今回の相談は、6歳のお子さんが動画で性的なコンテンツを見てしまい、どのように対応すればよいか悩んでいるとのこと。子どものネット利用の適切な方法や、こうした状況での向き合い方について、専門家にアドバイスをいただきました。
このお悩みにアドバイスをくれたのは…
青木康太朗(あおきこうたろう)先生
〈監修者プロフィール〉
國學院大學人間開発学部子ども支援学科教授
大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科修了。国立青少年教育振興機構研究員、北翔大学生涯スポーツ学部准教授を経て現職。専門は青少年教育、野外教育で、自然体験活動の教育効果や安全管理の研究、指導者の養成、体験活動の普及啓発に取り組んでいる。文部科学省生涯学習調査官、こども家庭庁「子ども家庭審議会基本政策部会」臨時委員、国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター客員研究員等を務める。
<相談内容>
YouTubeなどの動画が見られるゲーム機で、先日6歳の女の子が性的な動画を見ていました。個人でアップされたものだと思いますが、アニメーションで性加害的な作品でとても嫌だと感じました。おそらく兄の見ていたものの関連でおすすめに出てきたものだと思います。動画を見る時間が野放しに増えている(夫が了承してしまいました)ことに加え、内容が暴力的なものなのは心配です。
こういった動画視聴や内容の制限や教育について、どうしたらよいでしょうか。夫には、コントロール不可能なので時間を増やさないでほしいと言いました。性的内容については、まず性教育が必要だと考えています。
現代のネット環境と子どもたちの現実
今の時代、子どもがインターネットと関わらずに生活することは不可能です。そして、子どもが見る情報を全てコントロールすることも難しいのが現実です。とくにネット広告はさまざまな形で表示され、これを完全に制限することはできません。そのため、制限と自由のバランスを考えながら、適切な環境を整えることが大切です。
子どものネット環境、親ができる対策
①フィルタリング機能を活用する
まずは、フィルタリング機能をうまく活用することです。子どものパソコンやスマホ、ゲーム機などにペアレンタルコントロールを設定して、子どもの使用状況を把握し、保護者が管理できる状態をつくっておきます。
例えば、YouTubeなら子ども用のアカウントを作り、お子さんの年齢に合ったコンテンツ設定をします。子どもが健全な範囲で使用できるように環境を整え、その制限の中で子どもが自由に使えるようにすることが理想的です。
②保護者が見える場所での使用ルールを作る
厳しい制限をかけすぎると、子どもが学習のために必要な情報を得られなくなってしまうこともあります。そこで「スマホやタブレットは大人の見えるところで使う」というルールも効果的です。
親が見える範囲内で使用するルールにすれば、子どもが何を見ているのかが分かり、親も安心できるでしょう。また、気になることがあればすぐに声をかけることもできます。
③ネットリテラシーをきちんと伝える
ネットの正しい使い方「ネットリテラシー」の教育も重要です。とくに小学生になると一人でインターネットを使う機会が増えてくるため、何が良くてどんなことが危ないのかを教えていくことが必要です。
交通安全も、子どもが道を安全に歩けるようになるために、交通ルールや危険なことを教えますね。ネット環境でもそれと同じように、正しい使い方や危険を教えて、覚えていくことが大事です。
性的コンテンツへの対応と性教育については?
今回の相談では、お子さんが性的な動画を見てしまったとのこと。性教育の難しさはタイミングにあります。基本的には子どもが必要性や興味を持ったときに年齢に応じて行うことが理想ですが、このお子さんはまだ6歳。積極的に性教育を行うというより、性的なコンテンツに出会ってしまったときの保護者の対応が大事です。
性的な画像や動画を子どもが見た際、「そういうのは見ないで」「知る必要がない」と完全に目を背けてしまうと、それが「触れてはいけないこと」というメッセージになり、正しく教育するタイミングを逸してしまいます。

子どもが「これ何?」「気持ち悪い」などと言ってきたら、「そうだね、気持ち悪いよね」と共感した上で、年齢に合わせて伝えられることを伝えます。
現代はネット上で性的コンテンツに簡単にアクセスできる時代です。家族でこうした話題を避けると、子どもが一人でネットから不適切な情報を得て、間違った性の観念や恋愛観を持つ危険性があります。子どもの身を守るために、ネットで出会う情報をきっかけにしても、親子で少しずつ対話して触れていくことが大事なのです。
親こそネットリテラシーを身につけよう
そして、子どものネット利用で最も重要なのは、大人自身がネットリテラシーを身につけることです。親世代は、子どもの頃に今のようなネット社会ではなかったため、きちんとリテラシー教育を受けた経験がありません。
自分がよく知らない世界で子どもが活動していると、どうしても不安が大きくなるもの。大人がしっかりとネットリテラシーを身につけていれば、「ここまでは使っていいよ」「こういう場合はこのルールを守って」など具体的な 説明ができるようになります。そうすれば親自身の漠然とした不安も減り、子どもにも適切なルールを設定しやすくなるのではないでしょうか。
かしこく便利なネット利用のために
制限のないインターネット環境は、例えるなら、 夜の歓楽街を子ども一人で歩いているようなもの。現実世界では、危険な場所に子どもを行かせないよう目を配りますが、ネットの世界ではその行動を常に見守ることはできません。そのため良くない情報に触れていたとしても、注意のしようがないのです。
インターネットは、さまざまな知識や世界のことを知れる素晴らしいツールです。安全に便利に付き合っていくためには、大人も子どもと一緒に、日々進化するネット社会について学び、考えていくことが大切なのです。
お話を伺って
親のネットリテラシーが子どもを守ることにつながるのだと、強く感じました。インターネットやSNSの世界では、見たくないもの、危ない情報が目に入ってくることが日々あります。私自身も子どもと一緒にスマホを見ているときに、卑猥なネット広告が出てきた経験があります。そんなとき、突然すぎてどうしたらいいかわからなくなってしまうんですよね。しかし、先生がおっしゃったように、「これは見ちゃダメ」と突っぱねてしまうと、親子で話すタイミングを逃してしまう気がします。完全に避けるのではなく、少しずつでも伝えられることを伝え、子どもと対話していくことの大切さを改めて感じました。
國學院大學人間開発学部子ども支援学科教授
大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科修了。国立青少年教育振興機構研究員、北翔大学生涯スポーツ学部准教授を経て現職。専門は青少年教育、野外教育で、自然体験活動の教育効果や安全管理の研究、指導者の養成、体験活動の普及啓発に取り組んでいる。文部科学省生涯学習調査官、こども家庭庁「子ども家庭審議会基本政策部会」臨時委員、国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター客員研究員等を務める。
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