われる子どもも少なからずいると思いました。とくに子どもが悩んでいる様子がなくても、スッと本棚に追加しておいてあげたい本です。(KAZ)
小学生実用BOOKS 5分でわかる友だち術
本体990円(税込)、出版社:株式会社学研プラス
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